遺言、不動産共有、認知症、遺留分…相続トラブルQ&A

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Q4:母の遺言で唯一の不動産を私が相続しましたが、兄弟姉妹から遺留分を主張されて困っています。

A4:代償金を支払う解決が見込まれますが、支払い方法で協議の余地があるか検討します。

民法は法定相続分の半分を遺言によっても排除されない遺留分としています。唯一の不動産を一人が相続する場合、相続が一人に集中することで他の相続人はわずかな財産しか相続できず、遺留分減殺請求がなされることになります。

遺留分だけ不動産を共有にする方法もありますが、後々のトラブルを回避するために代償金を支払うという解決がよく行われます。

しかし、代償金は相当高額になるケースも少なくなく、だからといって相続財産の維持の見地から売却もできず、結果、売れない不動産を相続した代わりに貯蓄を全て崩し、借金も残ったということになりかねないのです。

このような事情を丁寧に説明し、減額や長期の分割など相続で生活が破綻しないよう交渉をすることになります。

Q5:遺産分割調停で、仲の良い妹の弁護士に自分も依頼をしたかったのですが、断られてしまいました。

A5:相続人間は財産の取り合いという点で利益相反になり得るため、弁護士が依頼を断ることもあります。

トラブルの当初は、財産を独り占めした兄に対し残りの兄弟姉妹が全員で争う構図だったとします。その際、残りの兄弟姉妹がそれぞれ別々の弁護士に依頼することは、費用の面でもったいないとも考えられます。

しかし兄との争いが終わった後、残りの兄弟姉妹間で分割方法が争いとなることもあります。このように、相続人間は、現在は問題が生じていなくても潜在的には利益相反になりうる関係にあります。

一人の弁護士に依頼していた場合、依頼者間に利益相反が顕在化した際はその弁護士は全ての依頼者との関係で依頼を辞任しなければならなくなります。

相続トラブルは、相続人各人が別々の弁護士に依頼するのが原則で、それゆえ弁護士費用の総額が高くなってしまう類型なのです。

Q6:相続により数社の上場株式を取得したのですが、どのように手続きをすればよいですか?

A6:証券会社により異なりますが、相続人全員の実印など煩雑な手続きが求められます。

株式は重要な相続財産ですが、名義書換や換価するのに多くの手続きが発生するため注意が必要です。多くの証券会社では、専用の書式に相続人全員が実印を押印し、印鑑証明の提出が求められます。

ようやく遺産分割協議がまとまったとしても、感情面の対立が残っていると容易に協力してもらえないこともあります。また、相続人全員という場合、代襲相続人にも押印を依頼しなければなりません。普段付き合いのない代襲相続人の住所を探し出して協力を依頼するなど、それなりに大変な準備作業となります。

なお信託銀行と遺言執行の契約をしていた場合でも、信託銀行による遺言執行業務から上場株式に関する手続きが除外されていることも多いと思いますので、ご確認ください。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年6月5日時点の情報です。

イラスト/黒崎 玄

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