再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説

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公開日:2024年5月15日
更新日:2024年6月10日
再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説1

中古住宅や土地を探していると「あっ、相場より安い」と思ったら「再建築不可」と書かれている、ということがあります。再建築不可の物件を買うとどうなるのでしょうか?再建築不可物件を購入するメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか?詳しく解説します。

再建築不可物件とは

「再建築不可物件」とは、その名の通り更地にしてしまうと新しく建築ができない物件のことです。都市計画法における都市計画区域と、準都市計画区域内に存在します。東京23区でも、約5%の住宅が再建築不可物件にあたると言われています。

再建築不可物件の特徴

再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説2

計画的に街づくりを進めたり、将来的に街づくりを見込んでいたりする区域のことを「都市計画区域」「準都市計画区域」と言います。

これらの区域内では、災害発生時の避難経路や緊急車両の動線確保のために「幅員4m以上の道路に2m以上接すること」という「接道義務」が建築基準法で定められています。「接道義務」を満たしていない土地には家を建てることができません。これが再建築不可物件です。

なぜ再建築不可物件は存在する?

接道義務を満たしていない土地には建築ができないのに、再建築不可物件が存在するのはなぜなのでしょうか。これは建物が建築されたタイミングによります。

建築基準法が制定されたのは昭和25(1950)年。都市計画区域などを定める都市計画法は昭和43(1968)年です。そのため、それ以前の築年の場合、当時は法令にのっとって建築されたものの、現在の基準では接道義務を満たしていないものがあるのです。

再建築不可になる主な理由

次のような敷地は、再建築不可とみなされます。

・建築基準法で規定された道路(幅員4m以上)に接していない
・建築基準法の道路に接している路地の間口が2m未満
・敷地が道路に接していない(袋地)
・建築基準法の道路から延びている路地の長さが20m以上(路地部分の必要幅員は自治体によって異なる)

再建築を可能にする方法もある

再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説2

再建築不可物件はそのままでは建て替えはできませんが、一定の対策によって再建築可にする方法もあります。

土地の一部を「位置指定道路」にする

位置指定道路とは、特定行政庁※から指定を受けた私道のことです。接道義務を果たすために、土地の所有者が土地の一部を位置指定道路として申請し、認められれば土地の再建築が可能になります。

ただし指定位置道路には、「幅員4m」の他に「側溝を設ける」「路面を舗装する」「すみ切り(土地の角を切ること)を両側に設ける」などの条件があります。これらの整備費用・メンテナンス費・固定資産税は土地の所有者が負担しなければなりません。

※特定行政庁…建築にまつわる行政を行う自治体とその長を指す。建築主事がいる市区町村か、いない場合は都道府県が特定行政庁にあたる

隣地もセットで購入する

隣の土地とまとまった土地になることで接道条件を満たすのであれば、隣地もセットで購入すれば再建築が可能になります。不足している分の面積だけ購入したり、同じ広さ分を等価交換したりすることで接道条件をクリアできる場合があります。

セットバックする

敷地をセットバック(後退)させることで、敷地の一部をみなし道路とし、建築基準法上の道路とする方法です。セットバックした部分には外構や構造物を一切設置できないため、活用できる土地が狭くなってしまうのがデメリットです。

建築基準法第43条の但し書き道路許可を取得

「建築基準法第43条の但し書き」とは、建築基準法で定める道路に接道していないものの、特定行政庁から許可を得た場合は建築許可ができるというものです。

但し書き道路の許可を得るためには、「敷地の周囲に広い空き地があること」「特定行政庁が交通上・安全上・防火及び衛生上支障がないと認めること」「建築審査会の同意を得ていること」などが条件となります。

但し書き申請の許可基準は自治体によって異なるため、事前に確認してから申請を行うようにしましょう。

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再建築不可物件のメリット‧デメリット

再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説2

再建築不可物件のメリット

更地にしてしまうと建物が建てられない再建築不可物件でも、以下のようなメリットがあります。

購入価格が安い

再建築不可の物件は建て替えができないことから買い手が付きづらく、価格が安い傾向にあります。相場は周囲の再建築可能物件の5〜7割程度とかなり低く、どうしてもそのエリアの土地を購入したい人にはメリットとなるでしょう。

