OSレポート
[提供:住宅改良開発公社]

賃貸住宅は今建てるべきか?空室リスクは大丈夫?賃貸経営の疑問に、融資のプロが答える

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超低金利が続いているが、金利は今後上昇に転じるのか、賃貸住宅の建て時はいつか、賃貸ニーズの将来性等。オーナーが気になる疑問について、住宅金融支援機構等の融資保証会社である住宅改良開発公社の吉村さんにアドバイスをもらった。

賃貸住宅建設のタイミングとして「今」の時期は?

一般財団法人 住宅改良開発公社 首都圏本部 副本部長 吉村正弘 さん

プロフィール/1982年住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)入庫。賃貸住宅融資を担当し、近畿・首都圏の支店長を経験。2017年4月住宅改良開発公社へ


吉村 難しいご質問ですが、賃貸事業を「比較的多額の借り入れをして、土地を活用するための事業を行う」と考えるなら「事業環境は非常に良い」と言えます。

といいますのは、歴史的超低金利が続き、おそらく底を打ったと思われた後も非常に低い金利水準でローン金利が安定していることに加え、アベノミクス効果で利便性の良い地域の土地の評価も高まっています。

つまり、金利が低い上に借り入れの担保となる土地の評価が上がり、金融機関が融資しやすくなっているのです。

不動産賃貸事業では、投資利回りを基準に事業を判断します。例えば1億円の建築費で建てた賃貸住宅で、家賃などの収入が700万円の場合、投資利回りは7%と考えます。

しかし、全額自己資金で賃貸経営を行うケースは普通ありませんので実際の収益はここからローン金利を差し引くことになります。

この投資利回りと借入金利(長期金利)の差をイールドギャップと言いますが、現在のような低金利時には、イールドギャップが取りやすい(=収益性が高い)環境であると言えるでしょう。

アパートローンは固定か変動、どちらを選べばいいですか?

吉村 やはり、低金利の時代には、将来の金利上昇リスクを避けるために長期固定金利型を選択することがセオリーだと思います。賃貸住宅建築のための借り入れは億単位になることもありますから、金利が1%でも上昇したら大変な返済額の増加になります。

金利が変わると返済総額がこんなに違う

【シュミレーション条件】◉借入金1億円◉返済期間35年◉元利均等返済毎月払い・35年固定金利型

当公社が保証して提供される住宅金融支援機構の賃貸融資では35年返済で当初15年間の固定金利期間を設定したタイプで一番金利の低い条件のものが0.89%(2月参考金利)です。

しかし米国が順調に金融緩和の出口に進み日米の金利差が拡大傾向にある中、これほどの低金利がいつまで続くかはわかりません。個人的な考えですが、2、3年後に2%くらいに上がる可能性はあると思います。

消費税率の引き上げも来年10月に近づき、消費税8%で建設するためには、前回の引き上げ時と同様の経過措置が行なわれるとすれば来年3月までに請負契約を締結しなければなりません。

ですから、金利が上がり始める前にご決断されることは、消費税対策としても有効と言えます。

15年固定商品・35年固定商品の2つの金利メニューを用意。借り入れ時に返済額が一定に確定するので、長期的視点で安定的な賃貸経営計画が立てやすくなる(2018年2月参考金利)

最近、空室増加の記事がマスコミで取り上げられていますが?

吉村 空室については、立地が悪かったり維持管理が難しい老朽物件などでは、昔から言われている賃貸経営の大きなリスクです。

しかし全国一律の問題ではありません。また、人口減社会、少子高齢化社会の問題が、直ちに現在の空家に影響しているとも考えていません。住宅が余っていると言っても、高度成長期に建築され老朽化して現在の生活水準では利用に耐えられないものも多く、人口は減っても世帯数はまだ減少に転じていない状況です。

また、持家政策に重点を置いていた日本でも、年功序列型の賃金や終身雇用、不動産価額の右肩上がりの神話が崩れた中で、収益を産まないマイホームを長期の住宅ローンで手に入れることは大きなリスクであるとの声も増えています。

ですから、老後は相続する実家で暮らすが現役時代は賃貸で暮らすとか、子供はつくらないので都心の利便性の高い賃貸住宅に夫婦で住みたい、などさまざまな賃貸住宅のニーズは、時代の変化とともに今後も出てくるものと考えています。

また、地価と比べると家賃は変動が少なく、特に下方硬直性が強い(あまり下がらない傾向がある)と言われています。地価はデフレ時には大幅に下落することもありますが、デフレに強い賃貸経営はビジネスモデルとしても今後も有望だと思います。

※出典:統計局-消費者物価指数(CPI)、市街地価格指数より編集

今後賃貸経営を行うにあたって大切なポイントは?

吉村 もちろん人口減少社会では、しっかりとした収益性に裏付けられた事業計画やニーズに的確に対応したプランニング、そして余裕を持った資金計画などが求められます。オーナーの方も事業者任せにせず、自ら市場調査する等の努力が必要になってくるでしょう。

当公社では、オーナーの方々のためにご融資させていただく立場から立地や規模などに関してもアドバイスできる相談窓口・水道橋受付センターを開設しています。営業提案に対するセカンドオピニオン的にご利用いただいて構いませんから、ぜひお役立てください。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年3月6日時点の情報です。

取材・文/木村 元紀

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