高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識

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公開日:2023年12月7日
更新日:2024年2月2日
高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識1

高齢者や障害者など、住宅の確保が難しい人は今後も増える見込みです。2017年にスタートした住宅セーフティネット制度など国でもさまざまな施策が行われていますが、受け入れ先のひとつである民間賃貸住宅のオーナーの意識はどのように変わったのでしょうか。2022年度「日管協短観」のデータから見てみましょう。

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賃貸住宅の景況感を定期的に調査する「日管協短観」

日管協短観」とは、(公財)日本賃貸住宅管理協会が毎年公表している賃貸住宅景況調査です。会員である不動産管理会社にアンケート調査を行い 、入居率など賃貸住宅市場で注目される数値を指数化し分析を行うものです。

首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)と関西圏(大阪府・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県・兵庫県)、その他のエリアで分けて結果を集計しています。

2022年度の結果を抜粋してまとめると、次のようなものになっています。

【成約件数】
全国で「増加」が5割弱で、特に関西圏では「増加」比率が5割以上

【成約賃料】
全体では、「変化なし」が4割以上。首都圏で「増加」が5割以上を占めたのに対し、関西圏では「変化なし」が6割弱

【入居率】
その他エリアのみ上昇

【滞納率】
全国の月末での1ヶ月滞納率は0.8%。首都圏は0.4%と低いが関西圏は3.3%、その他エリアは2.3%。全国の2ヶ月以上滞納率は0.3%で関西圏の滞納率が最も高い

【平均居住期間】
全国では、単身の平均居住期間が約3年、ファミリーが約5年

他にも管理報酬や入居予定者からの入居時の条件交渉の増減、トラブルについてまとめています。

オーナーの入居受入れに対する拒否感は?高齢者の場合

高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

不動産会社から見た賃貸オーナーの受け入れに対する拒否感について、次の5項目で調査しています。

「以前と変わらず拒否感はない」
「以前は拒否感があったが拒否感はない」
「拒否感はあるが以前よりは弱くなっている」
「以前と変わらず拒否感が強い」
「以前より拒否感が強くなっている」

高齢者の受け入れに対して、全国では「以前と変わらず拒否感はない」「以前は拒否感があったが拒否感はない」をまとめた『拒否感なし』の比率が74.3%。「拒否感はあるが以前よりは弱くなっている」が17.2%、「以前と変わらず拒否感が強い」「以前より拒否感が強くなっている」をまとめた『拒否感が強い』が8.2%という結果となりました。

オーナーの入居受入れに対する拒否感-高齢者(エリア別)
高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2 高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

出典:日管恊短観 2022年度データ

エリアごとの結果はどうでしょうか。オーナーの拒否感は首都圏と関西圏の差が大きく、首都圏が『拒否感なし』の比率が85.4%なのに対し、関西圏では9.9%。その他エリアでは31.3%と、首都圏が突出して高齢者の受け入れに拒否感をもつオーナーの割合が少ないのが分かります。

高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

『拒否感が強い』は首都圏5.6%、関西圏11.4%、その他エリア20.2%と、その他エリアが最も多くなっています。ただし、関西もその他エリアも「拒否感はあるが以前よりは弱くなっている」が最多であり、拒否感は薄れつつあるようです。

日管協では、孤独死保険や死後事務委任契約など高齢者入居をバックアップする支援策や公共サービスなどの充実により、今後拒否感は下がると考察。「家賃債務保証の高齢者対応等でエリアによる温度差が感じられるが、各エリアがかかえる課題を把握したうえで超高齢化社会の進展に対応すべく取り組みを強化する必要を感じる」としています。

障がい者については、首都圏は『拒否感なし』が8割以上

高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

障がい者の受け入れに関して全国では、『拒否感なし』が73.2%で、『拒否感強い』が11.9%でした。高齢者に対するよりもやや拒否感が強くなっています。

オーナーの入居受入れに対する拒否感-障がい者(エリア別)
高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

出典:日管恊短観 2022年度データ

障がい者についても首都圏と関西・その他エリアの差が顕著で、『拒否感なし』が首都圏86.0%と大多数なのに対し、関西圏は28.4%、その他エリアでは18.7%にとどまっています。

『拒否感強い』も首都圏は7.3%ですが、関西圏は24.6%、その他エリアは32.2%と、首都圏は拒否感が弱くなります。

しかし、関西圏もその他エリアも約半分弱が「拒否感はあるが以前よりは弱くなっている」で、今後の取り組みによって拒否感は弱くなってくると思われます。

外国人については『拒否感なし』が『拒否感強い』を上回る

高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

最後に外国人の受け入れに対する拒否感ですが、全国では『拒否感なし』が29.2%で、『拒否感強い』が7.6%でした。「拒否感はあるが以前よりは弱くなっている」が最も多く、62.7%です。

オーナーの入居受入れに対する拒否感-外国人(エリア別)
高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

出典:日管恊短観 2022年度データ

エリア別でも『拒否感なし』首都圏32.0%、関西圏14.9%、その他エリア20.8%と、首都圏が拒否感が弱い傾向は同じですが、高齢者・障害者ほど大きな地域差は出ていません。また、『拒否感強い』が首都圏5.6%、関西圏10.6%、その他エリア16.8%と、どのエリアでも『拒否感なし』の比率の方が『拒否感強い』よりも高くなっています。

日管協では「外国人が多く入居する公営住宅が首都圏に多いことは拒否感を和らげるクッション材料とも思われる」と考察。「保証人が帰国してしまい連絡がつかない」「借主が連絡なしで帰国してしまい解約や残置物処分ができない」「敷金や原状回復について理解してもらえない」といった相談が多く寄せられることから、業界全体でのこれらの問題解決への取り組みが必要、とまとめました。

国の制度などをうまく利用した受け入れで安定経営へ

高齢者や外国人の受け入れに対する拒否感に変化?首都圏と他のエリアで大きく違う賃貸オーナーの意識2

国が推進する住宅セーフティネット制度では、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を行っています。登録された住宅は広く情報提供されるほか、賃貸オーナーは必要な改修費用に対する補助を受けることができます。また、セーフティネット住宅の入居者に対する家賃債務保証料の減免や家賃補助などもあります。

住宅確保要配慮者の受け入については地域差が大きく、また、実際に様々なトラブルが起きていることも事実です。しかし、首都圏から受け入れへの拒否感も弱まりつつあることが今回の調査で明らかになりました。今後、さらに国や自治体の支援も拡充していくと思われます。

補助制度等を活用することで、長期入居・安定経営につながるケースもあり、結果的に社会貢献にもなります。「受け入れたくない」一辺倒でなく、これを機に柔軟に考えてみてもいいかもしれません。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2023年12月5日時点のものです。

文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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