リフォームに費用をかけられる
再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説2

土地が安いことで費用に余裕が出るため、再建築はできなくてもその分の費用をリフォームに充てることができます。現状は木造2階建てや平屋(4号建築)であれば大規模修繕やリフォームにあたっての建築確認申請は不要なため、再建築不可物件でもリフォームして利用することができます。

ただし、2025年4月からこの4号特例が廃止されることになり、大規模な修繕に対して建築確認申請が必要になる予定です。接道義務を果たしていない再建築物件については建築確認が下りないため、大規模な修繕にあたらないようにリフォームする必要があります。

4号特例廃止については細かいルールがまだ明らかになっていませんが、再建築物件のリフォームを検討している場合は注意しましょう。

固定資産税が安い

固定資産税は土地や建物の評価額をもとにして算出されます。再建築不可物件は土地そのものの資産価値が低いことに合わせて建物の築年数が古いケースがほとんどのため、課税評価額が低く、固定資産税や都市計画税が安くなります。

再建築不可物件のデメリット

デメリットの多そうな再建築不可物件。具体的なデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。

災害などが原因であっても建物を新築することができない

最大のデメリットは立て替え・増改築ができないことです。再建築不可物件を購入しそのまま住んだとしても、もし火事や災害などで消失してしまったら、その後の土地に建物は建てられません。

住宅ローンが利用できない

住宅ローンを組むときは、ローンで購入する土地や建物を担保にすることがほとんどです。しかし再建築不可物件は担保としての価値が低いため、融資が受けられる可能性はかなり低いです。

リフォームローンや事業用ローンなどであれば受けられる可能性がありますが、住宅ローンより金利が高く、減税などの優遇も少なくなってしまいます。

地質調査が難しい場合がある
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地盤の強度や液状化の危険性などを調べる地質調査ですが、敷地に余裕がないケースが多い再建築不可物件では、調査を実施することが難しい場合があります。地質調査ができなければ、土地が建物の重さに耐えられるかどうかが不明のため、建物の重量を増す耐震リフォームなどを行う場合は注意が必要です。

なお、建物を建てる前に行う地盤調査も地質調査の一部です。

物件の安全性が保証できない

地質調査が難しいことや、現行の建築基準法に沿っていないことから、もし災害などが起きたときの安全性が証明できないことも再建築不可物件のデメリットです。

不要になった際に買い手が見つかりにくい

再建築ができないことや、住宅ローンが利用できないことから、買い手がかなり限られます。売却先がなかなか見つからず、相場よりも安い価格で売らざるを得ないことも多いでしょう。

再建築不可物件を有効活用する方法

デメリットはあるものの、やり方によっては再建築不可物件を有効活用する手段もあります。また、相続した建物や土地が再建築不可物件だったというケースもあるかもしれません。再建築不可物件の活用方法にはどのようなものが考えられるのでしょうか。

戸建て賃貸を経営する

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立地や建物の状態が比較的良ければ、内装などをリフォームして戸建て賃貸として経営する方法が考えられます。戸建て賃貸はアパートのような利回りは望めませんが需要は高く、一度入居すると長く住んでもらえることが多いため、安定経営につながります。

店舗‧テナントを経営する

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こちらも立地と建物の状態によりますが、周辺にテナントのニーズがあれば店舗やテナントの経営の可能性もあります。テナントの入居希望者は自分のイメージ通りに改装等を行いたいこともあるため、そのような入居希望者が見つかれば初期費用をほとんどかけずに貸し出すことも可能です。

リフォームして自宅として住む

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もちろん自分で住むことも選択肢のひとつです。ひとまず最低限のリフォームを行い、住みながら必要に応じて修繕していくこともできます。自宅の固定資産税が安く済むこともメリットとなります。

再建築不可物件のリフォームはどこまでできる?

