住まい探しも経験を重ねることで求める条件が変わる?ベテランはフローリングや階数へのこだわりに変化
新年度が始まり、この4月から一人暮らしをスタートされる方も多いかと思います。初めて一人暮らしをする家と、2件目、3件目に住む家では、賃貸物件の探し方やこだわる条件に違いはあるのでしょうか?アットホーム(株)が実施したアンケート結果をご紹介します。
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現在の住まいへの満足度が高いベテラン勢
住まい探しも経験を重ねることで、より満足できる住まいを見つけられるようになっていくのでしょうか?住まい探しデビューの人に物件の満足度を聞いたところ、「満足」と答えた人は36.5%でした。
住まい探しベテランには、最初に一人暮らしをした物件と現在の物件に対する満足度をそれぞれ聞きました。「満足」と答えた人の割合は、住まい探し2件目の人で最初の物件への満足度27.7%→現在の物件への満足度48.9%、3件目の人で25.0%→42.5%、4件以上の人で27.5%→35.3%。
「不満」と答えた割合も最初の物件より現在の物件の方が低くなっており、住まい探しの経験により満足度は上がっていくことが分かりました。
経験物件数が多い人は「通勤・通学の便利さ」を重視
最初の物件と現在の物件を比較して、物件選びでこだわるようになった条件を聞いてみると、以下のような結果となっています。経験件数3件と4件以上を抜粋してご紹介します。※左から経験物件数3件/4件以上
こだわりが強くなった条件 | |
1位 | ドラッグストアが近い/治安が良い |
2位 | 外観がきれい・通勤・通学に便利・最寄り駅から近い/ 通勤・通学に便利・内装がきれい(同率2位) |
こだわらなくなった条件 | |
1位 | 礼金0円/最上階 |
2位 | 2階以上/フリーレント・鉄骨造(同率2位) |
3位 | 最上階・角部屋(同率3位) |
こだわりが強くなった設備 | |
1位 | 追い焚き機能・モニタ付きインターホン(同率1位)/ 収納スペースの広さ |
2位 | 洗面所独立 |
3位 | 浴室乾燥機/温水洗浄便座・2口以上コンロ・ インターネット無料(同率3位) |
こだわらなくなった設備 | |
1位 | フローリング/宅配ボックス |
2位 | IHクッキングヒーター/フローリング |
3位 | バス・トイレ別/該当なし |
出典:住まい探しデビュー・ベテランの違いに関する調査|アットホーム(株)
引っ越しを重ねるにつれて階数やフローリングにこだわらなくなる一方で、通勤・通学の便利さやセキュリティーにはこだわる傾向が表れています。
「ディンプルキーってなに?」デビュー組がこれまで知らなかった用語
住まい探しの経験を重ねると当たり前のように使うようになる言葉も、初めてのタイミングでは分からないものがあります。住まい探しデビューの人が住まい探しの際に知らなかった設備・用語1位は「ディンプルキー」でした。
鍵の複製が難しく、防犯対策に優れているといわれるディンプルキー。18.1%と、およそ5人に1人は知りませんでした。自分の部屋に住む経験をするまでは、鍵の種類などはあまり意識しないからでしょうか。
2 位は「光ファイバー」、3位は「CATV」と続いています。
慎重度の高まり?ベテランほど内見数が増えている
住まい探しにおいて、内見した物件数はどのように変わるのでしょうか。それについては以下のような結果でした。
内見した平均物件数 | |
デビュー | 現在の物件2.9件 |
物件経験数2件 | 最初の物件2.1件→現在の物件2.6件 |
物件経験数3件 | 最初の物件2.2件→現在の物件3.1件 |
物件経験数4件以上 | 最初の物件2.4件→現在の物件2.9件 |
出典:住まい探しデビュー・ベテランの違いに関する調査|アットホーム(株)
内見した平均物件数は、すべて最初の物件から増えています。住まいを探す際の慎重度は、経験を重ねるごとに高まっているようです。経験によって住まい探しの条件が明確になっていくことから、内見数も増える傾向にあるのかもしれません。
再利用したいのは「デメリットも説明してくれる不動産会社」
最後に、「もう一度利用したいと思う不動産会社」の特徴を聞いています。
住まい探しの経験にかかわらず、「物件についてメリットだけではなく、デメリットも説明してくれる」が高く、35%を超えていました。
住まい探しデビューの最多は「問合せに対するレスポンスが早い」で、不動産会社とのスムーズなやり取りを重視する傾向が表れています。経験数4件以上のベテランもレスポンスの早さを挙げる人が最も多く、過半数となっていました。
まとめ
今回のアンケート結果では、住まい探しが初めての人とベテランの人の傾向の違いが明らかになりました。
住まいに対するこだわりも、何度か引っ越すうちに最上階や2階以上、フローリングにはそこまでマストではなくなっていくようです。その一方で、モニタ付きインターホンなどのセキュリティー設備や、収納・水まわりといった生活に密着した設備にはこだわるようになる傾向が。
それまでこだわっていた条件を外してみることで思わぬ良い物件に出会えたり、実際に住んでみて不便な思いをしたりした経験が、次の住まい探しにも生かされます。そうして目が肥えてきて、満足度の高い部屋がだんだんと探せるようになってくるのではないでしょうか。
満足して長く住んでもらうヒントは、住まい探しベテランに選ばれる物件づくりにありそうです。ぜひご自身の物件の改修などの参考にしてみてください。
※この記事内のデータ、数値などに関して本記事は、2024年4月3日時点の情報をもとに制作しています。
文/石垣 光子
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。
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