安定したアパート経営を実現!初心者のための賃貸経営ノウハウ事典

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安定したアパート経営を実現!初心者のための賃貸経営ノウハウ事典1

賃貸物件を相続した、土地を相続したという方は、賃貸経営ってどんなことをしているのかよくわからない、これから何をしたらいいのかよくわからないという方もいるのではないでしょうか。また、これからアパート経営を始めたいけど何から始めればいいのか悩んでいるという方もいるでしょう。

そこで、賃貸経営をするために最低限知っておきたい知識をすべてまとめました。全体像を理解しやすいように最低限の内容にとどめ、詳しい内容は関連記事として用意しています。現在の賃貸物件の状況を見直したい、新しく何かを建てたいなど、悩んだときに頼れる事典として使ってください。

【賃貸経営のキホン】賃貸物件市場の現状とこれから

アパートやマンションを持っていれば儲かるという時代は終わりました。しっかりと利益が出る賃貸経営をするためには市場を知ることが重要です。

アパートやマンションなど、賃貸物件の需要と供給状況について把握しておきましょう。

需要は人口と世帯数から

【人口】全体的には減少傾向だが、まだまだ増加する地域も

日本の総人口は2008年を境に減少傾向です。今後も減少傾向が続くことが予想されます。東京と沖縄を除き、大都市圏でも人口減少の例外ではありません。

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しかし、全ての市区町村で人口減少が起こっているわけではありません。2018年のデータでは、川崎市や大阪市、福岡市、名古屋市など、東京都以外でも都市部における人口は増加傾向です。

郊外から都市部へと人が移動している傾向にあるため、都市部においては郊外よりも人口減少の影響が少ないです。このことから、日本全体では人口が減少しても需要が衰えにくい地域はまだあると言えます。

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引用:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

【世帯数】単身者世帯はまだ増加傾向に

世帯数は、2023年に5418万世帯でピークを迎え、2040年には5075万世帯にまで減少すると予想されています。ただし、単身者世帯は2032年にピークを迎えると予想され、今後も増加傾向です。また、夫婦二人世帯の減少幅も小さいとされています。(※国立社会保障・人口問題研究所:『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)

単身者や二人世帯をターゲットとした賃貸住宅は、今後10〜20年の間は人口減少の影響を受けにくいと考えられます。

今後の単身者世帯はミレニアル世代と単身ミドル

新築の供給は続くが

空き家が問題視される中、賃貸住宅の建築戸数は減少傾向です。2018年には40万戸を切りましたが、依然として多い状況が続いています。この中には古くなった物件の建て替えが含まれていますが、需要に対して多くの賃貸物件が供給されているのは事実です。そのため、空室が出やすくなる状況は避けられません。

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引用:国土交通省 新設住宅着工戸数

賃貸トレンドや入居者ニーズを把握することが必須の時代に

需要と供給の側面から、ただアパートやマンションを持っているだけでは経営がうまくいく可能性は低くなります。空室を出さないようにするには、その時代のトレンドに合わせることや入居者のニーズを考えた物件を用意することが重要です。

近年では、DIY可能な物件やペット可物件の人気が高まっています。家具借り放題など、新しいスタイルの物件も出てきており、常にトレンドやニーズを掴むための情報収集は不可欠です。

2020年の賃貸トレンド&サービス

また、新築物件の供給が継続的にあっても、築古物件に入居者ニーズがないわけではありません。工夫次第で築古物件でも満室経営を行うことは可能です。

実は築浅の次に築31年以上の物件の反響が高い(大阪市)

アパート経営のメリット・特徴

よく聞くアパート経営のメリットは鵜呑みにしない

一般的に、アパート経営のメリットとして挙げられるのは、節税対策や毎月の継続収入です。

相続の際には、現金で持っているより税額は安くなると言えます。また、不動産以外の所得があれば賃貸経営の経費計上により節税できる場合はあります。しかし、アパートは建てるよりもその後の経営が重要になるため、節税のためだけにやるのは得策とは言えません。

