「一人暮らし×都心通勤・通学編」では常磐線沿線の駅が人気！

物価高にともない、東京の賃貸マンションの家賃相場も上昇するなか、都心の企業で働く人や学校に通う人にとっては、家賃と通勤・通学の利便性はどちらも妥協したくない条件です。

「都心に近く・住みやすく・かつ家賃も抑えられる街」。そのような3拍子そろった街・エリアを可視化するべく、LIFULL HOME’Sでは、各駅から徒歩15分圏内の単身世帯用物件の平均家賃とその駅周辺の施設充実度から「理論家賃（駅周辺の住みやすさに見合う妥当な家賃）」を算出し、実際の平均家賃が理論家賃と比べて安い駅をランキングにしています。

対象は都心の職場や学校に通いやすい駅として、JR山手線各駅、ならびに山手線各駅から20分圏内にある駅。結果は以下の通りとなりました。

住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023（1～10位）
【一人暮らし×都心通勤・通学編】

出典：【一人暮らし×都心通勤・通学編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023～｜LIFULL HOME’S

1位 亀有駅は「理論家賃－実際の平均賃料」の差が大きいお得な駅

亀有駅前

1位は「亀有」駅で、大手町駅まで24分 、東京駅まで33分、新宿駅まで40分と交通利便性が高いのが特徴。駅から徒歩15分以内でアクセス可能な施設の充実度をスコア化した「駅周辺充実度」も100点満点のうち85ポイントと高スコアでした。

「亀有」駅は対象駅の中でも、理論家賃と実際の平均賃料との差額が最も大きく、マイナス4.52万円。これは、住みやすさに見合う家賃よりも、実際は4.52万円も低い家賃相場で借りられる、おトクな駅ということになります。

ちなみにトップ10にはJR常磐線の沿線駅が4駅ランクインしています。

2位は埼玉の中心「川口」。3位には再開発の進む「金町」

2位にランクインした「川口」駅は、理論家賃と平均賃料との差額がマイナス4.38万円。埼玉エリアの中心駅の一つである駅で、池袋駅まで19分、新宿駅まで24分と、交通利便性も高く、飲食店やスーパーも充実しています。

3位は、1位の「亀有」駅のお隣である「金町」駅。JR常磐線と京成金町線、直通運転の東京メトロ千代田線も含めれば実質3路線利用可能という交通利便性に優れながらも、平均家賃が7.68万円。

これはトップ10の駅では2番目に低い賃料ですが、駅の南口・北口それぞれで大規模な再開発が進行中。LIFULL HOME’Sの住まいインデックスでも、金町駅は中古マンション価格の変動率が高めに推移しており、賃貸の家賃も今後上がることが予想されます。

「一人暮らし×テレワーク編」では、トップ3がすべて千葉県の主要駅に

次に、「【一人暮らし×テレワーク編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023」を見てみましょう。テレワークとはいえ、週に数回は出社や打合せのために都内へ出向くことも想定し、対象駅を1都3県（東京・神奈川・千葉・埼玉）の全駅としています。

住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023（1～10位）
【一人暮らし×テレワーク編】

出典：【一人暮らし×テレワーク編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023～｜LIFULL HOME’S

「飲食店」が高スコアで一人暮らしに嬉しい「柏」駅が1位

夜の柏駅前

ランキング1位は「柏」駅（JR常磐線・千葉県柏市）、2位は「京成千葉」駅（京成千葉線・千葉県千葉市）、3位は「千葉」駅（千葉都市モノレール・千葉県千葉市）となりました。

1位の「柏」駅は、千葉県有数のターミナル駅。「駅周辺充実度（駅から徒歩15分以内でアクセス可能な施設数をスコア化したもの）が、100点満点のうち86と高く、一人暮らしの食生活を支えるお店が駅前に揃っています。

理論家賃の11.32万円よりも実際の平均家賃が6.98万円と4.34万円も安く、お得に住める駅でもあります。

通勤時間帯には「東京」駅までJR常磐線で約40分、「品川」駅には約50分。これも、週に何日かの出社であれば許容できる範囲内といえるでしょう。

国道16号線沿いエリアに上位駅が連なる

ランキングの結果を地図上に示すと、4位「八王子」駅（JR中央線・東京都八王子市）、5位「藤沢」駅（小田急江ノ島線・神奈川県藤沢市）、15以内に「川越」駅（東武東上線・埼玉県川越市）・「大宮」駅（JR埼京線・埼玉県さいたま市）と、首都圏を環状に結んだ国道16号線沿いに上位の駅が連なっています。

