2021年分の確定申告、賃貸オーナーに影響する変更点は?インボイス制度はいつから始まる?

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公開日:2021年11月24日
更新日:2022年3月15日
2021年分の確定申告、賃貸オーナーに影響する変更点は?インボイス制度はいつから始まる?1

2021年分確定申告の時期が近づいてきました。賃貸オーナーに大きく影響を与える点はありませんが、改めて確認しておきたい、昨年の変更内容をご紹介します。また、2023年からの導入で注目されている「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」について、概要を説明します。

お話を聞いた方
2021年分の確定申告、賃貸オーナーに影響する変更点は?インボイス制度はいつから始まる?2

税理士法人アンサーズ会計事務所
野上 浩二郎 氏

2021年分確定申告に備え、確認しておきたいポイント

2021年分の確定申告の期間は2022年2月16日(水)~3月15日(火)までとなります。賃貸オーナーに大きく影響を与える変更点はありませんが、昨年は基礎控除と所得控除に加え、青色申告特別控除にも変更がありました。要点をご紹介します。

2021年分から変更になっている各種控除額

昨年変更された、基礎控除と所得控除、青色申告特別控除について、変更の要点は下表にまとめたとおりです。

基礎控除額の変更点(所得税)
合計所得金額 2019年分まで 2020年分から
0円~2,400万円 38万円 48万円
 2,400万円超~2,450万円 32万円
 2,450万円超~2,500万円 16万円
 2,500万円超 0円(控除なし)

 

各所得控除の変更点

 

給与所得
控除
控除額を一律10万円引き下げ
年収上限額が1,000万円→850万円に引き下げ
最大控除額220万円→195万円に引き下げ
公的年金
控除
控除額を一律10万円引き下げ
年金以外の所得が1,000万円を超える場合、
さらに控除額引き下げ

※上記のほか配偶者(特別)控除、扶養控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、障害者控除の要件も変更

青色申告特別控除の変更点
2019年分まで 2020年分から
65万円 55万円または65万円
(電子申告の場合のみ)

※特別控除に当てはまらない場合の控除額10万円は変更なし

経費が適切に使えているか早めに確認を

2021年も、緊急事態宣言等が長く発出されていたため、外出自粛により経費をあまり使えていない場合があります。

思わぬ所得増になってしまう可能性があるので、一度ご自身で計算し、必要があれば年内に適切な範囲で修繕や設備導入などを行うといいでしょう。

申告期限の延長は申請が必要に

2020年、2021年提出分については、新型コロナウイルスの影響で期限までに申告・納付等ができない場合、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」などと記載する簡易な方法が認められていました。

しかし、21年4月16日以降は「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を作成・提出することになりました。

詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。

注目を集める「インボイス制度」とは。いつから始まる?

2021年分の確定申告、賃貸オーナーに影響する変更点は?インボイス制度はいつから始まる?2

次に、2023年から導入が予定されている「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」について、概要をご説明しましょう。賃貸オーナーのうち、課税収入がある方には影響がある制度です。

2021年10月1日からは「適格請求書(インボイス)」の発行事業者の登録がスタートしています。制度の開始まではまだ時間があるので、ご自身でも制度の進捗を注視しましょう。

「適格請求書(インボイス)」とは?

消費税が10%になる際に、軽減税率8%が導入されたことに対応するための、それぞれの商品に対する適正な税率区別が記載された書面(請求書、納品書、領収書、レシート等)を指します。

この書面を事業者が発行・保存しなければならないのが「インボイス制度」です。インボイスを発行するには、「適格請求書発行事業者」としての登録が必要になり、登録できるのは消費税の申告をする「課税事業者」に限られています。

制度の詳しい内容は国税庁ホームページでご確認ください

少額でも課税収入のあるオーナーに影響する「インボイス制度」

この制度は、課税事業者・免税事業者に関わらず、課税収入が少額でもあるすべての賃貸オーナーに影響があります。制度開始による影響や対応の検討など詳しいことは、税理士などの専門家に相談してください。

〈課税収入の例〉
●事務所や店舗の賃料・共益費
●太陽光の売電収入
●駐車場や倉庫などの賃料
●賃貸建物の売却金額など

非課税収入のみのオーナーは影響なし

住宅の賃料など、非課税の収入のみの方は特に影響はなく、これまでと変更ありません。

〈非課税収入の例〉
●住宅用の賃料・共益費
●土地の賃貸料
●土地の売却金額

※※この記事内のデータ、数値などに関しては2021年11月4日時点の情報です。

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