【最新】2022年度賃貸契約者動向が発表!入居者の設備満足度1位となったのは世相を反映するあの設備
(株)リクルートによる「2022年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」が発表されました。2022年度(2022年4月~2023年3月)に賃貸住宅へ入居した方を対象に、部屋探しや物件に対する満足度を調査したものです。賃貸入居者が欲しい設備や求める条件などは、昨年までと比べてどう変化したのでしょうか。効果的な空室対策の参考になる各結果をご紹介します。
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部屋探しについて①|オンライン内見数は2年連続で増加中
最初は部屋探しについてです。マスクの着用が任意となったのは2023年3月13日以降ですが、前年に比べると外出へのハードルは下がったといえる2022年度。訪問や内見は増えたのでしょうか。
入居希望者が訪問した不動産会社の店舗数は前年と変わらず
訪問した不動産会社の平均店舗数は1.6店舗で、前年度と変わらずでした。世帯構成別ではファミリーが最も多く平均1.8店舗、ひとり暮らしの学生が最も少なく平均1.3店舗でした。
また、入居希望者が実際に部屋を見学した件数は平均2.7件。前年度は微増しましたが今回、2020年度と同じ数字に。2005年度の4.9件から年々少しずつ減っています。会社訪問数と同じくファミリーが最も多く、3.2件でした。
ちなみに上記は見学0件の人も含む全体の平均でしたが、それを除いた平均見学物件数は2.9件。物件見学0の人の割合は8.2%で、前年度より微増。15.4%の学生が見学をせずに物件を決めています。
オンライン内見のみの人が22.7%で、オンラインと対面の両方を併用した人が9.8%。合計すると32.5%がオンライン内見を実施しており、2年連続で増加しています。
部屋探しについて②|IT重説の認知度は8割近くまでアップ
2017年からスタートしている「ITによる重要事項説明(IT重説)」。「実際に利用したことがある」「どのようなものか知っている」「なんとなく聞いたことがある」を合計した認知度は78.3%で、前年度の72.2%から上昇しています。
世帯構成別ではファミリーの認知度が86.3%、実際の利用も22.1%とどちらも最も高くなっています。性別・年代別では男性30代・20代以下で利用2割を超えました。
IT重説はどんな人が利用している?
首都圏居住者のIT重説の利用経験あり層は全体で14.9%。利用経験なし層と比べると、リモートワークの実施率や、オンライン内見の利用率が高くなっています。
また、平均世帯年収は「利用経験あり」687万円、「なし」591万円、平均賃料も「利用経験あり」99,285円、「なし」93,117円。IT重説の利用経験がある人の方が、年収・賃料ともに高い傾向にありました。
条件について①|決め手は「路線・駅やエリア」。ただ、妥協した人も増加
部屋探しの時に、家賃以外で決め手となった項目のトップ3は「路線・駅やエリア」45.3%、「最寄り駅からの時間」34.8%、「通勤・通学時間」32.3%でした。
なかでもリモートワークをしている人の半分以上(51.7%)が「路線・駅やエリア」を決め手にしています。
その一方で、入居物件決定時にやむを得ずあきらめた割合が2年続けて上昇した項目にも「路線・駅やエリア」「通勤・通学時間」が入っています。
あきらめた割合が最も高かったのは「初期費用(礼金・敷金・仲介手数料など)」で25.1%。次いで「面積(広さ)」23.3%、「最寄り駅からの時間」22.5%が続きます。
世帯構成別では女性社会人が「面積(広さ)」、ファミリーは「部屋の数」「設備・仕様」をあきらめる割合が、全体よりも高くなっています。
条件について②|ペット飼育者は2割だが半数近くが「飼いたい」
「決め手となった項目」では3.9%と低めだった「ペット可賃貸住宅」ですが、現在飼っている人も含め、もし可能であれば今後(も)ペットを飼いたいと答えた人が全体で44.5%いました。ファミリーでは52.4%と、過半数になっています。
特に、リモートワークを実施している人の54.4%、世帯年収「600~800万円未満」世帯の54.0%がペットを飼うことを希望。家賃別でも、家賃が高くなるほどペットを飼いたい割合が高くなっています。
しかし、現在の住まい(賃貸物件)で実際にペットを飼っている人の割合は18.2%(猫8.0%、小型犬7.3%)。
東京23区のペット相談可賃貸物件19.7%※とも近い結果となっていますが、需要の半分も満たしていないことが分かります。
※『SUUMO賃貸』掲載物件データより集計(期間:2023年4月~6月/地域:東京23区/構造種別:ブロックとその他除く/物件種別:マンションとアパートのみ/面積:10㎡以上のみ/賃料:1万円以上のみ)
住まい探しの満足度についても、「ペット飼育あり」層は、なし層と比べて、住まい探しの満足度やスムーズ度が低い傾向が出ていました。
設備について|「24時間ゴミ置き場」が7年連続満足度1位
「24時間出せるゴミ置き場」が7年連続満足度1位
設備に対する満足度を、各設備が設置されている人に聞いてみたところ、「24時間出せるゴミ置き場」が68.1%で7年連続1位でした。それに加えて今回は、頻発した強盗事件などの影響もあってか、セキュリティへの意識が増して「ディンプルキーなどのピッキング対策の鍵」も同率1位となっており、特に女性社会人からは80.3%と高い支持を得ています。
以下、「ウォークインクローゼット」、「TVモニター付インターフォン」「2口コンロ以上」までが65%以上の支持を得ています。
次に引っ越すとしたら絶対欲しい設備については、54.7%が「独立洗面台」と回答。前年度1位の「エアコン付き」は54.0%で今回2位です。3位以下は「TVモニター付インターフォン」「2口コンロ以上」「宅配ボックス」が続きます。
ほとんどの項目で前年度よりポイントが低下するなか、「セキュリティシステム」「ディンプルキーなどのピッキング対策の鍵」「スマートロック」「非接触キー」など、テクノロジーを使ったセキュリティ項目は変化が小さいという特徴がありました。
魅力を感じるコンセプトの1位は「防災賃貸住宅」
2022年度、契約した住まいの平均家賃は90,230円で3年続けて上昇、これまでで最も高い結果となっています。
魅力を感じるコンセプト賃貸住宅の1位は「防災賃貸住宅」。次いで「デザイナーズ賃貸住宅」「カスタマイズ・DIYができる」が続き、上位10項目は前年度と同じ結果となっています。
前年度・今年度とも3割を超えた項目は「防災賃貸住宅」のみで、やはり防災面への関心の高さが表れています。
大家さんとしては建物をすぐに防災仕様にすることは難しいですが、物件に防災グッズや備蓄を備えることで、入居希望者の防災意識に応えることはできます。また、安全な暮らしを守るという意味では、人気が安定しつつあるセキュリティ関連の設備を取り入れるなど、できるとことから取り組んでみるのもよいでしょう。
このような動向調査によって、時代とともに変わる入居者ニーズをつかむことができます。ぜひ賃貸経営に生かしてみてください。
※この記事内の情報は2023年10月26日時点のものです。
取材・文/石垣 光子
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。
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