【賃貸経営の基礎知識】「原状回復」の基本を知って、退去時のトラブルを防ごう

管理/空室対策
法律
  • その他トラブル
公開日:2022年1月31日
更新日:2022年2月14日
【賃貸経営の基礎知識】「原状回復」の基本を知って、退去時のトラブルを防ごう1

繁忙期、入居者ろのトラブルで多いのが退去時の「原状回復」に関することです。原状回復の基本的な考え方を改めて理解することが、トラブル防止の第一歩となります。

通常使用のキズや自然的な劣化は原則オーナーが負担

「原状回復義務」は、入居者が借りた当初のきれいな状態に戻すことまでは求められていません。通常の住まい方でできたキズや自然的な経年劣化は、原則オーナーが負担することとなっています。

一方、入居者の故意・過失や通常の使用を超えるような使い方で生じた損耗などは、入居者の負担となります。

また通常を超える損耗は、その全額を請求できるわけではありません。備品などは経過年数が考慮され、年数が経つほど入居者の負担割合は減少します。

例えばカーペットの償却年数は6年で残存価値1円になるとされていて、入居者の故意・過失があっても、入居後6年以上経過していれば費用負担は1円となるのです。

費用負担のルールは国交省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で確認できます。予め理解し、トラブル予防につなげましょう。

貸主と借主、それぞれの立場における原状回復の考え方と負担区分

原状回復の基本の考え方
貸主(オーナー)の負担 借主(入居者)の負担
□ 通常の住まい方で発生する損耗等
□ 建物・設備等の自然的な劣化、損耗等
□ 次の入居者確保のために行うもの
□ 手入れを怠ったもの、用法違反
□ 不注意によるもの
□ 通常の使用とは言えないもの
原状回復の負担区分の一般的な例
貸主(オーナー)の負担 借主(入居者)の負担
●浴槽・風呂釜等の取り替え
(破損等はしていない)
水まわり ●手入れが悪かったために付着した、台所の油汚れ、ガスコンロ置き場・換気扇等の油汚れやすす
●掃除・手入れを怠った結果で生じた、風呂・トイレ・洗面所の水あか・カビ等
●テレビ・冷蔵庫等の後部の壁紙の黒ずみ(電気ヤケ)
●壁に貼ったポスターや絵画の跡
●壁等の画鋲・ピン等の穴
●クロスの変色(日照など自然現象によるもの)
壁・クロス ●壁等のくぎ穴・ネジ穴(下地ボードの張り替えが必要な程度のもの)
●結露を放置したことにより拡大したカビやシミ
●取付金具のない天井に直接付けた照明の跡
●フローリングのワックスがけ
●フローリングの色落ち、畳の変色(日照・建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの)
●家具の設置によるへこみ、設置跡
●フローリングの色落ち(不注意で雨が吹き込んで発生したものなど)
●冷蔵庫下のサビ跡
●引越し作業で生じたひっかきキズ
●網戸の張り替え(破損等はしていない)
●全体のハウスクリーニング
その他 ●飼育ペットによる柱等のキズや臭い

※ガイドラインより一部を抜粋
出典:国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

トラブルを未然に防ぐポイント

トラブルを未然に防ぐには、原状回復ルールの理解と「入居前」の物件確認が大切となります。3つのポイントをご紹介します。

原状回復ルールを理解しよう

国交省が発行している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に目を通して、正しく理解しておきましょう。

入居前に物件状況を写真に残す

入居前の室内の状態を部位ごとに撮影し、写真を残しましょう。退去時に通常の使用を超える損耗があるかどうかの判断に役立ちます。

入居前に物件状況をリストで確認

室内の部位ごとに傷の程度を確認し、リストに記録しましょう。入居者・オーナー双方がリストの内容を把握して署名しておくのがおすすめです。

「原状回復にかかるガイドライン」と「物件状況の確認リスト」は国交省のホームページで入手できます。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2022年2月4日時点のものです。

この記事をシェアする

関連する企業レポート

関連するセミナー・イベント

関連する記事