はじめの教科書!子世代大家さんのための賃貸経営の超キホン

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賃貸経営を引き継いだばかりで、戸惑う子世代大家さん、「大家業」の伝授に悩む親世代大家さんも多いのでは。本記事ではオーナーの基本業務や、スケジュールを凝縮。賃貸経営の「はじめの教科書」として活用してほしい。

賃貸経営って具体的に何をする?

賃貸経営を引き継いだものの、具体的な仕事内容は意外に知らないもの。いざバトンタッチしてみると、どうすればいいかわからない子世代大家さんは少なくない。

賃貸経営とは、入居者に部屋を貸して家賃をいただく事業だ。仕事の中身は大きく2つに分かれる。入居者の対応に係る数年単位の「業務サイクル(図1)」と、建物の維持管理に係る「中長期スケジュール(図2)」だ。

賃貸経営の基本業務は、図1のように<入居↔︎退去>を巡って循環していく形になる。空室状態からスタートすると、前半は、入居者募集→内見→入居審査→賃貸借契約。実際の業務は、不動産仲介会社か管理会社に委託するのが一般的。オーナーは、募集時の家賃設定、入居希望者の承認などの意思決定に係る部分が中心になる。

後半は、入居者と建物の管理になる。家賃の回収、滞納の確認、入居者からのクレームやトラブル対応、建物の清掃や保守点検を行う。ここをオーナー自身で行うのが「自主管理」、管理会社に委託するのが「委託管理」だ。

賃貸の契約期間は2年が一般的だが、途中で退去する場合もあれば、更新をし、2年以上住み続け
る場合も。退去や更新手続きも業務の一つだ。退去が決まると、現地での立ち会いチェック、敷金の精算をして、室内のクリーニングや原状回復を行い、募集から繰り返す。退去手続きと並行して、募集を始めるケースが多い。

賃貸経営におけるシーズンのオン・オフを知ろう

このサイクルを1周体験すれば、だいたいの基本業務は身につく。他に、空室対策や場合によって、リフォームやリノベーションなども必要になってくる。

賃貸経営には、年間を通じた"季節イベント"もある。入居者の入れ替えは入社式や入学式など、新生活のスタートを控えた1~3月のオンシーズンに集中する。一度に何部屋も退去・入居が重なり、「繁忙期」と呼ばれている。社会人の場合は10月に人事異動があるので、秋にも住み替えの小ピークがある。

また、2月中旬から3月中旬は所得税の確定申告がある。申告手続きを税理士に委託しているケースも多いが、確定申告ソフトなどを使って自分でやってみると、金銭の流れや、賃貸経営の税務を概ね把握できるのでおすすめだ。

世代を超えて数十年単位で考えるべき業務も

日々の業務に追われていると気づきにくいのが、建物や設備の状態。見た目に損傷や故障がなくても徐々に劣化していき、最後は機能的・物理的な寿命が尽きる。この点を意識しておかないと、突然、故障して入居者からのクレームにつながるおそれがある。

こうしたトラブルを予防するために、建物や設備の使用年数に応じて、計画的に修繕を行うことも重要な業務だ。図2に目安を示してある。5~10年ごとに設備の補修や階段の手すりなどの塗装、10~15年ごとに屋根や外壁の塗り替えなどを行うのが望ましいとされている。環境や使用状況によって劣化具合は異なるので、普段から点検を怠らずに対応していきたい。

収支の動きに目を配り、赤字にならないように注意

収支の動きにも、目を配ろう。地域や物件によって、築年数が経てば家賃が下がり、空室率が高まれば収入が減って行く。一方、修繕費がかさめば支出が増える。また、ローン利息や減価償却費は税金の支払いと大きく関係する。

10数年たつと、家賃収入は減らなくても、税金の支払いが増えてキャッシュフロー(手取り)が減り、赤字に転落するおそれがある。さらに、10~20年単位で考えるなら、自分が承継した事業をさらに次の世代への引き継ぐことも意識しておきたい。相続対策についても併せて考えることが必要になるだろう。

大家業は、不動産仲介や管理会社、リフォーム会社、税理士などとチームを組んで進めて行くものだ。オーナー自身に専門分野の知識がなくても、他人任せにせず、全体像を把握して主体的にかかわれるように、ビジネス感覚を磨いていくことが大切だ。

スムスム君

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