特徴のない築古アパートを満室物件に再生!何をした?改修プランとリフォーム費用を大公開!
- 清掃(共用部)
- 大規模修繕(外壁・屋根)
- 修繕・補修
- リフォーム・リノベーション
- 原状回復
築30年近くで居室も古さが残り、これといった特徴もない築古アパートを満室物件に再生!実際にプロが提案した、入居希望者を逃さないための改修プラン、費用・見積もりを大公開します。
現地調査では、第一印象を左右する外周りに多くの難点が発覚しました。居室も古さが残り、これといった特徴もありません。入居希望者を逃さないために練った、プロが提案する改修プランとは?
株式会社市萬
南部美穂さん(左) 山之内玲子さん(右)
築古物件でも“決まる物件”に変えるプランのポイントは?
改修プランの成否の判断は、大家さんの意向にも左右されます。今回の大家さんは「10年くらい運用して売るか、手を掛けて長めに所有するか」と少し迷いがありました。
そこで、市萬では両建ての戦略として「長期保有に欠かせない大規模修繕」と「空室対策に必須」を合わせたプランを提案。見積もりと収支計画を検討した結果、外壁塗装まで実施するのは資金的に厳しいため、まずは空室を埋めて収益を改善し、5年後を目途に大規模修繕を検討する方針に決定しました。
「空室対策に必須」なプランのキモは、「昔のままの古くさいアパート感」から脱すること。
「築年が古いから入居が決まらないわけではありません。工夫次第で“決まる物件”に変えられます。もちろん収支改善が前提ですから、コストを掛けるところ節約するところの見極めが大切です」と南部さん。
「古いからどうせ変わらない」と物件に手を掛けていないなら、まずは動くことが大切です。
「整備を怠っていた部分に手を入れれば、築古物件であってもイメージは一気に変わります」(山之内さん)
【建物・共用部の改修】提案のポイントと見積もりを特別公開!
提案のポイント
建物の外周りで第一印象を左右する要素に焦点をあてます。鉄部のサビや塗装の剥げ、破損、汚れは心象が悪いため、塗れる箇所は塗り、破損個所を補修し、高圧洗浄を掛け、見た目をきれいにしてイメージアップ。
賃貸住宅への入居希望者が特に気にするのは、物件の顔ともいえるエントランス周り。正面から見えるゴミ置き場と集合ポストが重要です。ここは多少のコストをかけてでも、新しいものに変えてイメージ刷新を図りたいところ。
家賃帯を考えて既存設備の3点ユニット、ミニキッチンは入れ替えずにクリーニングと補修で対応。シャワーホース、ロフト用梯子、スイッチや、コンセントプレートなど、古くささや汚れが目立つ部品を交換しています。
費用の詳細を全公開!見積もりと実施内容のポイント
あれこれ盛り沢山にしすぎないことが大切です。新しいアイテムは室内物干しくらい。あとは、古くささや不潔感が出る部品を交換。無駄を省いた部分貼り替え、塗装箇所の見極めなどでメリハリをつけます。
外壁塗装まで含めると金額が張ってしまうため、空室を埋めるために必須の部分を優先。通路などの劣化した防水層の更新、ゴミストッカー交換など、印象と機能の両方に影響する部分は外せません。残りは洗浄と塗装を中心に対応しました。
リフォーム総額206万円!建物・共用部で改修したポイントと費用を紹介
外観
ゴミ置き場裏の使いにくかった集合ポストは移動し、階段鉄部の塗装で全体の印象をアップさせました。
工事内容
1.階段鉄部~通路内側塗装(一部足場)
2.PS(パイプスペース)扉他鉄部塗装
金額
1.350,000円
2.200,000円
通路、階段
外階段の踏面のモルタルはくすみ、蹴込みの鉄部は赤サビがびっしり。遮音と滑り止めを兼ねた床材を敷き込み、足場を組まない範囲で鉄部のサビ除去と塗装を行いました。
工事内容
防滑シート工事
金額
500,000円
2階通路、1階通路
吹きさらしの2階通路は、長年の風雨や人の通行で黒ずんでいましたが、歩行用の弾力のあるウレタン防水塗装を施し、手すり内側の鉄部は塗り替えました。
工事内容
1.2階はウレタン防水塗装
2.1階は高圧洗浄
金額
1.150,000円
2.50,000円
ゴミ置き場
中のゴミが見えるメッシュのカゴが置かれただけで、分別ゴミのスペースはありませんでした。そこで、容量の多いゴミストッカーに交換。不要なブロック塀も除去して分別用コンテナを設置しました。
工事内容
ゴミストッカー取替え工事(ダストピットDPUB-800、800リットル)
金額
130,000 円
ポスト
ゴミ置き場裏にあり、使いにくかった集合ポストは、メール便が入るタイプに交換しました。
工事内容
ポスト新設工事(NASTA D-ALL 集合ポスト)
金額
170,000円
原状回復は済んでいたものの、古くささや不潔感を解消しきれていない部分が残り、そこを改善。クリーニングや塗り替え中心で対応し、費用を抑えながら、補修や交換が必要な部分にピンポイントで手を加えました。
クリーニングと最小限の塗装で美観を取り戻すだけでもイメージが一新します。節約できる部分はコストを抑え、必要な設備や部品の交換は思い切って行うのがコツ。中途半端な節約はかえってバランスが悪くなります。たとえば、毎日使うシャワーホースやコンセントプレートが古いままでは汚れや黄ばみが悪目立ちして、せっかく他をきれいにしても不潔な印象になってしまうからです。
続くPart3は空室リフォームプランを編集部がプロデュース!家賃アップを狙う「プラスα」のリフォームを大公開!