一方、しっかりと経営をすることで毎月の継続的な収入になることは確かです。最近ではサブスクリプションモデルという継続課金制のサービスが多く出てきています。社会的に考えても毎月一定金額が入ってくるビジネスモデルは時代にもマッチしていると言えるかもしれません。

マンション経営と比較したアパート経営の特徴

賃貸住宅を建てるときに、マンションとアパートを比較した上でアパートを選択することはよくあります。アパートとマンションの違いが現れているのは、費用と空室率です。

アパートは、低層建築でエレベーターが不要なため、ローコストで建築できます。エレベーターのような共用設備がなければ共益費が不要になり、入居者の毎月の負担を少なくすることも可能です。また、木造アパートであれば、解体費用が少なく、建て替え時の費用も抑えられます。

一方、空室率では一般的にアパートの方が悪い結果が出ています。下の画像は首都圏のアパートとマンションの空室率です。アパートは30%以上なのに対し、マンションは8%〜15%の間に収まっています。この違いの原因として、マンションの方が比較的大きな規模であり、法人やリートなどプロが経営する物件が多いことが考えられます。つまり、アパートの方が人気がないということではなく、プロの目線で経営しなければ空室が多く出てしまう可能性があるということです。

マンション経営の特徴や差別化事例が気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
安定したマンション経営を!満室経営のための差別化とリノベーション

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出典:タス 賃貸住宅市場レポート 首都圏版2019年11月

アパートを建てる準備・手順|既存物件は建て替えの検討も

ここでは、財産を相続した方やこれからアパート経営をスタートさせる方が初めにやることを紹介していきます。アパートを建てるための準備を5つのステップにしました。すでに物件を所有されている方も建て替えを行う際の参考にしてください。

【ステップ1】目的や方針を明確にする

アパート経営を始めようとしてすぐに建築メーカーやコンサルティング会社に相談に行く人が少なくありません。しかし、何も準備をせずにいきなり相談に行くのはおすすめしません。

何も知らずに相談に行ってしまうと、住宅メーカーならアパート建築、銀行系なら借入金を高くできる大規模案件、不動産会社なら等価交換や資産組み替えなど、相談先の利益や得意分野へと誘導されがちです。

そのため、なぜ賃貸経営をするのか、アパートを建てるのか、経営の目的や方針を決めておく必要があります。よくある目的は、

  • ・相続税対策をしたい
  • ・資産形成をしたい
  • ・老後の生活資金にしたい
  • ・相続した土地の税負担を軽減したい
  • ・老朽化したアパートをなんとかしたい

 

などです。複数の目的がある場合にも、優先順位をつけることでこの後の準備を進めやすくなります。

 

基本方針としては、

  • ・土地を守りたいのか/財産規模を守りたいのか
  • ・自己資金と借入金のバランス
  • ・活用想定期間
  • ・事業を引き継がせるのかどうか
  • ・管理方式はどうするか

 

は考えておくべきです。これらを決めておくことで、土地活用の方法や事業方式が自ずと決まってきます。

【ステップ2】土地活用の選択肢を知る|アパート以外の選択肢も

土地活用の種類は3つに分けられます。また、賃貸住宅の企画や施工会社の選定などを誰が行うのか、資金の調達をどのようにするかなどで事業方式が分けられます。親から物件を相続した方は、建て替える場合の選択肢として捉えてください。

土地活用の種類は多数

土地活用といえばアパートやマンションのイメージが先行しがちですが、数多くの選択肢があります。大きく分けて、住宅系、事業系、その他の3種類。

住宅系は、マンションやアパート、戸建賃貸住宅や高齢者向け住宅など、借主が住居として使用するものです。収益の安定性や税金対策のバランスが取れています。

事業系は、貸しビルや貸し倉庫、医療・介護施設、ロードサイド店舗など、借主が事業を営む場所として使用するものです。高収益と将来性が見込めます。

その他に分類されるのは、駐車場やトランクルーム、野立て太陽光発電など、上記2つ以外のものです。初期費用の少なさや現金化のしやすさが特徴です。

アパート経営だけにとらわれず、最初に定めた賃貸経営の目的や方針に合わせて柔軟に選択しましょう。

土地活用の方法についてさらに詳しく知る

事業方式によって権利や資金調達、業務に違いが

事業方式は大きく分けて5つあります。

  • ・自己建築方式
  • ・事業受託方式
  • ・等価交換方式
  • ・リースバック方式
  • ・定期借地権方式

 