車の利便性も高いこのエリアが、一人暮らしの街選びでも、家賃の割に住環境が充実している街といえるでしょう。

ちなみに、「一人暮らし×都心通勤・通学編」で1位の「亀有」駅はこちらのランキングでは29位。同じJR常磐線沿線ですが、毎日の通勤がないのであれば、20分ほど電車に乗っても「柏」駅の方が家賃も安く住みやすい、という選択になるのかもしれません。

忙しいカップルに利便性の高さが高評価のエリアは？

それでは、二人暮らしの場合はどうでしょうか。JR山手線各駅、ならびに山手線各駅から20分圏内にある駅と、築40年以内、駅徒歩15分以内、1LDK・2K・2DK・2LDK・3K・3DK・3LDK、30m2以上80m2未満の賃貸マンションを対象とした「【二人暮らし×都心通勤編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023」は以下のようになりました。

住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023（1～10位）
【二人暮らし×都心通勤・通学編】

出典：【二人暮らし×都心通勤・通学編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023～｜LIFULL HOME’S

トップ2までは「一人暮らし×都心通勤・通学編」と同じ2駅でした。3位に「一人暮らし×都心通勤・通学編」では8位だった「小岩」駅（JR総武線・東京都江戸川区）がランクインしています。

二人暮らしは将来の子育てのしやすさも想定？

川口市にあるイイナパーク川口、芝生広場と歴史自然資料館

1位の「亀有」駅は、やはり理論家賃と実際の平均家賃の差が大きく、6.99万円。一人暮らしも二人暮らしも、通勤が便利なのに家賃相場が安い点で高い支持を得ています。

注目は2位の「川口」駅の「子育て施設」のスコアが上位10駅のなかで最も高い点。3位の「小岩」駅も「医療施設」のスコアが高くなっています。通勤・家賃の安さ・利便性の他にも、二人暮らしには、将来の子育てを想定した安心感が暮らしやすさにつながるようです。

「二人暮らし×テレワーク編」は仕事とプライベートのバランスを重視

最後に、「【二人暮らし×テレワーク編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023」。対象駅は1都3県（東京・神奈川・千葉・埼玉）の全駅で、テレワークのライフスタイルを想定した際に、「住環境が優れているわりに、家賃を抑えて二人暮らし用の物件を借りられる駅」のランキングとなります。

住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023（1～10位）
【二人暮らし×テレワーク編】

出典：【二人暮らし×テレワーク編】住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023～｜LIFULL HOME’S

立川市の新街区「GREEN SPRINGS」

ランキングの1位は、「一人暮らし×テレワーク編」では8位だった立川駅（JR中央線、青梅線、南武線・東京都立川市）。施設の充実度を表す「駅周辺充実度」が100点満点のうち92ポイントで、渋谷駅や大手町駅といった都心のターミナル駅に匹敵するスコアとなっています。

理論家賃は17.81万円で、実際の平均家賃11.23万円との差額（6.58万円）も対象駅のなかで最大です。

2位は葭川公園（よしかわこうえん）駅（千葉都市モノレール1号線・千葉県千葉市）、3位は栄町駅（千葉都市モノレール1号線・千葉県千葉市）で、千葉都市モノレールの2駅ランクイン。千葉駅まで徒歩で行けるエリアも含まれるので、週に何度かJR総武線で都心へ出ることもそこまで苦にならないかもしれません。

二人暮らしの中には「購入前に賃貸でお試し」層も多い？

4位「平塚」や5位「本厚木」など、より郊外志向が強く出ている「二人暮らし×テレワーク編」。より長い時間を過ごす街である分、テレワーク中心の二人にとっては仕事とプライベートの充実に加え、将来にわたっての暮らしやすさを求める傾向が強く表れているようにも見えます。

物件価格が上昇傾向にある現在、郊外でのマイホーム購入を検討している層がまずは賃貸で住んでみる、というパターンも多そうです。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2023年1月31日時点のものです。

文／石垣 光子

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