突撃取材!築古物件リノベーションを成功させるポイントを聞いてきた

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公開日:2019年5月20日
更新日:2019年11月19日

リノベーションで家賃は上がる!空室のリノベ物件に潜む問題

突撃取材!築古物件リノベーションを成功させるポイントを聞いてきた0
築古物件のリノベーション費用の相場は80万円

S:リノベーションにかかる料金の目安ってありますか?

E:うちの場合はパッケージでやってるんで、ミニマムがワンルーム30万円からです。一般論としても、リノベーションするのに最低30万円はかかるかなと。

S:築古物件、築20〜25年程度の場合、最低どれくらいという相場的なのはありますか?

E:そうですね。80万円前後かな。それくらいはかけた方がいいケースが多いです。

S:どの辺を工事するといい場合が多いですか?

E:キッチン、床、壁、天井。ユニットバスはひとまず既存のままでとか。

S:それで築古感が消えるんですね。もし、出せる金額が50万くらいしかないとなったときに、どこからやった方がいいみたいなのはありますか?

E:それで築古感が消えるのであればいいです。ただ、その金額の工事では築古感が消えないというのなら、今回はクリーニングで済ませてしまって、次のタイミングでちゃんとお金をかけてリノベーションした方がいいと思います。

S:ちゃんと資金ができたときにやった方がいいと。

E:30万円、50万円と細切れに工事をするよりは、どこかでひとまとめに80万円を投入して工事をする方が職人さんもひとまとめでやれますし。同じ80万円でもやれる工事が広がります。無理して効果のない工事をやるより、まとめてお金を出せるときに工事をする方がいいです。

リノベーションは築古感を消すことが重要

S:リノベーションというと大掛かりなイメージなんですが、物件全体ではなくポイントだけでもリノベーションできるんでしょうか?

E:もちろんです。お風呂やキッチンなど、交換が必要な設備だけを新しくするのはリフォームの考え方ですね。古くなったものを新築に近い状態に戻す。うちもやります。

S:リフォームとリノベーションで少し考え方が違うんですね。

E:リフォームは、古くなった設備などを元の新築に近い状態に戻すこと。リノベーションは、元に戻すというよりは設備や間取りなどを見直して市場にあった形に変えていくイメージです。

S:リフォームとリノベーションって同じようなものかと思ってたんですが、結構違うんですね。

E:ワンポイントのリノベーションでも、築古感が消えていればOKです。例えば、ユニットバスは、交換したら60万円かかりますと。そのときに、シートだけ張替えて30万円で見た目が綺麗になるなら、ユニットバスには30万円だけかけて、残った30万円で別の場所にお金をかけた方がいいと思います。一般論でキッチンを新しくした方がいいといっても、キッチンを変えて築古感が消えないなら、既存のキッチンを使って築古感をなくす工事をするのがおすすめです。

S:まずは築古感を消すと。

E:もちろんお金をかけた方が家賃が上がりやすいのは確かです。ただ、問題なのは費用対効果ですよね。費用をかけてもそんなに家賃が上がらないということもあるので。

築古物件特有の問題!家賃低下や空室の原因は集客導線が原因かも

S:じゃあ、ちゃんとリノベーションすれば家賃は上げられるんでしょうか?

E:もちろん。それが前提です。

S:どれくらい上がるという目安はありますか?

E:少なくとも10%は上げます。これは最低でも。上げるときは40%くらい上がります。

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E:立地以外にも管理会社の問題もあります。管理会社さんは入居者が決まらないと管理手数料が入らないので、入居者を決めるために家賃を下げた方がいい、と言われ続けて下がっているケースとか。

S:下げすぎてたのを戻すと?

E:もちろんそれもあります。あとは家賃を下げている理由もあって。古いことや、二人暮らしできる広さなのに2DKのまま放置してたとか。本当であればもっと家賃が高くなる立地や広さなど、ポテンシャルがあるのに現状の間取りや集客導線が悪くて、家賃を下げ過ぎてるものがあります。

S:集客導線の見直しもするんですか?

E:そうです。築古の話があったんで補足しておきましょうか。集客的には、築古は30年で線引きした方がいいです。

S:なにか理由があるんですか?

