あらためて見直そう「賃貸管理」入門
- 管理会社(入居者管理)
- 仲介・入居者募集
- 建物管理
「選ばれる物件」になるか、「選ばれない物件」になるか、
その分かれ道は賃貸管理にあり――。
入居者は、思った以上に「管理の質」で物件を選別していることをご存じだろうか。
「管理力」を高めることが、これからの大家には必要だ。
いま、あらためて見直してみてほしい。
管理次第で収益性に差「管理力」を高めよう
空室期間が長引いている中、「管理会社がやってくれているはず」「管理会社に不満を持ちながらも、委託を続けている」「自分なりに管理できている」というオーナーが少なくない。今は傷が浅くても、漫然と管理をしているだけでは大変なことになるかも知れない。
物件の条件は悪くないのに退去が頻発する・空室が埋まらないとしたら、入居者が不満を募らせている証拠だ。入居者が感じる管理に対する不満の上位は「建物の清掃手入れが不充分」「トラブル発生時の対応が遅い」「修繕などが発生しても対応してくれない」。そもそもオーナーや管理会社の対応が不明確という入居者も多い(国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」2019 年12月)。
一方、管理の質が高ければ、入居者は住み心地が良いと感じて長く住んでくれたり、次の入居者をスムーズに獲得できたり、満室経営を維持できる。つまり、管理の質が収益性に直結するようになってきたわけだ。
では管理の質は何によって左右されるのか。管理会社を選ぶ力であり、管理会社を動かす力であり、自ら管理を行っていく力だ。これらを総合した「管理力」を高めることが不可欠といえる。今一度、物件の管理がきちんとできているか見直してみよう。そして管理にかかわる知識とノウハウを蓄え、足腰の強い賃貸経営を目指そう。
データでみる日本の大家さんの「賃貸管理」
管理の最適化を目指す管理業界の最新動向
時代のニーズに応えるため、賃貸管理業界も日々進化。不動産テックを活用して入居者の不満や不安を解消したり、空室対策や管理業務を効率化するサービスなど、多彩なメニューが登場している。
たとえば、入居者がスマホを使ってチャット形式で管理会社に問い合わせできるアプリ、オーナー向けの設備メンテナンスや原状回復の費用負担を軽減する保証サービス、ITを活用した高齢者の見守りサービスなどがある。
自主管理オーナーは、管理負担軽減や合理化につながる。委託管理の場合も管理会社の業務効率化により入居率アップ策への注力が期待できるだろう。
このような収益アップにつながる賃貸管理業界の最新動向を見逃さないようにしたいものだ。
※この記事内のデータ、数値などに関しては2020年3月4日時点の情報です。
文/木村 元紀、イラスト/平井 きわ