仲介担当者から見た部屋探しのニーズはどう変わった?「2024年 賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」から読み解く

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公開日:2024年3月18日
更新日:2024年3月27日
仲介担当者から見た部屋探しのニーズはどう変わった?「2024年 賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」から読み解く1

賃貸の部屋探しをしているエンドユーザーと日々接している仲介担当者。彼らを対象にしたお客様動向調査の結果(2024年1月調査)がリーシング・マネジメント・コンサルティング(株)から発表されました。仲介会社の営業方法や追客、エンドユーザーのニーズなど、賃貸経営に関連の深そうな項目を抜粋してまとめました。

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【仲介会社のインフラ変化】電子契約はどれくらい増加した?

2024年 賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」の回答者は首都圏1都3県の賃貸不動産会社の仲介担当者。物件情報の収集には、多くが「レインズ」「ATBB」を使用しています。「ATBB」はアットホーム(株)が運営する不動産情報流通プラットフォームです。3番目には「イタンジ」が入っており、Webでの内見予約や申込が普及しつつあることがわかります。

集客媒体について

エンドユーザーに向けての集客媒体としては、「SUUMO」「アットホーム」「ホームズ」等のポータルサイトに加えて「自社ホームページ」や「店頭への掲示」「インスタグラム」を利用。過半数の担当者がポータルサイトを毎日更新しています。

内見について
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内見後の追客期間は「1週間」が26.4%と最も多く、次に19.2%が「3日」と答えています。平均案内物件数は「3物件」が56.1%で最多でしたが、カップル、夫婦、ファミリーと入居人数が増えるにつれて「4物件」「5物件以上」が多くなります。

オンライン内見は58.8%が「推進している」ものの、実施については「1割にも満たない」が最多で46.6%。しかし、「1~2割程度」「3~4割程度」「5割以上」を合わせると過半数となり、ある程度は定着していることがわかります。

Webによる内見予約・申込について

Web内見予約は「5割以上」という回答が25.4%。1割以上を合計すると77%になり、多くの仲介担当者がすでに経験していました。Web申込の割合も「5割以上」の回答が前回調査時(2023年6月)の45.3 %から55.4%に増加。内見予約よりもWeb化が進んでいるようです。

IT重説について

「5割以上」の回答が前回13.5%から19.7%に増加。「1割にも満たない」も30.3%から23.3%に減少しており、IT重説による契約が増えていることがわかりました。

電子契約について
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電子契約を行ったことが「ある」と答えた割合も前回57.1%から75.4%に増加しました。電子契約のメリット上位は「契約開始までのスケジュールが短縮できる点」「契約の所要時間が短縮できる点」「郵送費用がかからない点」で、多くの担当者が時間やコストを削減できることをメリットに感じています。

【エンド客動向の変化】問合せ数、飛び込み来店は増えた?

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問合せ数の変化については、「変わらない」という回答が45.4%でしたが、「増えた」が「減った」を上回る結果となりました。2023年6月の前回調査時と比べると「減った」の合計が20.4%から6.1%と、かなり減少しています。

外国籍の方の紹介も半数近くの担当者が「増えた」としており、国籍は「中国」が57.3%で最多でした。次いで東南アジア、韓国が続きます。

また、飛び込みの来店を「増加傾向」と答えた割合が31.9%に。コロナ禍では来店を予約のみに限定していた仲介店舗が多く見られましたが、アフターコロナである今はやはり飛び込みでの来店が増加しているようです。

【エンド客ニーズの変化】希望エリアは拡大傾向。駅距離は?

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希望エリアについて

家探しの希望エリアは「変わらない」が過半数で最多ですが、「拡大傾向にある」が3割程度あり、エリアを広げて部屋探しをするエンドユーザーが増えつつあることがわかります。

駅距離・職場との距離について

駅や職場との距離についても、全体では「変わらない」が過半数。しかし、「駅距離が遠いことはあまり気にしなくなった」というエンドユーザーが夫婦で11.4%(前回18.3%)、ファミリー13.0%(前回21.9%) と前回よりも減少しています。

同様に、「職場から遠い駅でも気にしなくなった」人も夫婦で14.5%(前回19.2%)、ファミリー14.5%(前回20.4%) と減少していることから、駅から近い物件、職場から近い駅を希望する人が増えているようです。

専有部設備について

ニーズの高い設備については、トップ5が「バス・トイレ別」「独立洗面台」「通信速度の速いインターネット環境」「無料のインターネット環境」「防音性の高さ」。テレワークや在宅時間が長いことを想定した項目へのニーズは引き続き高いようです。

ちなみに、テレワークを想定したお部屋探しをしているユーザーの割合自体は「5割以上」「3~4割程度」が38.6%と、前回調査時45.3 %より減少しています。

【元付会社に求めること】内見予約のWEB化を求める声が多数

元付会社(管理会社)に提供して欲しい営業ツールについては、「特にない」という回答が0%と、現状の提供ツールに満足していない仲介会社が多いことがわかりました。最も多いのは「物件写真」ですが、2位に「物件内動画」が入りました。

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元付会社(管理会社)に望むこととしては、トップ5が「内見予約をWEB化してほしい」「AD(広告料)を増やしてほしい」「物件確認をWEB化してほしい」「内見鍵を現地設置してほしい」「申込・審査をWEB化してほしい」でした。営業活動や申込みのWEB化への希望が多くなっています。

まとめ

仲介担当者から見た部屋探しのニーズはどう変わった?「2024年 賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」から読み解く2

コロナ5類移行後初めての繁忙期を迎えつつある今、テレワーク想定の部屋探し自体は減ったものの、設備へのニーズを見るとテレワークが一定数根付いていることがわかりました。

その日の業務内容によって通勤・在宅を使い分けられる会社も増えたことから、通勤も在宅もどちらも便利な物件を求めて、エリアを拡大して部屋探しをする傾向も見て取れます。

また、日々エンドユーザーに部屋を紹介する立場の仲介会社としては、営業ツールとして物件写真、物件動画の提供を元付会社・管理会社に求めていることがわかりました。賃貸ポータルサイトも「動画あり」の条件で物件検索できるものが増えており、内見などのWEB化によって今後もますますニーズが高まるでしょう。

仲介担当者から見た部屋探しのニーズはどう変わった?「2024年 賃貸不動産マーケットのお客様動向調査」から読み解く2

物件写真、物件動画は基本的には元付会社・管理会社が用意するものですが、会社によって得意不得意やノウハウの有無の差が表れます。WEBによる情報提供や営業活動に関しても同じことが言えるでしょう。

賃貸オーナーとして空室の理由がいまひとつ納得できない、分からないなど、仲介の方法に疑問や不安を持っているのであれば、元付会社(管理会社)を見直してみることもひとつの解決策になるかもしれません。

※この記事内のデータ、数値などに関して本記事は、2024年3月18日時点の情報をもとに制作しています。

取材・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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