大規模修繕の検討前に!施工会社選びで大切な3つのポイント
- 大規模修繕(外壁・屋根)
- 大規模修繕コンサルティング
- 鉄部塗装
- 修繕・補修
【POINT3】見積もり書の記載内容から、会社の誠実さを判断しよう
責任施工方式の場合、オーナーが見積もりをチェックする必要がある。複数社から相見積もりを取ることが必須だが、あまりに多いと比較しきれない。3社程度に絞り込んで依頼しよう。会社によって見積もり書の書式が違うため、専門知識がないと中身の正確な判断は難しい。ただ、見積もり書の書き方を見ることで、誠実に対応してくれるか否かを窺い知ることはできる。
まず、パっと見て違いが判るポイントは「数量と単価」の欄だ。数量の欄に「一式」と表記され、単価欄はブランクで総額しか出ていない会社は好ましくない。上図のように工事項目ごとに個別に記載されていることが不可欠だ。
ただし、細かく書いてあるだけで安心とは言えない。1つは、数量を過大に見積もるケースだ。例えば外壁塗装の場合、塗装する外壁面積は、建物の延床面積の1.2倍程度といわれる。建物の形状や開口部の大きさにより前後するため、この数値は目安だが、これを基に計算した結果より5割以上も多い場合は水増しを疑った方がいい。逆に少なすぎると、後から追加工事を請求される恐れがある。
材料の単価が割高なケースもある。「ウレタン系」や「シリコン系」などの種類しか書いていないと、グレードが分らない。メーカーと型番、または製品名が書いてあれば、ネットで調べられる。最近では、工事種別や材料ごとの平均単価の一覧を公開しているサイトもあるので、参考にしてみよう。
また、見積もりを基に値引き交渉もできるが、大幅値引きを引き替えに契約を急がせる会社は考えもの。手抜き工事を招きかねない。
予算が少ない場合や今後物件の所有予定期間が短い場合は、補修箇所によって塗料の種類を変えるなどして修繕費を抑えることも可能だ。
例えば外壁は太陽光が当たる面は早く劣化するため、塗料の質を陽が当たる面と日陰の面で変えたりすることもできる。物件の現状だけでなく、オーナーの状況まで汲んで提案してくれる会社なら、より良心的と言えるだろう。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2019年3月6日時点のものです。
取材・文/木村 元紀 イラスト/高村 あゆみ