相続税で悩む大家さん必見!相続対策・収益アップをかなえる資産組み換えとは?
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収益力が一目瞭然!資産の棚卸しとは?
評価額や収益力といわれてもピンと来ないオーナーも多いだろう。「築年の古いアパートより大型の店舗付きマンションのほうが収益は高そう」と思いがちだが、実際は前者の収益力が高いこともある。
「感覚で判断しないこと。部分的に見るのではなく、全体の中でどんな位置づけにあるかを整理して、現状を把握することが大切です。そのために、明確な数字で明らかにする必要があります」(須田さん)
多少の計算は必要だが、「棚卸しシート」を作ってみよう。
やってみよう!「不動産の棚卸しシート」
組み換えるべき不動産の目安は、
1)相続税評価額≫時価
2)収益力≪4%
ここでいう収益力は、相続税評価額に対する現金収支の割合だ。賃料収入を時価で割った「表面利回り」と違うことに注意して欲しい。
「シートを作成して所有の不動産を一度俯瞰した上で『残す物件』『活用する物件』『現金化・組み換える物件』の3つに分けます。その中で収益力や家族の意向などによって対策を立てる優先順位を決め、組み換えや活用を行うという流れになります」(須田さん)
実際に棚卸しシートを作成して対策を立てたのが、下の実例だ。
対策前は、キャッシュフローが悪く、相続税の支払いに不安だったオーナーが、対策後に相続税は大幅ダウン、年間収入が3,000万円もプラスとなった。
資産組み換え成功事例
資産組み換えで失敗しないコツは?
資産組み換えを円滑にすすめるには、家族の理解が不可欠。収益力など数字で現状を示すことができるように、棚卸しをして客観的なデータを揃えよう。相続税額を計算するには税理士、時価を知るには不動産会社のアドバイスがあるほうが心強い。このシートを持って、相談に行っても良い。
「相続対策を戦略的に考え親身になって考えてくれる税理士、客観的・複眼的な提案のできる不動産会社に依頼することが大切です」(須田さん)
まずは実際に資産の棚卸しをするところから始めてみよう。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2017年12月12日時点のものです。
取材・文/木村 元紀 撮影/青木 茂也