【投資初心者は必見】不動産投資の成功は“場所”で決まる!?投資家が本音で答えた立地の選び方

投資用物件を選ぶときに、考えるべき条件は多くあります。その中でも“立地”は特に重要ですが、実際に不動産投資を経験した人は立地を選ぶときに、どんな点に注目しているのでしょうか。(株)AlbaLinkが実施した、不動産投資に関心がある400人を対象とした「不動産投資をする際、立地条件で重視する点についてのアンケート」から見ていきましょう。
投資家の6割超が重視!「交通の便」が圧倒的に選ばれる理由とは?
不動産投資で重視する立地条件 n=400(複数回答)上位7位 | ||
順位 | 条件 | 回答率 |
1位 | 交通の便がいい | 64.8% |
2位 | 人口が増加している | 16.3% |
3位 | 商業施設に近い | 14.3% |
4位 | 今後の開発が見込まれる | 12.5% |
5位 | 学校に近い | 5.0% |
6位 | 都市部である | 4.8% |
7位 | 医療機関に近い | 4.0% |
1位は他の回答に圧倒的な差をつけて「交通の便がいい」(64.8%)という結果となりました。交通の利便性を最も重視する背景には、やはり入居者の集まりやすさがあります。
駅に近いことはもちろん、急行や快速電車が停車する駅であるといった要素は、通勤するにしても通学するにしても、どの世代にとっても魅力的に映ります。
また、駅や路線は基本的に変動が少ないため、たとえ築古物件でも「駅から近い」という優位性や価値は、そう簡単には失われません。
交通の便が良いということは、不動産投資家にとって家賃収入の面において効率が良いだけではなく、安定的かつ継続的に入居者を確保するための「保険・安心材料」のような役割をあわせ持っていると言えます。
人口増加エリアが狙い目?“将来性”で選ぶ立地戦略

2位には「人口が増加している」(16.3%)がランキング。この回答を選んだ人は「将来的な資産価値の維持」や「売却益の上積み」という理由を挙げていました。
人口が継続して増えていくエリアでは、「将来この近くで物件を購入するかもしれない」などの理由を背景に、住宅需要が下がりにくいというメリットがあり、賃貸物件の入居者も確保しやすくなります。
さらに、すでに人口が多く物件価格が上がっている場所には、予算が理由で手を出せないものの、今後人口が増えそうな場所なら挑戦できるのではないか、という理由も挙げられていました。
スーパーやドラッグストアがカギ?生活利便性が選ばれる理由
3位は14.3%で「商業施設に近い」でした。スーパーやドラッグストア、ファミリーレストランといった日常的な買い物や利用ができる商業施設が、徒歩や自転車が利用できる圏内にある物件は、世代に関係なく入居者に選ばれやすくなります。
さらに、駅と住まいとの間に日用品や食料品を買える環境の物件は、単身者からファミリーに関わらず幅広い層に支持されます。
「自分自身が商業施設の近さで物件を選ぶから」と、生活者の目線や動線で見て魅力的な条件だと考える人が多いという結果にも納得です。
再開発エリアは“伸びしろ”の宝庫?未来を読む立地選び

