これからの入居者像を理解しよう|世代の違いでライフスタイルも変わる!
- 管理会社(入居者管理)
生まれた時代が違うと、価値観や生活スタイル、住まいの選び方も異なります。主な借り手となる「ミレニアル世代」と「単身ミドル世代」の入居者像を理解して、部屋づくりの参考にしていきましょう。
世代別の価値観を知って物件づくりに生かしたい
時代の移り変わりと共に人々のライフスタイルが変化し、趣味嗜好も、住まいに求めるものも十人十色となった。今後は賃貸市場でも多様化するライフスタイルに合わせた部屋づくりが大切となる。
「私が学生の頃はこうだったから…」など、オーナーが若かった時代の感覚で判断すると、賃貸経営の舵取りを間違えてしまう恐れが大きいので気をつけたい。
しかしながら、生きてきた時代が違うと社会情勢や文化、価値観も異なり、入居者の賃貸住宅へのニーズは把握しづらいものだ。まずは入居者ターゲットとなる世代の生まれ育った時代背景を理解し、世代間ギャップを認識することから始めたい。
本記事では借り手のメインとなる20~30代の「ミレニアル世代」と、増加する40~50代の「単身ミドル世代」を取り上げて、その入居者像をご紹介する。
世代特有の価値観や傾向から、彼らが住まいに求めるものは何かが見えてくるだろう。それをぜひ物件づくりに生かし、安定経営につなげていただきたい。
20~30代:ミレニアル世代
ミレニアル世代は、バブル崩壊後に育ったため不景気しか知らず、インターネット普及と共に自身も成長していったことが特徴。部屋探しもネットで行い、店舗に行くのは内見時のみという人がほとんど。改めて、部屋探しサイトで自分の物件が掲載されているか確認したい。
さらに、断熱・遮音性に優れた実家で育った経験から、賃貸にも同様の住み心地を求める傾向だ(※1)。
この世代の中には、「家ナカ消費」層と「堅実」層が存在。家で過ごす時間が多い「家ナカ消費」層の増加は人気設備ランキングにも表れ、生活の経費を下げる「追い焚き機能付きの風呂」や「Wi-Fi無料」などが上位に(※2)。また、性差にとらわれない環境で育ったことから、いわゆる花柄やピンクといった女性らしい内装はかえって敬遠される可能性も。
一方、「堅実」層は、人気エリアより、都心などの職場に近い「職住近接エリア」を優先。都心のため、家賃が安ければ狭い部屋であっても荷物を減らして住んでしまうミニマリスト入居者も増えている。
※1…リクルート住まいカンパニー「2016 年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」より
※2…リクルート住まいカンパニー「2017 年度賃貸契約者動向調査(首都圏版)」より
1983 年~1994 年頃の生まれ
◆物心ついたときにはバブルが崩壊。ずっと不景気が続き「超安定」志向
◆消費意欲は低いが、自分にとって価値があるものには消費をする
◆生まれた時から、実家の設備が充実、断熱性や遮音性など躯体も高性能
◆性差が少ない環境で育ち、「男らしさ」「女らしさ」にとらわれない
◆インターネット普及とともに成長。スマホで部屋を探し、SNSで情報を仕入れる
◆消費にあまり興味がなく、家で過ごす時間が多い
◆外食ではなく、友人との食事を家で楽しむ
◆実家のような高性能な躯体・設備のラインナップを賃貸にも求める傾向に
◆長い通勤時間を無駄と考え、職場に近いエリアを好む「職住近接」タイプの人も。都心のため、狭い部屋でもOK。安い家賃であることを優先する
◆狭い部屋のため、荷物が少ない傾向。スマホがあるから、という理由からテレビを所有していない人も