市場統計の評論ではなく冷静な分析と洞察力が重要

「建築会社から提案を受けたが、こんなに建築費が高騰している中で、この収支計算で大丈夫？」と不安にかられて（株）青山財産ネットワークスにセカンドオピニオンを求めるオーナーは少なくありません。

一方で「家賃相場は上昇している。新築なら高い賃料が得られるのでは？」と前のめりで対策を急ぐ声も聞きます。

どちらも「土地活用と言えば賃貸住宅の建築が定番」という発想にとらわれている点で変わりありません。これに対して「手段を目的にしてはいけません」と小野さんは注意を促します。

「土地活用の目的は、安定収入の確保と相続への備えが2本柱です。賃貸住宅の建築は、あくまでもそのための手段の１つ。目的を実現する方法は多数あります」

どんな手を打つべきかを判断するには、客観的な材料が必要です。

「確かに建築費高騰の影響は大きいのですが、何を建てるか、どの事業者と組むかによって収支は変わってきます。家賃相場もエリアやタイプによって統計では上昇しているデータはあるものの、実感値としては必ずしも上昇していません。一部の大企業を除いて、大幅な物価上昇は多くの人々の可処分所得を減らしており、むしろ高い住居費を支払える余裕のある人が減ってきている実態もあります」

先行き不透明な今こそ、綿密な調査と冷静な分析、実務の機微を踏まえた洞察力が試されます。あふれる情報に惑わされずに、不安や迷いを払拭するには、プロの目線が欠かせません。

実践的な事業計画の組み立てが成否を分ける

具体的な対策に入ると、コンサルティングの力はより重要性を増します。土地活用のメニューは豊富です。相続を見据えた上で、どの土地に、どの程度の建築が最適か、はたまた土地貸しにするのがベストか、資金調達は――など様々な選択肢が出てきます。

「土地の条件、エリアのニーズ、オーナーやご家族の意向に合せた計画が大切です。財産全体の分析を踏まえた上で、戦略的に、対策する不動産を絞り込みます。建築会社に相談すると建てることで、不動産会社に相談すると売買すること等で解決を図ろうとし、本業の商品やサービスありきの提案になってしまうことが非常に多いです。我々は何もしないという選択をする可能性もあります。提案できるカードは無限です」（小野さん）

いわば各事業者は専門料理店と同じ。フレンチレストランではフランス料理しか頼めません。片やコンサルタントは、専属料理人です。オーナーの趣向、目的に応じて、食材や調理法を選ぶようにオリジナルのお皿に仕立ててくれます。具体的なレシピに落とし込んでいくには、アイデアとセンスがモノを言うでしょう。

「収益アップを目指す方法にも、賃料収入を高めるプラスの対策と、建築費やランニングコストを抑えるといったマイナスの削減対策があり、どこのポイントを押さえるか、何を優先するかによってアプローチが異なります。同じ『建てる』にしても、住居系か商業系か、商業系でもコンビニかドラッグストアかなど、各業態の実状を踏まえたプランを練り上げます」

全体構想の組み立ての質が対策の成否を左右すると言えます。

プロならではの組み立て！コンサルティング事例

750坪の未活用地。借り入れをおさえて有効活用したい

ゴールに導く実行力が強み！調査・分析・計画までは無料

レシピ通りに作ればおいしい料理になるというわけではありません。食材の目利き、調理の腕前が味を決めます。土地活用で言えば、机上の計算に終わらない実行力です。

「施工会社は、企画にあった信用力のある会社を選定してフルコンペを実施します。見積り金額だけではなく、財務体質、実績、施工条件などをトータルに比較して評価します。ある事例では、5社でコンペして最大で１億円以上の開差が生じたこともありました。これは建築費総額の25％に相当します」

実力本位で選んだ中でも、これほどの差が出ます。他にも要望に応じ、設計事務所や管理会社、金融機関も含めて、活用計画に応じて、その都度ベストなパートナーと組んで進めていきます。有力なテナントを誘致できるかも肝になるでしょう。コンスタントに多数の事業者と取り引きし、強いパイプを持っているからこそ成し得ることでしょう。

そして、最終的にオーナーに利益が残るかどうか、財産が守れるかが重要です。同社の報酬は総事業費の1～5％程度が目安ですが、基本は成功報酬。提案時に報酬を提示し、対策を提示し、実行されて初めてフィーが発生します。調査・分析・計画立案までは原則無料です。

それでも上図のように、オーナーの難しい意向を汲み、他では見られない緻密なプランを提案してもらえます。所有不動産の収益性が低い、未利用地があるなど、財産や相続で悩みがあるなら、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

※この記事内の情報は2023年6月8日時点のものです。

取材・文／木村 元紀

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