築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?

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公開日:2021年9月9日
更新日:2022年11月29日
築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?1

お金をあまりかけずに、空室をなんとかしたい大家さん必見!築30年近くの空室の続いていた築古物件でも費用対効果の高い満室化を実現した現場に密着。まずは第一歩となる現地調査で、プロがどこを見ているのか、ポイントをご紹介します。

家賃も下げず、リノベーションもせず再生!効果抜群の第三の道

築古物件の空室対策を考えるとき、2つの方向性がまず思い浮かびます。家賃の値下げか、コストをかけてリノベーションをするか。しかし、どちらも収支が厳しくなりかねません。第三の道を編集部が探っていたところ、ちょうどよいタイミングで、築古アパートを取得して空室に悩んでいるオーナーの情報が寄せられました。

そこでオーナーに交渉し、新しい管理会社に相談し始める段階から取材をスタート。現地調査に同行し、プラン提案や見積もりの席にも立ち会い、リフォーム実施から、入居者募集、空室が埋まるまでの道のりに密着しました。計画から約半年で満室を達成し、おまけに家賃の値上げまで果たした実録レポートをお届け。見積書も迷わずお見せします。

密着した築古物件がこちら
築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?2

周辺は低層住宅地で、アパート・賃貸マンションも多く、競合も激しいエリア。対象物件は、もともと法人所有で社宅を賃貸化した物件でした。隣に同じ築年で同仕様の整備された建物があり、横並びで見ると余計に古びて見えます。

【物件概要】
所在地/東京都調布市 京王線沿線 駅徒歩2分
築年月/1992年12月(築29年) 階建て/2階建て×16戸
間取り/ワンルーム+ロフト、17㎡ 賃料/48,000円+共益費2,000円

オーナーのFさん
築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?2

購入してまず気になったのは、荒れた印象の外周り。ワンルームの狭い部屋ですが、だからこそ入居者さんが帰ってきた時にホッとできるようなアパートにしたいと思い、築古物件の再生に強い市萬さんに依頼しました。

今回、改善策の提案を依頼したのは、築古物件・満室請負人の呼び声高い不動産コンサルティング会社の市萬。担当したお二人の全面協力を得て、現場のノウハウを惜しみなく公開していただきました。

築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?2

〈満室化の心強いパートナー〉“築古仕事人”のお二人

株式会社市萬
南部美穂さん(左) 山之内玲子さん(右)

現地調査で築古物件の問題点を洗い出し!

現地調査で判明した問題点は、下の写真の通り。いかにも築30年近くを経た古びた物件です。外壁塗り替えなどの大規模修繕も、1回も実施していません。

素人目には、コストがかさみそうと思いがちですが、調査をした南部さんはひるまず「本来やるべき整備をほぼしていないから印象が悪いですが、逆に伸び代が大きいと思いました。お金をかけなくても一定の整備をすれば満室にできると、最初から見えていました」と自信たっぷり。

現地調査で浮き彫りになったポイントは?

赤サビむき出しの鉄部、黒ずんだ通路…手を掛けていない建物状態
築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?2

外階段のステップ周りも汚れが目立ち、鉄部は赤い塗装がされていると思いきや、赤サビで元の色がわからないほど。2 階共用廊下は土かと思うほどの黒ずみが。日常清掃の怠りが伺えます。

一目でわかる乱雑さ。見えないところには置き去りの粗大ゴミも…荒れ放題の共用部
築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?2

許容範囲を超えている中身丸見えのゴミストッカー、ボロボロの集合ポスト、サビついた放置自転車、階段裏には置き去りの粗大ごみ等、手をかけていないことが一瞬でわかる乱雑な状態。

不人気3点ユニット、ミニキッチン…古さはあるが最低限の清潔感もあり
築古物件を満室に再生するための第一歩。プロが行う現地調査のポイントとは?2

3 点ユニットバスは不人気でも絶対NGではありません。ミニキッチンはIH ヒーターに交換済み。原状回復してある室内は最低限の清潔感があります。ただ、焦げ茶色の長押や廻り縁、巾木が古くさい印象。

“築古仕事人”が現地調査で受けた第一印象は?

「第一印象は、古びて汚れた外観。共用部分も日常管理の整備が足りてない様子が一目瞭然。隣に古いなりに手入れされている物件があり、余計に暗さと乱雑さが目立ち、見比べたら決まりにくいと感じました。

室内は、小綺麗ですが、ひと昔前のあか抜けない印象。逆に、ほぼ何も手を入れていない状況だったので、お金をかけてプラスにしなくても、やるべき整備をしてマイナスを減らせば満室にできると思いました」(南部さん)

今回の注目ポイントは2つ。第1に、費用対効果を勘案したリアルな施策になっていること。第2は、空室の1室の改修プランをオーナーズ・スタイル編集部がプロデュースしたこと。具体的なプランと実践の軌跡を、以下の3本の記事で詳しく紹介していきます。

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