「今後の開発が見込まれる」(12.5%)が4位にランクイン。資産価値の上昇および下落リスクの回避を意識している人が、将来の開発計画を注視することが大きな理由です。
交通や商業施設などの生活インフラの開発・再開発が予定される地域では、人口流入にともなう住宅需要の拡大が見込めます。すると長期にわたって値上がりを期待できますし、資産価値も下がりにくくなると考えられます。
逆に、開発・再開発の予定がない地域では、少子高齢化による人口減少の影響を受けやすく、資産が目減りするリスクも覚悟しておかなければなりません。
路線の延伸や新駅の開業、大学等の新学部開設といった、人口増加のきっかけとなる開発計画の確認方法としては「国や自治体の発表を確認する」「地元の不動産会社などに聞いてみる」などがあります。情報感度を高め、先回りして動けるようにしましょう。
学生ニーズがポイント!学校近くの物件が安定する理由
ここから比率が少なくなりますが、5位は「学校に近い」(5.0%)。近隣に大学や専門学校あると学生の利用、小中学校が近いとファミリー層の入居を見込めます。学校の近くの立地を選ぶことで、特定のターゲット層を安定的かつ比較的長期にわたって確保できる可能性が高まります。
例えば大学や専門学校が近くにあれば、廃校にでもならない限り入居者の入れ替わりはあってもニーズは途切れにくくなります。
また「小学校入学後は転校などで子どもの環境をかえさせたくない」「自分も友達と離れてしまった経験があり嫌だった」と考える保護者も多く、小中学校が近いと比較的長期間にわたっての居住も見込めます。
やっぱり都市部が安心?空室リスクを抑える王道エリア
6位は「都市部である」(4.8%)という結果に。都市部には何と言っても人口が集中しています。人が多ければ当然ながら住宅の需要も高まるので、「人口が少ない郊外エリアよりもニーズが大きい」「需要が途切れにくい」といった都市部ならではの優位性があり、結果、空室リスクも低く抑えられます。
また東京23区などの大都市部では、資産価値が下がりにくく、むしろ上昇の可能性が高いのもメリット。その分、物件の取得にかかるコストは高いものの、「資産価値が守られやすく、需要が安定している」という信頼感を得られるのも魅力です。
小児科・総合病院が近いと安心?医療施設が選ばれる理由
7位にランクインしたのは「医療機関に近い」(4.0%)です。医療機関の近さは、子育て世帯やシニア層にとって、とくに安心して暮らせる条件のひとつです。
「ファミリー向け物件なら小児科が近い」「シニア向けならかかりつけにできる内科や、救急対応できる大規模病院が近い」など、周辺の医療機関にあわせて物件のチョイスや住宅設備を取り入れれば、近隣の競合へ差別化を図ることも可能です。
住みやすい環境を整えることが、入居者の確保や売却時の価値低下の防止につながると考えてる人も最近では多くなりました。
立地だけじゃない!築年数・価格・利回り…投資家が見る次の条件
不動産投資で立地以外で重視する条件 n=400(複数回答)上位7位 | ||
順位 | 条件 | 回答率 |
1位 | 築年数 | 38.0% |
2位 | 物件価格 | 33.8% |
3位 | 利回り | 26.8% |
4位 | 建物の状態 | 8.3% |
5位 | 間取り | 5.0% |
6位 | 住宅性能 | 3.8% |
7位 | 管理コスト | 3.0% |
全体的にリスクを抑え、安心で継続的な不動産投資を可能としたいという傾向が強い結果になりました。特に築年数は「耐震性」「修繕・管理コストの増大」といったリスクと直結するため、可能な限り新しい物件を求める傾向が目立ちました。
物件価格や利回りについても、無理をして高価格の物件を購入してしまうと、想定外のリスクが表面化した場合、許容できないほどの大きなダメージを負いかねません。
上記のように不動産投資は投資金額が大きくなるため、「失敗したくない」という不安が大きくなりやすく、その反動的に堅実性が重視される傾向にあります。ローン返済や生活への影響を想像すれば、リスク回避に考えをめぐらすのは当然です。
利回りについても、「将来的な下振れリスクも考慮して計画を立てたい」など、慎重な姿勢が見られました。他に、フリーコメントとして以下のような声が上がっています。(抜粋)
・築年数と建物の管理状態です。新耐震基準を満たしていることはもちろん、長期修繕計画が適切に立てられ、実行されているかを確認します(30代 男性)
・修繕実績。共有スペースの清潔度や管理具合。自転車置き場の台数と管理状態(50代 男性)
・マンションであれば築20年以内であること。ファミリー対象であれば最低2LDKかつ70平米以上の物件(60代以上 男性)
全体的には、短期的で大きなリターンを求めるのではなく、堅実性や安心感を重んじるローリスクの傾向が浮かび上がる結果となりました。
数字の裏にある“暮らしのリアル”に目を向け、入居者に選ばれる立地と物件を見極める力が、今後の投資成功のカギを握っていくのではないでしょうか。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2025年10月21日時点のものです。
取材・文/御坂 真琴
ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。