E:物件検索サイトがあるじゃないですか?賃貸物件を探している人がみるやつ。あのようなところで物件を探すとき、築年数の条件は、新築、3年以内、7年以内、10年以内、15年以内、20年以内、30年以内とかで終わりなんです。30年以上はひとくくりなんです。

S:ほんとですね!今、調べてみたんですが、築年数は30年以内までしか条件がつけられないですね。

E:リノベ物件って、築年数は30年超えてるけど新築のようになっている物件があるわけじゃないですか。そうすると、大手賃貸物件検索サイトだとお部屋が埋もれちゃうんですよ。

S:部屋の綺麗さにこだわるときは、築年数を指定しますね。そうなると入居者さんから見つけてもらえないと。

E:自社の宣伝みたいになっちゃうんですが、私たちはリノベ百貨店という、リノベ物件だけを扱っている仲介店舗やWEBサイトを作っています。そのようなリノベ物件に興味がある人が物件を探すプラットフォームで集客するべきだということです。

S:リノベーションした物件に興味がある人に知ってもらえるようにすると。

E:インターネット上の情報だけだと、築年数古いじゃんってなってしまうので。集客導線が大事ですね。埋もれないようにどうするか。オーナーさんとしては、リノベーションして工事費かけてるのはいいけど、お客さん本当に決まるの?っていうのが心配なはずです。大丈夫ですよ、と言い切ってしまうのではなくて、ここまでサポートしますと説明するのが大事かなと思っています。

リノベーション会社を選ぶときはコスト以外にも注目を

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S:じゃあ、リフォームやリノベーションの会社を選ぶときのポイントってありますか?

E:その会社がどんな話をするかに注目するといいです。

S:いろいろまとめてやってくれて、安くしてくれるところがいいと聞いたりしますね。

E:でも大事なのはそこだけではなくて。見極めるポイントは、入居者目線を持ってる大工さんや工務店さんかどうか。コストの話だけじゃなくて、こうやるとお客さんが喜ぶよねという話ができるかどうかですね。

S:最近、入居者さんがこういうの喜んでるよとか?

E:例えば、棚を作るとします。そのときに、角を丸くしますとか。こっちの方が危なくなくてかわいいいですよねとか。そういう一手間を加えるようなところ。入居者のことを考えて、現場で柔軟に対応してくれるところがいいです。こういう人がいるところはいい会社だと思います。

S:見極めるのが難しそうですね。

E:大量にキッチンとか設備を仕入れると安くはできるんです。でもそれが本当に正しいお金の使い方か?というところが大事。ポイントとしては、設備、耐久性の話と、家賃、エンドユーザーの話までできる会社かどうかですね。

S:工事の話だけじゃなくて、入居者の話もしてくれるところですね。

E:大家さんとしても、最終的には、わかんないけど任せたってなると思うんですね。なので、安心安全に作ってもらえるかどうか。

S:安くないお金を出してリノベーションするので、安心してお願いできるのは大切ですね。

E:大家さんの収益を考えると、賃貸以外の出口も用意しているところは頼りになるかもしれません。物件の立地によっては用途を変えた方がいいものもあります。我々が工事した事例だと、賃貸で20万円くらいの利益の物件をホテルにしたら売上100万円、諸経費を引いて80万円くらいの利益になった物件があります。

S:用途を変えるだけで約4倍の利益ですか!

E:物件を見て、工事の話と用途の話ができる会社だといいですね。賃貸物件だけでなく、ホテルやマンスリー、ウィークリーマンションなど、どうすれば一番収益が上がるのかを提案してくれると、大家さんとしても安心できるんじゃないでしょうか。

本日のまとめ

リノベーションは、家賃低下や空室続きで困っている大家さんにとって、検討すべき手段の一つだなと感じました。思っていたより費用が安く、家賃アップ、空室を埋めることができれば、費用の回収スパンも短そう。コストを抑えるのは大切ですが、集客や家賃アップを実現してくれそうな会社を選ぶことが大事ですね。

築古物件のリノベーションは、築古感を消すこと、集客導線の見直しなど、築古物件特有のポイントがたくさん。築年数30年を超えると賃貸住宅検索サイトで圧倒的に不利になることは、意外と気づいていないポイントではないかと思います。

家賃の低下や空室に困っている大家さんは、リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

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