消費税増税前に「経過措置」の活用で負担増リスクを回避

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2度の延期を経ていよいよ消費税率が2019年10月より8%から10%に上がる予定だ。しかし、2019年3月までに請負契約を結べば、10月以降の完成でも、消費税率は8%が適用される。何らかの工事を検討中のオーナーには、この秋からの早めの行動開始をおすすめしたい。

2%アップも軽視できない「経過措置」の活用が賢明

政府はこの6月15日に「経済財政運営と改革の基本方針2018」、通称「骨太方針」を閣議決定。この中で「2019年10月1日の消費税率10%への引き上げ」を明記した。正式には2019年度税制改正で決まるが、今回は引き上げの可能性が高いといえそうだ。

税率2%のアップとはいえ、建築や大規模修繕のように金額の張る工事になると影響は大きい。たとえば、RC(鉄筋コンクリート)造の賃貸マンションを税別1億2000万円で建てる場合、2%の税率アップで240万円の負担増になる(試算表参照)。現在、これらの工事を検討中、または始める時期を迷っているなら、8%適用を目指してみてはどうだろうか。

適用税率は引き渡し日で決まる。同年9月30日までなら8%のままだ。仮に5階建てRC造マンションを建てる場合、工期は7~8月が一般的。9月末の引き渡しとなれば1~2月の着工でないと間に合わない。プラン打ち合わせ、施工会社選定などを考えると、今スタートしても遅いくらいだ。まして建て替えとなると、入居者立ち退き、解体工事もあるため、正規のスケジュールではすでにアウト。

しかし、工事に長期間を擁する請負工事の場合は、同年3月31日までに契約を結べば、引き渡しが10月1日を超えても8%が適用される「経過措置」がある。建築費も高止まりしており、この制度を最大限に利用するほうが賢明だろう。

駆け込み需要で工期の遅れも。リスクを考えた早めの行動を

工事の種類ごとに工期が変わるため、各工事のスケジュール感を下図に示してみた。室内設備の交換などの簡単なリフォームなら1週間程度で済むので「まだ余裕がある」と思うかもしれない。しかし、前回の税率アップのときは、駆け込み需要が殺到し、着工まで半年待ちという現象も発生。4月以降に契約しても着工は10月以降ということもありうる。

仮に着工できても、9月末に近づくと期限に間に合わせようと工事を急ぐため、施工不良や欠陥を招く事態や、天候不順などによる工期の遅れも怖い。なるべく余裕を持った安全な計画での経過措置の活用をおすすめしたい。

【試算】賃貸マンションを新築すると、増税前後で負担はいくら増える?

  • 物件概要:RC造マンション、3階建て15戸
  • 建築費:1億2,000万円(税別)
  • 資金計画:全額ローン、年利1%、30年返済
  • 家賃:1K1室7万円、年間1,260万円
  • 諸経費:家賃の20%(252万円)

各種工事のポイント

新築(マンション)

一般的に工期が8カ月かかるので、着工も2019年3月末までが理想。経過措置以前に契約は済ませたい。

建て替え(アパート)

木造2階建ての場合、一般的に工期は4カ月程度だが、立ち退き、解体などがあるため、早めに動くことをおすすめ。

リフォーム・リノベーション

通常の工期であれば2019年4月以降のスタートでも間に合うが、着工遅れ、工期遅れもあるので早めに動きたい。

大規模修繕

屋根や外壁修繕など、工事の種類や規模によって、工期が大きく変わってくるので、注意が必要。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年9月5日時点の情報です。

文/木村 元紀

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