写真を整理すると人生も整理できる!「写真整理」ではじめる終活
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見返すこともなく、眠っている大量の写真やアルバム。写真を整理することで、家族のコミュニケーションが生まれ、幸せな人生を実感できるなどの効果が!終活のスタートとしてもおすすめの「写真整理」をご紹介しよう。
日本IBMを退社後、横浜市内でパソコン教室講師を務める。2015年に写真整理アドバイザーの資格制度を創設後、(一社)写真整理協会 代表理事に就任。
家族への思いやりに繋がる「写真整理」という終活
近年、終活が注目されている。
「なにをすればいいか分からない」、「まだまだ自分には先のこと」と思っている方も多いのではないだろうか。「写真整理こそ、日本人にあった終活といえます」と語るのは、写真整理協会代表理事の浅川さんだ。
テレビCMなどの影響なのか、写真を撮ることを好む日本人。「残しておけば安心」と大量の写真やアルバムをそのまま保管するものの、見返すこともなく放置したままの人も多いという。
「写真・アルバムを整理しておくこと、つまり『写真整理』を行うことは、自分が生きた証をきちんとした形で次世代に伝える手段になるのです」と浅川さん。
また、万が一の際に、残された家族が困るのが「写真の処分」であるという。
「故人の家族・友達が写っている写真は、心理的に処分しにくいと感じる方が多いようです。ご自身の体力があるうちに、写真を整理しておくことは、ご家族への思いやりになります。
人生の軌跡が鮮やかに甦り、ご家族の歴史を物語る資料としても大切な写真。承継していくためにも、見やすくコンパクトな形にして残しましょう」
過去の自分を見返すことで自己肯定感が高まる
写真整理をすることで得られるメリットや効果は、これだけではない。自分の人生を振り返り、幸せだったことに気づかせてくれる、良い機会にもなる。
「歳を重ねて体力や気力が衰えると、『若い頃と比べて……』、『時代に取り残されてしまっているのではないか』と考えてしまい、自己評価を下げてしまう傾向にあるシニアの方もいらっしゃいます。
ですが、写真に写る笑顔の自分や、青春時代を謳歌する姿・仕事に励む姿を見返しているうちに、『幸せな人生を歩めていたと感じることができた』『自分なりに頑張ってきたなあ』、『いろんな人との出会いがあったな』といった気づきが得られます。自己肯定感が高まることで、自信を取り戻す方が多いですね」と浅川さん。
また、家族と一緒に写真整理に取り組めば、コミュニケーションも深まる時間になる。
「思い出話や、この人はだれ?などと会話をしながら写真を選んでみましょう。我が家の歴史を語り合う、楽しい時間になります」
浅川さんいわく、相続で揉めていた兄弟が一緒に写真整理するうちに、温かい思い出が甦り、わだかまりが溶けた例もあったという。
写真整理は片付くだけじゃない!人生の振り返りなど嬉しい効果も
自分の人生が幸せだったと初めて実感しました
自分が写った写真を見ると、笑顔が多いことに気づきました!「楽しい経験もたくさんして、良人生を送ってきたな」と幸せな気分になりました。
家族との会話がはずむ、楽しい時間を過ごせました
子どもや孫と一緒に残す写真を選んでいたら、「ここはどこなの?」「この人は誰?」と聞かれ、会話が弾んで楽しかったです。
自分を肯定できて、自信を取り戻すことができました
歳をとるにつれて人生を後悔しがちでしたが、写真を見て「けっこう頑張ってきたじゃないか」と自信を取り戻すことができました。
揉めていた兄弟と心が通い合い、雪解けすることができました
相続の件で弟と揉めていましたが、幼い頃の写真を一緒に見返すうちに仲が良かった時代を思い出し、わだかまりがきれいに溶けました。
デジタル化やミニアルバムに!現在の写真を撮ることも大切
浅川さんに上手な写真整理のコツを伺った。まずは、写真枚数を減らしたいのか、それとも大量の写真をそのまま残したいのか、自分のタイプを見極めよう。
「すべて残したい方は、デジタル化がおすすめ」と浅川さん。ただし、SDカードなどの記録メディアは経年劣化するので、5年ごとに新たな記録メディアへ移し替えることをおすすめしたい。
大事な写真だけを、紙のまま残したい人は、時系列で大まかに分類してから、取捨選択を。「必要な写真だけをピックアップするのがコツ。また、ご自身と関係の深い人が写った写真を優先して選びましょう」とのこと。
スペースに悩まされる昔ながらの分厚く、重いアルバムは、薄いアルバムに移し替えるだけでもコンパクトに。結婚式などの記念写真などは、台紙を外すだけでもいい。スマホで撮影した写真も、すぐ見返すことができるように、お気に入り登録がおすすめだ。
こんな時はどうする?タイプ別カンタン写真整理術
専門業者に頼んでデジタル化しよう。スキャナーがあれば自分でも可能。膨大な写真がSDカード一枚に収まる。
風景ではなく、「人」をメインに選ぶのがコツ。自分と関係の深い大切な人が写っているものだけを残そう。
お気に入りの写真は「お気に入り登録」をしたり、フォルダを作るなど、すぐ見返すことができるようにしよう。
軽くて薄いアルバムに移し替えるのが最も簡単。結婚式などの台紙付き写真も、台紙を外せば省スペースに。
未来のために現在の自分の写真を残しておくことも忘れずに。定期的に写真スタジオで撮ってもらうのがベスト。近年の写真が無かったことで、運転免許証の写真を遺影に使用した、ということもあったそう。家族への思いやりとして、写真整理と併せて行おう。
さらに賃貸経営に邁進してきたメモリーとして、所有物件の写真を撮り残しておくこともオーナーズ・スタイル読者にはおすすめしたい。
取材・文/菱沼晶 イラスト/まえじまふみえ
この記事内のデータ、数値などは2021年3月5日時点の情報です。
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