建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説

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公開日:2024年7月8日
更新日:2024年7月8日
建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説1

マイホームや賃貸物件を所有している方であれば、売却や確定申告の際に建物の減価償却費を計算する機会があるかもしれません。特に賃貸経営をするうえでは、減価償却費はおさえておきたい費用のひとつです。今回は減価償却の基本的な考え方と計算方法について解説します。

建物の減価償却とは

建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説2

減価償却とは

減価償却とは、ある資産が時間の経過とともに価値が減っていくという考えのもとに、資産の取得時に払った価格を耐用年数に応じて少しずつ費用配分していくことを指しています。

経年によって劣化する資産、つまり建物や設備機器・車などが対象で、土地は減価償却資産にはあたりません。

建物における減価償却の考え方

建物の耐用年数は、構造や用途によって細かく定められています。例えば「木造で店舗・住宅用」であれば22年、「鉄筋コンクリート(RC)造で事務所用」であれば50年、といった具合です。

会計上、この年数で資産の価値が0になるという考え方で、建物の物理的な寿命とは異なります。そのため、耐用年数を過ぎるとその建物が使えなくなるわけではありません。

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建物減価償却費の計算が必要なのはどんなとき?

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不動産を売却する場合

不動産を売却したことで利益(譲渡所得といいます)が発生したら、確定申告をしなければいけません。確定申告では、譲渡所得は「売却金額-(取得費+譲渡費用)」で計算するのですが、この取得費を出すときに、購入時にかかった価格から減価償却費を差し引いた金額にする必要があるのです。

家賃収入がある場合

アパートなどを経営しており家賃収入がある場合は、賃貸経営で得た所得を確定申告する必要があります。その際の経費として、建物の減価償却費を計上することができます。

建物減価償却費の計算方法

建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説2

建物減価償却費の計算をする際に知っておきたい項目

建物の減価償却費の計算が必要なのは、不動産に関する収入が発生したときであることがわかりました。それでは、実際に計算をするときに必要な項目について見ていきましょう。

①取得価額

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物件を取得するときにかかったお金を指す「取得価額」。建物の本体価格と、購入時にかかった消費税、不動産会社に支払った仲介手数料や登記にかかった諸費用のほか、建築前の立ち退きや整地、古家取り壊しにかかった費用なども含めることができます。

取得価額の確認方法

取得価額を確認するためにはまず、購入時の売買契約書類を確認しましょう。相続で取得した不動産であれば、亡くなった方の自宅などで探す必要があります。

売買契約書類が見つからなければ、ローンの契約書や購入代金が記帳された通帳や、ローン返済口座の通帳があれば、取得費を計算し、間接的に証明することも可能です。

上記の書類も見つからない場合は、払っていた固定資産税から評価額を割り出したり、国税庁が公開している「建物の標準的な建築価額表」を使ったりして、建築当時の建築費用を計算する方法もあります。

取得費用の内訳が不明な場合は?

土地と建物が一緒に購入されており建物単体の取得費が分からない場合は、消費税額から計算することができます。土地には消費税が課税されないため、建物部分にかかっている消費税額から、以下の計算で逆算できます。

建物取得費 = 売買契約書に記載されている消費税額 ÷ 契約当時の消費税率

 

また、固定資産税評価額を按分することでも、取得費の内訳を求めることができます。

取得費そのものが不明な場合は?

先祖伝来の土地などで取得費が分からない時の最終手段として、売った金額の5%を取得費とすることができます。これを「概算取得費」といいます。

また、実際の取得費が売った金額の5%を下回る場合も、売った金額の5%を取得費とすることができます。

例えば3,000万円で売った不動産の取得費が不明なときは、5%にあたる150万円を取得費として計算することができます。

必ずしも建物の取得費に含めなくてもよい費用

取得価額には、算入するべき費用と、含めなくてもよい費用があります。例えば不動産取得税、登録免許税、印紙税などの税金や、借入金の利子分、登記の際の司法書士報酬などです。これらは、取得費に含めず経費として扱うことができます。

②法定耐用年数

建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説2

建物の構造や用途によって定められた、理論上の「資産価値が0になるまでの期間」です。法定耐用年数は国税庁のホームページで確認できます。

主な建物の耐用年数一覧

建物の耐用年数は構造と、事務所や工場など用途によって変わり、住宅(賃貸住宅も含む)用途の法定耐用年数は以下となっています。

構造 法定耐用年数
木造 22年
SRC造、RC造 47年
鉄骨造 骨格材厚さ3mm以下 19年
鉄骨造 骨格材厚さ3mm超~4mm以下 27年
鉄骨造 骨格材厚さ4mm超 34年

 

その他の用途の建物、建物付属設備などの耐用年数は国税庁のホームページに一覧があるので、参考にしてみてください。

建物の築年数が法定耐用年数を超えている場合の耐用年数の出し方

築年数が法定耐用年数を超えた場合、資産価値としては0になりますが使用できないわけではありません。人気のエリアに建つ物件などは、耐用年数を過ぎても購入希望者はいますし、建物の状態によっては引き続き利用することは十分可能です。