気になるのが再建築不可物件のリフォームですが、「再建築不可物件のメリット」の項でも触れたとおり、2階建て以下の建物の大規模な修繕には2025年4月から、これまで必要なかった確認申請が必要になります。

大規模な修繕とは、建物の主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根または階段)のうちひとつ以上を、1/2 超にわたって修繕することを指しています。

主要構造部にかかわらない設備の入れ替えや給排水管の交換、クロスなど内装をキレイにする程度のリフォームは大規模な修繕にあたりません。そのため、再建築不可物件であっても通常と同じようにリフォームを行うことができます。

更地にして駐車場・駐輪場にする

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接道義務がクリアできなくても、自動車や自転車が出入りできるのであれば駐車場‧駐輪場として使うことができます。駐車場の場合は敷地内でUターンができる台数まで駐車場として活用できます。また、間口は狭くても駅などに近ければバイク駐車場や駐輪所としての需要があります。

貸し農園を経営する

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用途地域が農地でなくても、貸し農園や貸しガーデンとして利用し、賃料を得ることができます。都心の住宅地などであれば家庭菜園の延長として利用したい人がほとんどのため、1区画あたりの規模も小さくて済みます。畑の区画をロープで仕切り、貸し出し用の農具などを揃えるだけなので、初期費用も少なくて済みます。

ガレージハウスを経営する

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ガレージハウスとは、車庫や倉庫などを使った車やバイクのメンテナンスなどのための趣味の場所です。ニッチではあるものの、都心で賃貸できるガレージハウスは、探している人には魅力的です。そのため、一定の強い需要があると思われます。

ただ、再建築不可物件のため、今ある建物の一部を残してリフォーム扱いで小型のコンテナハウスを設置するなどの工夫が必要です。

トランクルームを経営する

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収納スペースを貸し出すトランクルームは、住居ではないため接道義務を満たす必要がありません。預かった荷物が変質しないよう空調等に気をつけ、防犯対策などをしっかりと行う必要があります。トランクルーム専門会社に委託することもできます。

隣地を購入してアパートを建築

「再建築を可能にする方法」の項で触れたとおり、もし隣地の購入が可能であれば、ある程度まとまった再建築可能な土地とすることができます。そこにアパートを建築し、賃貸経営する土地活用も選択肢のひとつです。

再建築を可能にして建て替える

「再建築を可能にする方法」の項にあった「セットバック」や「建築基準法第43条の但し書き道路許可を取得」によって再建築を可能にし、建て替える方法もあります。

また、隣地をそのまま購入するのではなく接道するかたちに一部購入したり、等価交換したりすることでも再建築可能にできることがあります。

再建築不可物件を活用する際のポイント

再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説2

再建築不可物件を活用する場合、どのようなところに注意するべきでしょうか。

物件の状態を確認する

再建築不可物件は四方を他の土地に囲まれていることも多いため、インフラがどこを通っているかを確認する必要があります。

また、活用方法を決めるにあたり、風通しや陽当りも確認しましょう。周囲に建物がある場合は日当たりが悪く、湿気がこもりやすいことから、土地や建物のメンテナンス費用がかさむ場合があります。

さらに、隣地の所有者の人となりや、前の所有者との関係性は、隣地の購入を検討する場合に大きな影響があります。すべての状況を把握することは難しいですが、知っておきたい情報と言えるでしょう。

活用方法が決まるまでは更地にしない

再建築不可物件とは?購入するメリットはある?活用方法や注意点を解説2

購入した場合も相続の場合も、再建築不可物件は今後の活用方法が決まるまでは更地にしないでおきましょう。一度更地にしてしまうと用途がぐっと狭まるうえに、固定資産税の軽減税率が適用されなくなるため、最大で6倍に固定資産税が上がります。

すでに更地の場合は、毎年の固定資産税の負担が大きくなります。活用方法を決める、再建築可能にできる方法を講じる、売却できるか不動産会社に相談するなど、できる限り早く動いて無用な出費を減らしましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関して本記事は、2024年5月15日時点の情報をもとに制作しています。

文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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