賃貸リノベーションのトレンドは?アフターコロナの最新事情&事例を紹介!

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公開日:2023年6月28日
更新日:2024年3月8日
賃貸リノベーションのトレンドは?アフターコロナの最新事情&事例を紹介!1

リノベーションは賃貸経営において、空室対策の有効な手段です。ポイントを押さえて上手に行えば、築古物件でも人気物件に変身します。そこで今回はリノベーションに関するノウハウや参考事例を大公開!コロナ禍を経て変化した入居者ニーズや最新トレンドを把握して費用対効果の高いリノベプランを立てましょう。

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お話しを伺った方
賃貸リノベーションのトレンドは?アフターコロナの最新事情&事例を紹介!2

グッドルーム株式会社 投資企画部マネージャー 武田 航希 さん

2018年にグッドルーム株式会社に入社。課題を抱える不動産に関しての利活用提案をメインで担当している。

テレワークの普及で間取りのニーズが変化。ポイントは”スペースの切り分け”

2020年からのコロナ禍でテレワークやオンライン学習が一気に普及し、在宅時間が増えたことで、賃貸市場においても入居者ニーズが大きく変化しました。

賃貸リノベーションのトレンドは?アフターコロナの最新事情&事例を紹介!2

コロナ禍の最中には、高い家賃を払って通勤に便利な都心に住む価値が薄れ、同じ賃料で広い居住空間が得られる郊外へ移り住む動きも活発になりました。

現在は都心への流入が戻っているものの、ファミリー層は依然として郊外志向が続いています。コロナ禍で生まれたこうした変化は、賃貸住宅のリノベにどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

グッドルーム(株)の武田航希さんによると、コロナ禍以降、熱望されるようになったのが、快適にテレワークができるワークスペースや高速インターネット設備を備えた住まい。特に間取りのニーズが大きく変わったといいます。

「コロナ禍以前は部屋数よりも広々と開放的な暮らしを求めるニーズが高く、例えば単身者向けの築古の1DKは間仕切りを取り払ってワンルームにするようなリノベが主流でした。

ところが、コロナ禍で『働くスペースと寝るスペースを分けたい』と望むご入居者が増え、ワンルームでも何らかの仕組みでスペースを切り分けられる部屋の人気が高まっています。ファミリー向けの物件は、LDKの一角を仕切って、“おこもり感"のあるワークスペースを設けたプランの反響が高いですね」(武田さん)

入居者全員がテレワークをするわけではないことに要注意

新型コロナウイルスは2023年5月から5類感染症に移行したが、すでにテレワークを恒常化している企業も多く、アフターコロナ時代を迎えても、コロナ禍で生まれた生活スタイルのかなりの部分が社会に定着するでしょう。

今後も「自宅で仕事できる環境を整えたい」、「家で過ごす時間を快適で豊かなものにしたい」といった入居者ニーズは増えていくと思われますので、こうしたトレンドも捉えていきたいところ。ただし、入居者の誰もがテレワークをするわけではないことに注意が必要です。

「例えばワークスペースを設けるなら、『収納としても利用できる柔軟なスペースにする』、『リビングの一角を可動式のパーテーションで仕切る』といった、住み手のライフスタイルによって使い分けられる汎用性も考慮したプランがおすすめです」と武田さんは話します。

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※写真はイメージ。グッドルームの事例ではありません

「例えばワークスペースを設けるなら、『収納としても利用できる柔軟なスペースにする』、『リビングの一角を可動式のパーテーションで仕切る』といった、住み手のライフスタイルによって使い分けられる汎用性も考慮したプランがおすすめです」と武田さんは話します。

築古の魅力を活かしつつ今のニーズを捉えたリノベを

「現在の入居者が住まい選びで重要視するのは建物の新しさではありません。それよりも家賃や部屋の広さ、住環境、設備に重きを置いているようです」と武田さん。

「築年数」については、部屋探しの中で当初の想定より10.2年古くても妥協できるという調査データもあります※。若者の間では“昭和レトロ"がブームになっており、築古ならではの古さを逆に味わいととらえる入居者も増えています。

※出典:アットホーム(株)「不動産のプロが選ぶ!『2022年下半期 問合せが多かった条件・設備~賃貸編~』ランキング」

築古の個性や魅力をうまく活かしつつ、今どきの暮らしに合ったリノベーションで付加価値を付けることが、空室を生まないための重要なポイントになります。

「可能であれば浴室、トイレ、キッチンなどの水まわり設備は最新のものに交換した方が良いでしょう。特に3点ユニットは入居付けに苦労する可能性が高いため、分離工事を行い、独立洗面台を設置することをおすすめします。スペース的に難しい場合は、3点ユニットをトイレとシャワーブースに換えるのも効果的です」(武田さん)

リノベ事例紹介|古びた和室の2DKを広々としたワンルームに

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居室がすべて和室かつ細かな部屋分けだった2DK

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老朽化していた設備を交換し、キッチンには多目的に使えるカウンターを設置。さらにウォークインクローゼットも設けて、入居者からのニーズが高い収納力もアップしています。

