入居率UPの鍵!初めて管理会社を変える時の手順
賃貸経営の鍵となる管理会社選び。管理会社を能動的に選ぶオーナーは少なく、管理会社を見直すことのないまま収益を悪化させているケースも少なくありません。「新しい管理会社へ変更時、どんな手順で何をすればいいの?」「見積もりを比較するの際の注意点は?」「どんな管理会社を選べばいい?」など、管理会社を変更したい大家さんの気になるポイントをまとめました。
管理会社を変える際に確認する6つの手順
オーナー業務には、日頃から管理会社の働きをチェックすることも大切。「今の管理会社の対応がイマイチ…」と不満に思う場合には、新しい管理会社への変更を検討する必要もあります。通常、管理会社を変更するときは、以下の6つの手順で行われますので、確認しておきましょう。
- 1)現在の管理会社の契約条項を確認
- 2)管理会社を複数(3~4社程度)選び、見積もり・比較検討
- 3)管理受託契約書を入念にチェックし、契約
- 4)現在の管理会社を解約
- 5)入居者に通知
- 6)新しい管理会社へ移行
1)現在の管理会社の契約条項を確認
まずは、現在の管理会社の解約の条件や手続き方法を確認しましょう。あらかじめ決められている解約の流れにしたがって解約の手続きを進めていくことになります。
2)見積もり・比較検討
候補となる管理会社を複数(3~4社程度)選びます。そして各会社へ連絡し、管理内容や金額について打ち合わせを行います。何度か面談した上で、見積書をとります。じっくりと比較検討し、1社に決定します。
3)管理受託契約書を入念にチェックし、契約
管理委託契約を結びます。事前に書面をもらい、内容を入念にチェックします。契約書は十分に理解して契約することが必須です。不利な内容でないか、契約解除の条件は妥当かなど、弁護士等にチェックしてもらうとより安心でしょう。
4)現在の管理会社を解約
解約手続きにしたがって、現在の管理会社を解約します。口頭で解約できる場合もありますが、トラブル回避のために書面で通知しましょう。
5)入居者に通知
オーナーと新しい管理会社の連名で、「管理会社と家賃振込先の変更の通知」を入居者に出します。
6)新しい管理会社へ移行
早ければ、1カ月ほどで新しい管理会社移行できますが、余裕をもってスケジュールを組みましょう。新築の場合は、入居者募集の開始が遅れる可能性があるため、遅くとも竣工の約2カ月前までに管理会社を決める必要があります。
他にも、管理会社を変更するときの段取りについてチェックしておいてほしいポイントがいくつかあります。管理会社の変え方の段取りについては、こちらの記事をご覧ください。
管理会社との面談前が肝心!自身の希望を確認しておこう
新しい管理会社の面談前には、自身の希望を固めておくことが大切です。現在のマンション・アパートの状況など、物件の現状を確認し、どういう管理をしてもらいたいのかを明確にする必要があります。主に以下の2点を丁寧に確認していき、必要であれば書類を用意しておきましょう。
- 1)管理を委託する物件や入居者の状況
- 2)委託したい管理の内容
1)管理を委託する物件や入居者の状況
建築当初はどんな建物だったのか、これまでどのように改修したことがあるのか、問題点はあるか、などを委託先に説明できるようにしておきましょう。建築時と改修時の図面や資料は必ず用意する必要があります。
また、現在どの程度空室があるのかや、入居者属性なども把握すべきです。入居者の年齢層、単身者が多いのかファミリー層が多いのかなど、入居者属性がわかる資料も作成しておきましょう。自主管理から委託へ切り替えたい場合は、入居者との賃貸契約書も事前にまとめておきましょう。
2)委託したい管理の内容
自分がしてもらいたい管理とはどういうものか、何をどこまで委託したいのか、、何を優先したいのか、という自分の希望を明確にしておきましょう。
見積もりを比較検討する際の注意点
見積もりを比較検討する際は、さまざまな視点から考えることが必要です。注意点は、大きく以下の3つ。
- 1)条件設定を統一して、共通する管理内容を比較する
- 2)管理受託契約書に記載された条件をしっかりと確認する
- 3)大手管理会社と地元の中小管理会社の両方を検討する
1)条件設定を統一して、共通する管理内容を比較する
契約書の管理業務の内訳には単価表示がないので、価格が比較しにくく、どの管理会社が良いのかがわかりません。そのような場合は、管理内容を比較する際は条件設定を統一し、共通項目を比較しましょう。基本的な業務は、どこの管理会社も同じです。たとえば、清掃や点検の場合は「どの箇所をどのくらいの頻度で行うか」など、面談時に詳細な確認をし、各社の条件を統一してから検討します。
また、管理業務一式をパッケージで委託する以外に、個別業務ごとにアウトソーシングして、経費を削減するという方法もあります。自主管理オーナーの方は、こうしたサービスを取り入れるという方法もいいでしょう。
2)管理受託契約書に記載された条件をしっかりと確認
管理受託契約書に記載された条件を確認することも必要です。中途解約の条件では、高額な違約金の設定がないか必ず確認しておきましょう。オーナー側からは解約ができないサブリース契約を提案している会社もあるので、注意が必要です。
また、管理の業務範囲を把握し、毎月の管理費以外にかかる手数料や費用の有無の確認も必要です。他に確認したいのは、急なトラブルで承諾なしに対応する工事金額の上限。高額なら変更も検討しましょう。
家賃の滞納保証が付いているかも重要です。現在の管理会社との解約すると同時に、滞納保証も終了してしまうので、新会社で引き受けてもらえるかの確認が必要です。
3)大手管理会社と地元の中小管理会社の両方を比較検討
大手管理会社と地元の中小管理会社の両方を比較検討することも重要。知名度があり財務体質が良い大手を選ぶのか、きめ細やかなサービスが期待できる地元の会社を選ぶのか、悩んでしまうこともあるでしょう。どちらを選ぶかは、自分が何を優先したいかによってかわります。どのような会社を選ぶにしても、物件の近場に管理会社の拠点があることが必須条件となります。