自己建築方式は、賃貸住宅の企画から施工会社の選定、融資の取付などを自分で行います。この場合、入居者ニーズの把握や施工会社選びの知識が重要です。

事業受託方式は、コンサルタントや住宅メーカーなどに企画や施工会社の選定などを依頼します。賃貸経営の知識がなくてもスタートできるメリットがありますが、コンサルティング料などの経費がかかること、事業のコントロールがしにくいことがデメリットです。

アパート建築に関しては上記2つの方式から選びます。もし他の土地活用を検討される方は、さらに詳しい情報を別の記事でご紹介しています。

土地活用の方法についてさらに詳しく知る

【ステップ3】市場調査|マーケティングは賃貸経営の基本

施工会社がプランの提案をする際には、事前にマーケティング調査が行われているのが一般的です。しかし、全てを施工会社任せにせず、建築予定場所の賃貸住宅市場については調査しておくべきです。

調査項目は、①人口動態、②マーケットの基本情報(賃貸住宅のストックや新築着工件数、事業所の増減など)、③立地の利便性や周辺施設など。役所やインターネットで調べることが可能なものがほとんどです。

これらのデータを元に、入居者ターゲットの絞り込みを行い、ライフスタイルに合わせた間取りや設備を決定。プランに応じた適正家賃の調査、設定をします。

賃貸住宅の差別化方法!市場調査とコンセプトで入居者に選ばれる賃貸

【ステップ4】会社選び|複数社から提案を受け見積もりチェックを

建築会社を選ぶ際にチェックをしたいのが、現場力、経営の健全性、プランの説得力です。大手、中小を問わず、倒産や耐震偽装などの問題は発生しています。建築現場に足を運んで現場を確認したり、財務状況の確認をしたり、複数社からプランの提案を受けて内容の根拠や説得力を測ったりして建築会社を選びましょう。

また、見積もりのチェックも大切です。見積もりの書式は各社でバラバラなため一見して比較するのが難くなっています。総工事費と内訳明細の確認は必須です。〇〇工事一式と総額だけが記載されている場合、詳細を求める必要があります。

さらに詳しく!アパート建築で知っておきたい建築費と建築会社選び

【ステップ5】資金計画|資金の調達や収支シュミレーション

ここはステップ4と同時進行になります。パートナー候補の会社を選定すると、その会社から基本設計や見積もりを元にした収支計画を提案されます。自己資金と借入金など、自分の予算と当初の目的や方針と照らし合わせながらチェックを行いましょう。

賃料の設定が適切か、築年数の経過による賃料の下落が盛り込まれているか、空室率が盛り込まれているかなど、収入については必ず確認してください。施工会社は仕事を受注したいがために、ここを甘く設定して見かけの収入を増やしてくることがあります。

借入金については、アパートローンの金利の違いやメリットデメリットについて知り、どの方法を選択するのかを決めなければいけません。また、必要な資金は建築費だけではありません。資金がいくら必要になるかは、アパート経営にどんな費用がかかるのかを知ってく必要があります。

詳しい内容については別のページで解説をしています。

アパート経営にかかる費用は?資金は?

【アパート経営の実務】賃貸経営ってどんなことしてるの?

アパートが完成すればオーナーとして賃貸経営がスタート。と言いたいところですが、完成する前にやるべきことが残っています。賃貸経営は具体的にどんなことをしているのか知っていますか? 実務を理解することで、やるべきことが明確になります。

賃貸経営は入居者管理と建物管理がメイン

賃貸経営の主な業務は大きく分けて二つ。入居者管理と建物管理です。

入居者管理は、入居者の募集や家賃の徴収、入居者トラブルの対応など、入居者のマネジメントをする仕事です。賃貸経営の根幹に関わります。建物管理は、入居者の住環境を整え、賃貸住宅の資産価値を保つための修繕など、メンテナンスをする仕事です。

管理会社の業務内容は?