家賃 自己利用のため0円(周辺相場75,000円)▶93,000円
リノベ総費用 524万円
築年数 築34年
構造 軽量鉄骨造
間取り変更 2DK → 1R
専有面積 47.05㎡
物件所在地 東京都練馬区石神井
施工会社 グッドルーム(株)

 

リノベ事例紹介|補助金100万円を活用!間取りもデザインも一新

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20年以上住んでいた入居者が退去し、汚れがひどかった築古マンションの3DK。室内は汚れも目立ち、4 カ月間空室が続いていました。

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原状回復でも相当な費用がかかるため、国土交通省による「子育て支援型共同住宅推進事業」を活用。補助金100万円を得て間取りを2LDKに変更し、カウンターキッチンに。LDKは無垢床を採用し、居室2 室はフロアタイルにしてコストダウンを図りました。

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さらに、テレワークはもちろんのこと、入居者のニーズに合わせて活用できるデスクを造作。エレベーターのない4階というハンデも乗り越えて、家賃アップで入居が決まりました。

家賃 60,000円▶75,000円
リノベ総費用 485万円(うち100万円を補助金でカバー)
築年数 築35年
構造 RC(鉄筋コンクリート)造
間取り変更 3DK → 2LDK
専有面積 60.00㎡
物件所在地 福岡県北九州市
施工会社 グッドルーム(株)

 

遮音・断熱など住宅性能の向上、人気設備の導入を検討しよう

前述したように、アフターコロナの時代もテレワークは定着しそうなことから、集中して仕事ができるよう、遮音性の向上も今後の課題となります。

また、夏や冬の在宅時間の増加は冷暖房費のアップに直結します。昨今の光熱費高騰も考えると、断熱性能を高める、省エネ性の高いエアコンに換えるといった配慮もしたいところです。この他、高速インターネット、宅配ボックス、TVモニター付きインターホンなどの設置が望まれます。

適切な場所に適正な費用をかけることが成功への道

「条件的に埋まりにくい空室がある場合は、思い切ってその部屋を共有のシェアラウンジやワークスペースにリノベするという手もあります。個々の居室が狭くても拡張空間として使っていただけますし、他にない付加価値となって差別化が図れます」と武田さん。

ただし、コストの掛けすぎにならないよう、家賃とのバランスを考えて、適切な場所に適正な費用をかけることが重要。プラス要素を加えるより、まずはマイナス要素を削ることが大切です。

リノベ事例紹介|築古の元社員寮を全室ワンルームに大胆リノベ

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入居率が低下していた築24 年の元社員寮。不人気な3点ユニットバスなど、入居付けが難しい状況でした。

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1 棟まるごとリノベを実行し、周辺との差別化を考えて全室ワンルームの賃貸に変更しました。

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独立洗面台とトイレを新設して3点ユニットバスを分離。キッチン横には勉強机にも調理台にもなるデスクを設置し、最新ニーズに対応しています。

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1階には入居者無料のコワーキングスペースを設け、個別ブースも用意。相場より高い家賃で満室を実現しました。

家賃 社員寮のため0円(周辺相場は7万円)▶8万円
リノベ総費用 1億4,500万円
築年数 築23年
構造 SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造・5 階建て
間取り変更 50 戸・1R
専有面積 18.00㎡
物件所在地 神奈川県横浜市
施工会社 グッドルーム(株)

 

築古でも付加価値を付けて家賃大幅アップ

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3LDKがキッチンや和室に区切られていた築25年の物件。築年数の経過により設備の劣化が見られ、再募集時の賃料上昇も見込めない状態でした。

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コンフォート津田沼弐番館605号室を再生

和室とLDKをつなげて、収納豊富な16畳超のLDKに変更。内装は無垢床+白を基調にすっきりと統一しました。

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キッチンは対面式に変更し、独立洗面台も造作しました。

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居室に加えて、1階の元集会所は共有のテレワークスペースにリノベして付加価値を高めています。集会所の機能を保ちつつ、ワークスペースも新たに設置しています。リノベ後には施工中に成約し、家賃アップと早期入居を実現しました。

家賃 139,000円▶182,000円
リノベ総費用 527万2,000 円
築年数 築25年
構造 SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造
間取り変更 3LDK → 2SLDK
専有面積 65.05㎡
物件所在地 東京都練馬区
施工会社 グッドルーム(株)

 

まとめ|築古でもリノベーションで人気物件に生まれ変わる

築古でも心配することはありません。可変性のある間取り、ニーズの高い設備の導入、遮音性の向上など、コロナ禍を経て生まれた新たなニーズを踏まえたリノベをしましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2023年6月7日時点の情報です。

取材・文/藤谷 スミカ

ライタープロフィール
藤谷 スミカ(ふじたに・すみか)
同志社大学文学部英文学科卒。広告制作プロダクション、情報誌出版社を経て、フリーランスのコピーライターとして30余年。ハウスメーカーの実例取材記事、注文住宅、リフォーム、土地活用に関する情報誌の記事、企業PR誌の著名人インタビュー記事、対談記事、企業単行本の執筆等を手がける。

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