令和5年よりアスベスト調査報告が義務化。賃貸オーナーが知っておきたい規制の内容と工事の種類を解説

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公開日:2023年7月25日
更新日:2024年3月8日
令和5年よりアスベスト調査報告が義務化。賃貸オーナーが知っておきたい規制の内容と工事の種類を解説1

2006年からは製造も使用も禁止されているアスベスト。2022年4月からは大気汚染防止法等の改正により、工事の元請業者に事前のアスベスト調査と結果報告が義務化されました。報告対象となった工事や種類、新たに設けられた罰則、補助金などについて紹介します。

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今回お話しを伺った方
令和5年よりアスベスト調査報告が義務化。賃貸オーナーが知っておきたい規制の内容と工事の種類を解説2

タマリニューアル(有限会社マツダ工業) 取締役 松田 雅嗣さん

創業33年。町田市・相模原市・大和市を中心に大規模修繕、防水・塗装を手掛ける。大手ゼネコンからの信頼も厚い。

アスベスト調査・報告が解体・改修工事で義務化

令和5年よりアスベスト調査報告が義務化。賃貸オーナーが知っておきたい規制の内容と工事の種類を解説2

アスベストは天井や床材など、建物の様々な場所で使われてきました。しかし肺がんなどの健康被害を招くため、平成18年9月からは製造も使用も禁止されています。

また大気汚染防止法等の改正により、令和4年4月1日以降に着工する一定規模以上の解体・改造・補修工事について、アスベストの有無に関わらず、工事の元請業者に事前のアスベスト調査と結果報告が義務化されました。報告を怠った場合の罰則も新たに設けられています。平成18年より以前に竣工した建物を所有しているオーナーは、建物の建て替えに伴う解体や大規模修繕、室内リフォームの際に注意が必要です。

アスベスト規制強化の内容と対象

令和4年4月1日から義務化された内容

建築物などの解体・改修工事を行う施工会社(元請け事業者)に対して、該当する工事で石綿含有有無の事前調査を行い、結果を労働基準監督署に報告することが義務づけられました。個人宅のリフォームや解体工事なども含まれます。

アスベスト事前調査の対象となる工事

工事の規模、請負金額にかかわらず、すべての解体・改修工事に対して事前に法令に基づくアスベストの使用有無の調査(事前調査)が必要。

アスベスト調査結果の報告対象となる工事

●建物解体工事(解体作業対象の床面積80㎡以上)
●建物改修工事(請負金額が税込み100万円以上)
●特定の工作物の解体・改修工事(請負金額が税込み100万円以上)

アスベストの事前調査はすべての工事が対象。調査費用は?

アスベストの事前調査は、工事規模・金額を問わず、すべての工事が対象です。

「令和4年9月以降に建てられた建物でもアスベスト含有の建材が見受けられ、築年数では判断できません。事前の調査費用は10万円程度です。ご入居者や近隣住民の健康被害を防ぐためにも行う必要があります」と松田さん。

事前調査は石綿含有建材の知識を持つ有資格者による調査が望ましいとされ、令和5年10月からは有資格者調査が義務化されます。

また調査の結果、建材にアスベストが含まれていた場合、除去や改修の際の封じ込めが必要です。

「アスベスト飛散防止工事は現場を密閉するなど専門的な安全対策が必須です。工事の実績があるか、除去専門会社と提携している会社を選び、見積もりに調査費用が含まれていることも確認しましょう」

アスベスト飛散防止工事の種類

飛散防止対策の主な工法

除去工法
令和5年よりアスベスト調査報告が義務化。賃貸オーナーが知っておきたい規制の内容と工事の種類を解説2

「除去工法」とは、既存の吹き付けアスベスト等を下地から取り除く工法です。最も確実に安全に除去できます。

封じ込め工法

「封じ込め工法」とは、既存の吹き付けアスベスト等の層を残したまま薬剤を含浸したり、造膜材を散布し、吹付けアスベスト等を固定することで飛散を防止する工法です。

囲い込み工法

「囲い込み工法」とは、既存の吹き付けアスベスト等の層を残したまま板状材料等で覆うことで、粉塵の飛散や損傷防止を図る工法です。

アスベストの調査は補助金などを使って適切な対応を

解体・改修の際、建築時の図面や使用建材がわかる仕様書などがあれば、施工会社に提示しましょう。また、見積書にアスベスト調査費用が含まれているかの確認は必須です。

会社に依頼する際は、アスベスト飛散防止の工事実績、または除去専門会社との提携がある施工会社を選ぶようにしてください。

令和5年よりアスベスト調査報告が義務化。賃貸オーナーが知っておきたい規制の内容と工事の種類を解説2

事前調査・対策工事には自治体の補助が出るところもあります。アスベストの調査や対策工事に関する補助金は、制度の有無、条件・支援額などが自治体によって異なります。詳細は所有物件がある自治体にお問い合わせください。

アスベスト調査には、こういった補助金などを活用しながら適切に対処しましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2023年6月7日時点の情報です。

取材・文/藤谷 スミカ

ライタープロフィール
藤谷 スミカ(ふじたに・すみか)
同志社大学文学部英文学科卒。広告制作プロダクション、情報誌出版社を経て、フリーランスのコピーライターとして30余年。ハウスメーカーの実例取材記事、注文住宅、リフォーム、土地活用に関する情報誌の記事、企業PR誌の著名人インタビュー記事、対談記事、企業単行本の執筆等を手がける。

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