東京都が相談を受けた賃貸契約時のトラブルを公開。賃貸オーナーも気にしておきたい項目は?

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公開日:2023年11月22日
更新日:2023年12月11日
東京都が相談を受けた賃貸契約時のトラブルを公開。賃貸オーナーも気にしておきたい項目は?1

東京都が、2022年度に不動産関連で受け付けた相談内容について発表しました。相談内容から宅建業法違反の疑いがある場合は、調査したのち、指導までを行っています。それぞれどのような内容なのでしょうか。賃貸の契約時にスポットを当てて紹介します。

賃貸関連の電話相談は1年間で1万5千件以上!

東京都が相談を受けた賃貸契約時のトラブルを公開。賃貸オーナーも気にしておきたい項目は?2

東京都では、「不動産相談窓口」の他「賃貸ホットライン」「不動産取引特別相談室」などを設けて、宅建業法関連の法律相談を受け付けています。

2022(令和4)年度に寄せられた面談による相談は211件で、このうち賃貸借に関する相談は112件とほぼ半数となっています。

電話による相談件数は1年間で2万271件。このうち1万5,265件が賃貸借についての相談となっており、全体の75.3%を占めています。

契約に関する相談は電話よりも面談での割合が多い

東京都が相談を受けた賃貸契約時のトラブルを公開。賃貸オーナーも気にしておきたい項目は?2

賃貸借に関する電話相談で最も多いのが「敷金(原状回復)」についての相談で、24.9%。次いで「重要事項説明・契約内容」17.9%、「管理(設備の瑕疵等) 」14.7%と続きます。

しかし、面談での相談になると「重要事項説明・契約内容」が37.5%と全体で占める割合が大きくなります。件数自体は電話相談がはるかに多いものの、契約時の具体的な取引内容についての相談は、契約書や重要事項説明書等の書類を見せながら相談できる「面談」が選ばれているとみられます。

民事上の紛争などについて弁護士や司法書士による相談を行っている「特別相談室」では、借主側から相談の割合が全体の8割を超えています。そのうち、「敷金(原状回復)問題」や「設備の不備・瑕疵」に関する相談が多くを占めていました。

賃貸住宅の部屋探しでユーザーの不満が最も高かった項目は?

このような窓口への相談のきっかけとして、部屋探しや契約時に借主が感じる不満は、どのようなことが多いのでしょうか。(株) CHINTAIが実施した「不動産広告の表示に対する消費者意識調査」の内容を見てみましょう。

表:インターネットに掲載されている募集情報と実際の物件情報が異なっていた際に不満に感じること
1位 すでに申し込みが入っていて内見できない物件だった
2位 募集条件の家賃が実際と異なっていた
3位 募集情報の敷金/礼金/共益費が実際と異なっていた
4位 間取図が実際と異なっていた
5位 募集情報に必須費用の記載がなかった
6位 物件から駅までの徒歩分数が実際と異なっていた
7位 必要な入居条件について記載がなかった
8位 実際にはついていない設備が表示されていた
9位 入居できる時期が実際と異なっていた
10位 物件が所在する階数が実際と異なっていた

 

東京都が相談を受けた賃貸契約時のトラブルを公開。賃貸オーナーも気にしておきたい項目は?2

費用に関する情報相違よりも不満が多かったのが、「すでに申し込みが入っていて内見できない物件だった」。インターネット等で希望に合う物件を見つけたものの、いざ来店をしたときにはもう埋まっていた、という状況に不満を感じる人が最も多いようです。

同調査では、仲介会社の空室確認と反映作業のタイムラグについて説明。物件情報の更新日を確認することや、更新日が1週間以上前の場合は来店前に電話で内見可能か確認してみることをアドバイスしています。

重説義務違反やおとり広告の行政処分は?

東京都では、相談窓口に寄せられた相談の中で宅建業法違反の疑いがあるものについては調査を実施し、業者の指導・監督を行っています。

調査が行われた具体的な事例には、以下のようなものがありました。(賃貸部分のみ抜粋)

・賃借人に対し重要事項説明書を郵送したのみで、宅地建物取引士による説明を行わなかった
・広告を掲載した後に賃貸借契約が成立し、取引ができない物件となったにもかかわらず、当該広告の掲載更新を繰り返し、あたかも当該物件が取引できる物件であるかのような、著しく事実に相違する表示をした
・対象物件について、最寄り駅までの所要時間を正しく表示しなかった
・賃貸借契約の媒介業務に際し、契約締結時交付書面(賃貸借契約書)に借主の住所を正しく記載していない

 

東京都が相談を受けた賃貸契約時のトラブルを公開。賃貸オーナーも気にしておきたい項目は?2

このうち自社の広告に、契約がすでに成立して取引ができない物件を、さも取引できる物件であるかのように記載する、いわゆる「おとり広告」は、10日間の業務の全部停止処分となっています。(株) CHINTAIの調査でも1位の「すでに申し込みが入っていて内見できない物件だった」という状況が故意に行われた場合、おとり広告とされます。

処分の内容は最も厳しい免許取消が6件ありましたが、2018(平成30)年度の34件からは減少し続けています。この他、業務停止は14件、指示が13件、指示勧告が39件ありました。

まとめ

大家さんが認識するトラブルやクレームといえば入居中や退去時が多く、入居者募集の広告掲載や契約手続きについては不動産会社におまかせしているケースがほとんどだと思います。

しかし、入居前にもトラブルのきっかけは潜んでいます。委託している不動産会社が正しい広告掲載や契約時の重要事項説明をきちんと行っているか、いま一度確認してみることをおすすめします。

※この記事内の情報は2023年11月21日時点のものです。

取材・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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