賃貸アパート・マンションで高齢者に安心して部屋を貸すための方法
少子高齢化の日本では、今後は高齢者が貴重な入居者ターゲットです。高齢者に部屋を貸すことに抵抗感があるオーナーは多いですが、他の入居者層にはないメリットもあります。高齢入居者のリスクを減らす方法を知り、安心して受け入れられる体制を整えましょう。
入居の体制を整えて、門戸を広げる
日本は少子高齢化が急速に進み、賃貸住宅の空室率は上昇を続けています。入居者を選り好みしていては、将来的に賃貸経営が立ち行かなくなる可能性もあります。
今後は、高齢者や外国人など、新たな入居者ターゲットも積極的に検討していくべきです。
しかし、高齢者に部屋を貸すことに抵抗感がある人は、今も少なくありません。アンケート調査によると、「高齢の単身者に部屋を貸すこと」に積極的なオーナーはわずか12 %程度になっています。
高齢者入居者のメリット
高齢者のリスクはそんなに高いのかというと、そうではありません。老老介護による事件などがマスコミで取り上げられて先入観が一般に浸透しただけで、実際に迷惑行為を行う人は少ないのが現状です。
高齢入居者のメリットは、実はたくさんあります。
入居期間が長い上に家賃の滞納が少なく、また生活ルールを守り、部屋をキレイに使ってくれる傾向があるのです。
滞納が気になるなら、審査時に振り込み口座を見せてもらい、残高を確認すれば安心です。年金生活者は定期収入があるため滞納の心配は少なく、また近年は高齢者対象の滞納保証サービスもあります。
ハード面も、エレベーターやバリアフリーが不可欠というわけではありません。
高齢者と言っても健康状態や資産状況は様々なので、広いボリュームゾーンの中からターゲットを絞れば、それに合う入居者が来てくれます。
高齢者向け保険や見守りサービスの利用でリスクは減らせる
ただ、孤独死する高齢者の比率は、若者に比べるとやはり多く、死亡事故についてはそれなりのリスクがあるのは事実です。
厄介なのは、原状回復費用と事故後の空室、家賃の値下げによる損害の発生ですが、近年はこのような損害を補う保険もあります。
また、高齢者の見守りサービスも今は様々な種類が出てきているので、物件の入居者層や予算などをよく分析し、導入を検討してもいいでしょう。
一方で、自殺などによる若者の孤独死も少なくありません。若いから大丈夫というわけではなく、賃貸経営は入居者が誰でも一定のリスクがあります。
ならば、オーナーも意識を変えて、選択肢を増やす方が賢明と言えるでしょう。
文/木村 元紀
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