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管理を自分でやるのか? 管理会社に依頼するなら知っておきたいこと

この2つの管理を自分でやることを自主管理、管理会社に管理してもらうことを委託管理と言います。完全な自主管理を行なっている大家さんは全体の2割程度です(国土交通省:賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(家主)2019年)。

全てを管理会社に任せずに一部だけを委託するケースも含めると、8割以上の大家さんが管理会社に管理を委託していることになります。管理会社は賃貸経営において重要なパートナーです。そのため、管理会社をどこにするかでその後の経営に大きな影響を与えます。管理会社に委託をする場合は、管理会社の選び方やチェックポイントを参考にしてください

管理会社の良し悪しはどこでわかる?その見分け方とは?

また、家賃決済代行や24時間の入居者対応など、賃貸管理の一部分だけを代行する独立系の会社も出てきています。必要なサービスだけを予算の範囲内で選べ、コストダウンを図れます。

アウトソーシングサービスで入居者満足の実現は可能か?

もちろん自主管理で成功している大家さんもいるため、自分に合ったスタイルを選ぶことが重要です。

【大家さんインタビュー】独自の入居者管理ノウハウで空室ゼロ経営成功

 

アパート完成までに入居者募集を行う|重要な仲介会社選び

入居者募集を管理会社に委託しない場合、自分で積極的に動かなければいけません。近年では新築でも完成までに満室にならないことはあります。そこで重要な役割を果たすのが仲介会社です。

仲介会社との入居者募集の契約の種類、メリットデメリット

仲介会社を選ぶ際に大切なポイントはインターネットに強いことです。入居希望者はネット検索をして物件を探し、問い合わせをするのは1社から2社程度。検索に引っかからなければ契約から遠のいてしまいます。大手不動産ポータルサイトに物件情報を掲載するだけでなく、自社のホームページを用意してインターネットでの問い合わせにもスムーズに対応できることが重要です。

今の入居者はどうやって部屋を探しているの?

また、仲介会社の所在地もチェックしておきたいポイントです。

いまどきの入居者は、仲介会社をどう選んでる?

仲介会社が決まれば、どこのポータルサイトにどのように情報が掲載されているかも確認しましょう。ポータルサイトそれぞれの特長があります。

部屋探しポータルサイトの特長は?どれがいい?

賃貸経営のほとんどを任せられるサブリース|一括借り上げで収入も安定?

サブリースは、一括借り上げや家賃保証などとも呼ばれます。管理会社や保証会社がオーナーから物件を借り上げて入居者に転貸する仕組みです。空室が出てもオーナーには毎月決まった金額が入るため収入が安定すること、賃貸経営の細々とした判断を全て任せられることがメリットとされます。

しかし、リスクや注意点もあります。新築時には入居者が決まりやすく、空室の心配は少ないです。それなのに、手数料は15%程度とられてしまいます。また、定期的な家賃の見直しや設定賃料が相場より低くなっていることもあり、収入がかなり少なくなってしまうことも。

メリットとリスクを把握したうえで利用することが大切です。

アパート経営の一括借り上げメリットデメリットや注意点

アパート経営で起こりうるリスクに備える

アパート経営にはリスクもあります。事前にリスクを把握しておくことで対策が可能です。

空室リスク|空室が出る前に空室対策を

一度満室になったからといって入居者がずっと入居し続けるわけではありません。空室ができてすぐに入居者が決まればいいですが、空室期間が長引くほど収入が減ってしまいます。ローンの返済や管理会社への支払いなど、支出は変わらないため、最悪の場合赤字になることも。

入居者が退去しないような対策や築年数が過ぎても満室経営を続けられるよう、継続的な空室対策を行うことが重要です。

8つの空室対策で安定したアパート経営を

建物の老朽化リスク|計画的な大規模修繕を

建物の老朽化は資産価値の低下や競争力の低下につながります。大規模修繕には多額の費用がかかるため、事前に準備をしておかなければ必要になったときに焦る原因にも。

10年、20年スパンの長期的な観点から考えておくものですが、10年以内でも塗装の塗り替えなど軽微な修繕が必要になります。修繕の周期や修繕箇所、費用などを知っておくことで事前に備えることが可能です。

大規模修繕で家賃・入居率維持!長期計画の基礎知識

アパート・マンションの大規模修繕って、いつやるの?周期・費用の目安はどのくらい?

