「アパート経営あり」きからスタートしない相続税対策

「相続税対策において、新たにアパートを建設することは大変有効な手段ではありますが、唯一の回答というわけではありません」

一度アパートを建てれば少なくとも30年以上に及ぶ長期的な経営がスタートするため、例えば売却や定期借地など、その他の方法も十分考慮した上で慎重に取り組む必要があるという。

同社では、相談が寄せられた場合、まず正確に現状を把握するため様々な資産活用方法を想定した相続税の試算を行う。その上で、アパートありきではなく、一人ひとり異なるケースに応じてあらゆる可能性を検討し、最適な方法を選択。土地活用のコンサルタントとしてベストアンサーを提案していくのだ。

ヨーロッパの街をイメージした建物で人気を集める「リーブルシャンブレット」（岡崎市牧御堂町、前ページの事例１）の場合も、相続税対策がきっかけ。資産管理を専門とするプロパティマネージャーと連携して検討を重ねた結果、土地の一部にアパートを建設することが節税効果として有効であるとオーナーにプレゼンテーションした。

所有する土地全てにアパートを建てるのではなく、資産のバランスを見て事業用定期借地や売却用地を残すという答えは、オーナーにとって想定外。しかし、確かな裏付けに基づいた総合的な提案は、大きな信頼獲得につながった。

【事例３】味わい深いエイジング加工を施したリゾート風アパート

アジアンリゾートのような佇まいは、多くの人々の視線を集めるとともに、入居者の心を惹きつけている

エイジング加工された壁面は、まるで映画に登場しそうな景色

共有部分の素材、植栽計画なども雰囲気づくりに一役買っている

市場動向から導いたプランで、空室待ちが出るアパートを実現

名古屋や豊田のベッドタウン、愛知県日進市米野木に完成した「カーサ ピッコロ」は10社以上の競合を勝ち抜いて同社が手がけたアパートだ。

決め手となったのは徹底した市場調査と、それに基づく企画力だった。事前調査によると、他社のプランは大半が2LDK主体。しかし、周辺の物件2000室ものデータを分析した結果見えてきたのは、2LDKの供給過剰という実態だったのだ。

単身や新婚世帯が多いことも考慮すると、部屋数を減らし、その分広さを確保した1LDKプランが有効と考えて提案。実状に即したプランが受け入れられた。

早い時期からオーナーもプロジェクトチームに参加して、コンセプトづくりを進めた結果、形にしたのは日々の喧噪から解放されるオアシスのような空間。メゾネットタイプの11戸は、事前調査通り単身、新婚世帯の入居者で満室となり、築後5年の現在でも空室待ちが出るほどの人気を維持している。

建物をデザインするのではなく、オーナーがあたためてきた夢や、思い描く心地よさ、つまり『夢ごこちのデザイン』を企業テーマとしている同社。その実力を実感するのは、やはり本物を見ることが一番の近道だ。問い合わせのうえ、モデルルーム見学会などに参加してみることをおすすめする。

居室にもこだわり、住みやすさ・心地よさを追求

室内とつながったバルコニーは、セカンドリビングのよう

入居者層を考慮し、独立した子ども部屋を設定

シンプルながら、壁などの色づかいが人気を集める

階段からロフトタイプの階上へ。開放感ある室内はメゾネットタイプならでは

※この記事内のデータ、数値などに関しては2016年2月3日時点の情報です。
取材・文／アトリエあふろ（椋木 敬子）

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