建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す

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公開日:2022年3月3日
更新日:2022年4月14日
建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す1

プライベートとパブリックの空間にゆるやかなつながりを持たせることで、暮らしはもっとゆとりに満ちた心豊かなものになる。一見デメリットにも思える敷地の特性を活かすことで、他にはない魅力が生まれる。そんな考えのもと、人気物件を数多く創り出している建築家の添田氏に、長く愛される賃貸住宅のポイントを語っていただきました。

お話を伺いました
建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

建築家 添田 貴之氏

(株)添田建築アトリエ代表

そえだ たかゆき●一級建築士。1974年三重県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。同大学院理工学研究科修了。東京都市大学非常勤講師。

建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

著書『デザイナーと投資家のための賃貸集合住宅企画[術]』

高柳 英明(著/文)、添田 貴之(著/文)

企画者でもあり設計にかかわる著者、賃貸集合住宅を中心に仕事を続ける建築家のタッグによる、賃貸集合住宅の最強マニュアル。

価格 ¥2,750(本体¥2,500)、彰国社

住む人の日常にゆとりと潤いを

賃貸住宅を設計するとき、私は公(共用部)と私(専有部)、あるいは外部と内部の空間を出来るだけ区切らず、関係性を持たせるようにしています。完全に分けてしまうと建物全体が窮屈になり、閉塞感が生まれるからです。

空間をつなげて共有させることで、開放感や心の豊かさを感じる住まいを創り出したいと考えています。

住戸の間取りも「キッチン」「リビング」「寝室」といった役割で空間を分けず、曖昧なスペースを取り入れると、視線が抜けて広がりが生まれます。使い方は住む人次第。自由度の高い柔軟な暮らし方ができるのも魅力です。

もうひとつ大切にしているのは、敷地を丁寧に分析して、その特性を生かすこと。切通しに建つ「桜木町の集合住宅」もその一例です。建物の配置を工夫して憩いの共用庭を設け、神社の豊かな緑が暮らしに溶け込むこの土地ならではの価値ある空間を創出しました。

このような、住む人の日々の暮らしにゆとりと潤いをもたらす視点をプランに生かすことは、在宅時間が増えた今に限らず、いつの時代も愛される賃貸住宅づくりに欠かせないものと考えています。

Great Work~建築事例紹介~:「桜木町の集合住宅」

建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

写真/ Takumi Ota

神奈川県横浜市/RC造、1LDK×20戸

道路と崖に挟まれた切通しの敷地をうまく活かした賃貸住宅。周囲の建物がほとんど擁壁に背を向ける中、添田氏は擁壁と建物の間のスペースに着目。ここに1階住戸の専用庭と入居者の憩いの場となる共用庭を設けてゆるやかに空間をつなげ、くつろぎの居場所を広げた。

建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2
建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

大きな切通しの道路に面した土地。敷地の背後に崖が迫り、高さ6mの擁壁の上には神社の杜が生い茂る。共用廊下からも住戸からも、神社の緑が楽しめるプランになっている

建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

青々とした杜との美しい対比。共用廊下の温かみのある照明が描くアートのような陰影が、無機質なコンクリート壁に様々な表情を生み出す

建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

視線の先に鮮やかな緑が現れる共用廊下。配管を覆うメッシュ天井の抜け感も印象的

建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2
建築家・添田 貴之氏インタビュー|「公」と「私」のゆるやかなつながりが暮らしにゆとりと豊かな情景を創り出す2

1階住戸の専用庭は穴開きブロック塀で共用庭とゆるやかに空間を共有できる設計に(上)。室内は無垢フローリングで仕上げ、無駄のないシンプルなインテリア。杜の緑が映る小窓が一枚の絵画のよう(下)

※この記事内のデータ、数値などに関しては2022年3月3日時点の情報です。

取材・文/菱沼 晶  写真/ Takumi Ota

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