築30年のアパートを再生!築古物件を満室にするために必要なこととは?空室対策のプロが伝授します
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築30年近くの、どこにでもある普通の築古アパート。お金をあまりかけずに、空室をなんとかしたい。無理?できるんです! やることはシンプル、でも緻密な計画で、空室の続いていた築古物件でも費用対効果の高い満室化を実現した現場に密着。その極意を一挙公開します!
今回の改修プロジェクトを振り返り、改めてポイントを整理してみましょう。収益改善・満室化に向けて行われたリアルな施策の数々。その全体像から、築古物件を満室にする極意を導き出します。
株式会社市萬
南部美穂さん(左) 山之内玲子さん(右)
いくら築古物件でもやりすぎは禁物。コストバランスを鑑みた施策を
築古物件の改修でもっとも重要なのは、建物外周りの美観です。「住むのは部屋だから、室内だけきれいにすればいい」という発想は禁物。築年数にこだわらない入居者は、インターネットで外観写真を見て問い合わせ、現地でも建物をチェックします。
今回の募集に対する反響も「築年数ではじかれるのか、問い合わせ件数は少なかったですが、内見まで行くと成約率が高かった」と南部さん。第一印象がカギを握ることを、改めて実感しました。
室内は「明るさと清潔感」が大切だ。最新設備や流行りのデザインを採り入れれば決まるわけではありません。
「この設備、この壁紙で、と品番まで指定されるオーナーさんもいらっしゃいます。勉強熱心なのは良いのですが、逆に “トゥーマッチ(やりすぎ)”になってコストがかさむ割に、入居者には特に響かないことも。
あまり盛り沢山にすると、好き嫌いの差が出て選り好みされやすいんです。むしろ完成品の一歩手前で、入居者さんが自分のスタイルで住みこなせると思い描ける状態に留めるといいですね」(山之内さん)
プラス要素を加えるより、まずマイナス要素を削ることが肝要と言えます。もちろん節約志向でケチケチしすぎるのも好ましくありません。
「ある程度はコストをかけないと決まらないラインはあります。コストの掛け過ぎも問題ですが、掛けないのも問題。賃料とのバランスを考えて、適切な場所に、適正なお金をかけることが大事です」(南部さん)
築古物件を「あと何年もたせたい」か。オーナーの意思も明確に
どんな改修プランを採用するか、最終的にはオーナーの決断次第です。
「早急に対処すべき空室対策のプランは、ある程度まで任せていただいたほうが、収支バランスや募集のタイミングを外さずに進められます。
ただ、中長期的に物件をどうしたいかというオーナーさんの意思も大事です。先の計画によって提案する内容も変わりますし、先を見据えて動くことで余計なお金をかけることも避けられます」(南部さん)
皆さんも、この記事を参考にぜひ取り組んでみてください。
築古物件でもあきらめないで!満室化の極意
写真も現地も建物正面の外観が最重要。第一印象で、入居者が決めるか否かの判断も分かれます。
手をかけていないなら、プラスの前にまずはマイナス部分をゼロにする発想を。「やりすぎ」はかえって逆効果。全体のバランスが大事です。
あふれる情報に振り回されず、実績豊富で現場感覚の鋭いプロに頼るのも、賃貸経営者の手腕の一つです。
※取材・文/木村 元紀
※この記事内のデータ、数値などに関しては2021年9月9日時点の情報です。