災害リスク|もしもの場合に備えて保険加入を

火災や台風、地震など、天災によるトラブルが発生するリスクもあります。災害が発生したときに頼りになるのが保険です。ローンを組む際に加入していることが多いので、内容をチェックしておきましょう。補償対象は必要性に応じて選べるようになっています。入居者の加入する住宅総合保険でカバーできない範囲に限定することで、無駄なコストを抑えることが可能です。

地震による火災は火災保険では補償されないため地震保険にも加入しておく方が安全です。災害が起こった際の対応も確認しておきましょう。

【台風・地震・火災】賃貸オーナーに知ってほしい自然災害への備えと対策

賃貸経営トラブル|入居者はもちろん管理会社や建築会社とのトラブルも

上記で挙げたリスク以外にも突発的なトラブルが起こるリスクがあります。入居者トラブルは管理会社が対応してくれますが、最終的な決断は賃貸オーナーが下すことも。また、管理会社とのトラブルや建築会社とのトラブルなど、様々なトラブルが起こる可能性もあります。トラブルが起こらないような会社を選ぶとともに、トラブルが起こったときにどう対応するかを事前に確認しておくことが重要です。

アパート経営の失敗を防ぐ対策を!実際にあった失敗談・トラブル事例

アパート経営で知っておきたい税金のこと

賃貸経営には様々な税金の知識も欠かせません。どのタイミングでどのような税金がかかるのかといった基本的なことは把握しておきましょう。税金の問題は複雑なため、詳しい内容については税理士に相談することをおすすめします。

アパートを建てるときにかかる税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税)

賃貸経営をスタートさせるときには様々な契約を結びます。不動産の売買契約や建築工事請負契約、ローン契約など。これらの契約書には金額に応じた印紙税がかかります。

相続や購入などの事情で土地を取得したり、物件を新築した場合、所有権の移転登記や保存登記などが必要です。また、ローンを組む際には不動産に抵当権を設定するため、抵当権設定登記も必要になります。この際にかかるのが登録免許税です。

さらに、不動産の取得に対して都道府県から課税されるのが不動産取得税です。アパート建築については軽減措置があるため、税額が0円になることもあります。

アパート経営にかかる費用って?税金はどんなものがある?

経営中に毎年かかる税金(固定資産税、都市計画税、所得税、住民税、個人事業税、法人税)

土地・建物などの固定資産を持っていると毎年課税されるのが、固定資産税や都市計画税です。固定資産税評価額に税率をかけて計算します。標準税率は、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%です。

個人で賃貸経営を行っている場合、所得に対して所得税と住民税がかかります。所得とは、収入から経費や控除金額を引いたものです。アパート経営の場合、不動産収入のほか、給与収入なども合わせた全ての収入から経費や控除を引いたものが所得になります。

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また、一定規模の事業を行っている場合には、税率5%の個人事業税がかかります。アパート経営なら戸数が10室以上で不動産所得が290万円を超える場合です。

不動産管理会社を作るなど、法人化して賃貸経営を行う場合には、法人所得に対して法人税がかかります。法人化することにより、所得の分散効果や税率の低減効果などがあり、節税や相続対策として法人化するオーナーは増加傾向です。ただし、法人化することによって増えるコストもあるため、具体的な試算をしてから判断しましょう。

法人化のメリットは?具体的な手順は?プロがアドバイス

確定申告は確実に! 戦略的な経費計上で節税を

アパート経営をしていくには、毎年の確定申告が必要です。申告方法は、簡易な白色申告と一定の帳簿が必要な青色申告があります。青色申告は最高で65万円の特別控除が受けられるほか、専従者給与の全額経費計上や損失の繰越などメリットが多数あります。