法定耐用年数を超えた築年数の建物については、中古資産としての耐用年数を改めて算出します。その計算方法は、法定耐用年数に0.2を掛けて求められます。(端数は切り捨て)

つまり、築25年の木造アパートの場合、中古資産としての耐用年数は「22年(法定耐用年数)×0.2⇒4年」ということになります。築25年で購入した場合、そこから4年間は減価償却費が計上できます。

建物の築年数が法定耐用年数を超えていない場合の耐用年数の出し方

建物の築年数が法定耐用年数を超えていない場合の耐用年数は、以下の計算式で算出します。

耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数は切り捨て)

 

築10年の木造アパートの場合は「(22年-10年)+10年×0.2⇒14年」です。

③償却率

減価償却費を計算する際、最後に必要となるのがこの「償却率」です。償却率は次項で説明する定額法・定率法ごとに定められており、資産の取得時期によっても率が異なります。

減価償却資産の償却率表は国税庁のホームページにアップされています。

減価償却の計算手順

減価償却の算出方法には、資産の種類によって定額法と定率法の2種類があります。原則として「建物、建物付帯設備、構築物、ソフトウェア」については定額法が適用されます。

定額法の概要と計算手順

定額法は、償却費の額が毎年同額となる計算方法です。例えば3,000万円の建物を10年で償却する場合、減価償却費用は毎年300万円で変わらないため「定額」法という訳です。計算式は以下の通りです。

定額法の減価償却費=取得価額×定額法の償却率

定率法の概要と計算手順

取得金額から減価償却累計額を差し引いた未償却残高に対して一定の割合「定率」を掛けて求める方法です。未償却残高は年々減っていくため、減価償却費も少なくなっていきます。計算方法は以下となります。

定率法の減価償却費= 未償却残高(購入年度は取得価額)×定率法償却率

 

例えば、3,000万円の建物を償却率20%で償却する場合、1年目は「3,000万円×20%=600万円」、2年目は「(3,000万円-600万円)×20%=480万円」という具合に、年数が経つごとに減価償却費が下がっていきます。ただし、一定の額を下回った後は、毎年同じ償却費になります。

減価償却と節税対策

建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説2

減価償却が税金に与える影響

通常の経費は、支払ったその年に計上しますが、固定資産を購入した場合は、何年にもわたって減価償却費という経費を計上していくことになります。

つまり、何年にもわたって所得から減価償却分を減らし、発生する所得税を抑える効果があるのです。

節税対策としての減価償却の活用

減価償却そのものにも節税効果がありますが、購入する建物の種類によってその効果を大きくすることができます。例えば、築古物件は法定耐用年数が短いため、1年あたりの減価償却費を高く計上できます。会計上は赤字となり利益を圧縮できることで、節税につながるのです。

減価償却に関するよくある質問

建物の減価償却とは?計算方法や耐用年数、税金対策のポイントを解説2

Q:アパートを新築したとき、建物本体以外の償却資産にはどんなものがありますか?

A:建物以外でも、以下のようなものが償却資産にあたり、耐用年数は主に以下のようになっています。(材質などで異なる場合もあります)

太陽光発電設備 17年
エアコン 6年
宅配ボックス 10年
フェンス 10年
側溝 15年
植栽 20年

Q:所有しているアパートが古くなり修繕を行いました。支出経費は減価償却費となりますか?

A. 賃貸住宅を修繕した際の費用を修繕費か、減価償却費として処理するかは修繕内容によって変わります。外壁塗装や壁紙・床材の張り替え、設備のメンテナンス等、維持管理や原状回復のための修繕であれば、その年度の経費として修繕費の名目となります。

しかし、耐震や断熱工事、設備の高性能化によって資産の価値や性能、耐久性が向上する場合は「資本的支出」として法定耐用年数に応じて減価償却します。

Q:耐用年数を経過した物件を所有しているのですが、デメリットはありますか?

A.減価償却費が計上できなくなることで、所得税が高くなります。築年数が古くなって空室が増えたり、家賃を安くする必要が生じたりする時期も重なることから、キャッシュフロー悪化の可能性があります。

不動産投資においては、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るタイミングを「デッドクロス」と呼び、資金繰りが悪化する要注意ポイントとしています。

Q. 耐用年数を経過した物件は資産価値が0円でも課税されるのですか?

A.耐用年数が過ぎて減価償却費の計上が終わった物件も、固定資産税の課税対象になります。法定耐用年数が過ぎた資産は、取得価額の5%を評価額の最低限度額として固定資産が算定されます。

建物の減価償却を正しく理解して税金対策をしよう

減価償却費は賃貸経営において大切なポイントとなることが分かっていただけたと思います。耐用年数が長いと節税効果は長く続くというメリット、短い場合は毎年の減価償却費を大きくできるというメリットがあります。

2つの側面があるため、とらえ方が難しい部分もありますが、売却も視野に入れながら10年、15年といった長いスパンでの資金計画を練るようにしましょう。

※この記事は2024年7月8日時点の情報をもとに作成しています

記事・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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