孤独死保険の選び方|2つのタイプと4つのポイントを知り孤独死対策を

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孤独死保険とは、孤独死による家賃の損失や居室の原状回復費用など、孤独死によって生じる金銭的損失を補償する保険です。どのような年代の入居者でも孤独死が発生している現状から、孤独死保険の加入を検討する大家さんも増えてきています。

そこで、どの孤独死保険を選べばいいのかわからないという大家さんのために、実際の孤独死保険の内容を参照しながら、孤独死保険の選び方や確認しておくべきポイントを紹介します。「孤独死保険の加入を検討している」、「孤独死保険の違いがよくわからない」という大家さんは、この記事を参考に孤独死保険を選んでみてください。

孤独死保険は大きく分けて2タイプ|家主型と入居者型

孤独死保険には大きく分けて2つの種類があります。一つは賃貸オーナーが加入する家主型、もう一つは入居者が加入する入居者型です。家主型は、死亡事故発生時に損失を補償するもの。一方の入居者型は、入居時に加入する家財保険の特約として、死亡事故への補償も行うというものです。この二つは、被保険者や補償内容などに違いがあり、各保険会社の商品ごとにも違いがあります。

家主型のメリット・デメリット

では、家主型の孤独死保険を選ぶメリット・デメリットはなんでしょうか。

家主型のメリットは、家賃損失がカバーできることです。孤独死により事故物件化した場合、家賃の減額や原状回復のための空室期間が発生します。日本少額短期保険協会が発表する「第4回孤独死現状レポート」によれば、家賃保証費用として支払われた保険金額は32万円程度です。万が一の場合に、これだけの金額が補償されるのは心強いのではないでしょうか。

家主型のデメリットとしては、入居者型と比較した場合に賃貸オーナーの支出が増えることが考えられます。ただ、1戸あたりの保険料は数百円程度です。

入居者型のメリット・デメリット

では、入居者型のメリット・デメリットはなんでしょうか。

入居者型のメリットは、大家さんの保険料負担がないことです。また、入居者が加入する家財保険の特約として契約するため、孤独死以外の災害もカバーできます。

入居者型のデメリットは、家賃損失が補償内容に含まれていないことです。そのため、孤独死による家賃減額や空室期間の家賃損失はカバーできません。また、保険契約者が入居者のため、原則として原状回復後の保険請求は入居者の相続人が行うことになります。もし相続人がいない場合には保険金の支払いがされません。大家さんや管理会社が保険金の請求を行える特約があるかどうかはチェックしておきたいポイントです。

ここをチェック! 孤独死対応保険の選び方

大きく分けて2つの種類がある孤独死保険ですが、提供している会社は20社を超えます。そのため、各保険会社によって保険に細かな違いがあります。ここでは、孤独死対策サミット2019に登壇されていた、アイアル少額短期保険株式会社の「無縁社会のお守り」(家主型)、株式会社あそしあ少額短期保険の「大家の味方」(家主型)、東京海上ミレア少額短期保険株式会社の「お部屋の保険ワイド」(入居者型)と、3社の孤独死保険を例として選び方のポイントを紹介します。

【選び方1】孤独死以外もOK? 補償範囲をチェック!

保険によって補償される範囲に違いがあります。先ほど紹介した通り、入居者型の場合は家財保険の特約です。そのため、火災や落雷、風災、水災など、孤独死以外の事由による損害もカバーできます。さらに、家主型であっても「大家の味方」は火災や落雷、水災などの自然災害によってリフォームなどが必要になった場合、復旧期間中の家賃収入の損失を補償してくれます。

また、孤独死保険は契約居室内で居住者がなくなった場合に保険金が支払われるのが原則です。「お部屋の保険ワイド」は、病室でなくなった場合など、居室外でなくなった場合にも遺品整理費用の支払いがあります。

現在加入中の保険などとの兼ね合いから検討するといいのではないでしょうか。

【選び方2】家賃の補償期間・内容をチェック!

家主型の孤独死保険を選ぶ際には、家賃の補償期間をチェックしましょう。例えば、「無縁社会のお守り」は、事故発生日から最長12カ月間、「大家の味方」は事故発生日(死亡事故の場合は発見日)から最長6カ月です。また、「無縁社会のお守り」は家賃の減額による損失も補償しているのに対し、「大家の味方」はリフォーム完了日までの空室による家賃損失のみを補償対象としています。

事故物件化した場合には家賃を下げることが一般的なため、事故物件化のリスクに備える場合は値引きによる損失を補償してくれる保険を選ぶ方が安心でしょう。

【選び方3】補償金額をチェック!

補償金額には限度額が定められており、保険会社によって限度額に違いがあります。

「第4回孤独死現状レポート」によれば、孤独死発生時の残置物処理費用は平均で21万円程度、最大で180万円程度となっています。同様に、原状回復費用は平均で36万円程度、最大で410万円程度となっています。今回参照している3つの保険の例でいえば、補償金額の少ない入居者型であっても平均的な損害金額であればカバーできることになります。最大限のリスク対策をしたい場合には家主型の方がいいかもしれません。

【選び方4】加入条件をチェック!

家主型の場合、基本的には1棟単位または保有物件全ての加入が必要になります。また、所有戸室数が一定数以上なければ加入できない場合もあります。

「無縁社会のお守り」は、保有物件が4戸室以上あることが加入の最低条件です。また、基本的には保有物件全ての加入が必要です。20戸室以上の棟を所有している場合には、その棟を含めて棟単位での加入ができます。「大家の味方」は、原則1棟単位、区分所有の場合は所有区分単位での加入が可能です。

このように1棟単位での加入になっているのは、孤独死が高齢者だけの問題ではないからです。

家賃保証会社が孤独死による損失補償をつけているケースも

孤独死による金銭的損失への備えは孤独死保険だけではありません。孤独死保険の必要性の高まりを受け、家賃保証会社の保証内容の中に孤独死による損失補償が組み込まれているケースもあります。ここでは例として2つの家賃保証会社を紹介します。

原状回復費用と家賃損失を補償するエルズサポート株式会社

エルズサポート株式会社は、損保会社と契約し、居室内死亡時の原状回復費用として上限30万円、事故物件となった場合、旧賃料の50%の家賃保証を最大8カ月間保証する商品を用意しています。また、高齢者の見守りや生活支援を展開しているホームネット株式会社のグループ企業として、ホームネット株式会社が提供する自動音声見守りサービスの提案も行っています。

詳細は以下の記事をご覧ください。

空室発生後の募集活動もサポートする株式会社Casa

不動産会社を介さず、オーナーと直接契約する集金代行付き家賃保証「家主ダイレクト」を提供しているCasa。家賃のほか、更新料・退去時精算費用・早期解約違約金・水道光熱費も保証されるだけでなく、110万円ほどもかかるといわれる明け渡し訴訟の費用も保証しています。また、「家主ダイレクト」には孤独死保険が自動付帯。家賃損失・原状回復費用などを補償し、全国約2万店舗の提携仲介ネットワークを利用して空室の早期解消をサポートしています。

詳細は以下の記事をご覧ください。

早めの孤独死対策で安定した賃貸経営を

孤独死保険の2つのタイプ、チェックする4つのポイントをご紹介しました。今回ご紹介した以外にも孤独死保険は多数あり、見守りサービスと併用することで1戸室だけの加入を可能にしているものもあります。今回の内容を参考に、コストとリスクとのバランスを考えながら、孤独死対策を進めてみてはいかがでしょうか。

スムスム君

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