【税務講座】経費算入や節税対策にも!「青色申告」のメリットと注意点

経費計上を確実に行い、戦略的な経費の使い方をすることで無理なく節税をすることが可能です。不動産所得の主な経費については下の画像を参照、または下のリンクから詳しい内容を確認してください。経費と減価償却の判断なども間違いのないように行いましょう。

経費の計上・使い方で得をする!確定申告と節税対策

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アパート経営は相続までがセット! 相続準備や受け入れ準備を

賃貸経営は後継者へと相続するまで続きます。この記事を読んでいる方の中には、特に準備をせずアパートを相続したために苦労しているという方もいるのではないでしょうか。相続は物件を残す側と引き継ぐ側の両方の準備が必要です。そのため、必要に迫られてからでは遅く、計画的に準備を進めることをおすすめします。

下の図は、相続準備をする手順の一例です。アパートの相続では「何を」「誰に」「どうやって」引き継ぐかを決めておくことが重要になります。

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【何を引き継ぐか】アパート経営では「金」「人」「情報」を引き継ぐ

賃貸経営で重要な資産は「金」「人」「情報」です。

「金」は、預貯金や不動産の価額、生命保険、ローンなど、金銭的な資産のことです。相続といえば、この資産を配偶者や子供に引き継ぐという認識の方も多いのではないでしょうか。おろそかになりがちなのは、他の2つです。

「人」は、賃貸経営の相談相手となってくれる人や賃貸経営のパートナーのことです。いざ物件を引き継いだとき、管理会社や仲介会社、清掃会社など、経営のパートナーとなっている人たちのことを知らないとスムーズに経営が行えません。また、相談相手がいることで不足している知識や経験を補うことができ、安心して賃貸経営が行えます。

「情報」は、契約者情報や物件情報、帳簿などです。入居者の情報は退去の予測やトラブル時の対応で必要になります。また、物件の図面や修繕内容を把握しておかなければ、次の修繕がスムーズに行えず、余計なコストの増加原因にもなります。

これらを事前にリスト化して、いつでも開示できるようにしておくことが重要です。さらに詳しい内容は下の記事を参考にしてください。

アパートの相続準備はいつから? 何をする? どうやる?|賃貸経営の相続

【誰に引き継ぐか】後継者を決める

賃貸物件を誰に引き継ぐかは重要な問題です。配偶者と子供が数人いるなど相続する人が複数いる場合には、誰か一人に継がせるのか、それぞれに分けて継がせるのかも決めなければいけません。

後継者の決定は、家族とコミュニケーションをとりながら少しづつ進めましょう。自分の意向を伝え、相続する人たちの意向も聞くことが大切です。賃貸経営を少し任せてみたり、アイデアを聞いてみたりするうちに興味が湧いてくることもあるので、すぐに決める必要はありません。

【どうやって引き継ぐか】財産の移転方法を検討する

誰に何を相続するのかがある程度決まれば、どうやって引き継ぐのかを決めます。どうすればスムーズに引き継げるかとともに、相続税対策も重要な問題です。

よく使われる方法は、法人化、信託、贈与など。現在の状況や目的によってベストな選択肢は変わってきます。ここまでの情報をもとに、顧問税理士や不動産に詳しい税理士に相談をして決めるのが安心です。相続の方法について詳しくは下の記事をご覧ください。

アパートの相続準備はいつから? 何をする? どうやる?|賃貸経営の相続

全体像を把握して必要な情報の収集と適切なパートナー選びを

賃貸経営を成功させるには、賃貸住宅市場の把握からアパート建築の手順、経営実務、税金、相続と、知っておくべきことが数多くあります。ですが、全てにおいて知識を持っていることや深く理解をしている必要はありません。

大事なのは、賃貸経営の全体像を知っていることと自分の置かれた状況で必要な情報を取れることです。賃貸経営の全体像がわかっていれば、自分が何をすべきか、何を人に依頼すべきかが判断しやすくなります。また、自分で必要な情報を収集することができれば、建築会社や管理会社に言われるがままにならず、最適なパートナー選びも可能です。

信頼できるパートナーと連携しながら常に情報をキャッチできるようにしておきましょう。

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