竣工、引き渡し時に気をつけたいチェックポイント[段取り#5]
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                                賃貸経営のスタートを切る直前のヤマ場が、竣工から引き渡しのダンドリです。完成度を高めたいオーナーの気持ちと、入居付けのタイミングとの折り合いをつけながら、うまく進めるためのポイントを紹介します。
工期の遅れが賃貸経営リスクを招く
プラン作りに苦労したオーナーほど、建物が徐々に立ち上がってくる様子を見ると感慨深くなるものです。竣工が近づくにつれて、賃貸経営の意欲も湧いてくるでしょう。
ところが、まもなく完成という時期に現場を訪れてみると、まだまだ職人たちが忙しく立ち働いている……「あれ、まだまだ終わりそうもない」――そんな話もよく聞きます。
本来、施工会社は実行可能なスケジュールを組み、完成予定日に間に合うように工程管理をしているはずです。ただ、さまざまな理由で工期が延びてしまうことは珍しくありません。
たとえば、現場監督のダンドリ不良、職人や設備業者の施工ミスによる手戻りなど、施工会社側の責任で発生する工事遅延もあれば、オーナーから依頼した設計変更や追加工事が原因の遅れ、悪天候や事故・災害に伴う作業停止もあるでしょう。
昨今の新型コロナ禍に伴う混乱で、海外で生産されている住宅設備の納期が滞るなど、やむを得ない事情で予定がくるうことも考えられます。
現地に足を運んで進行状態を確認
![竣工、引き渡し時に気をつけたいチェックポイント[段取り#5]2](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/prod-ownersstyle-img/wp-content/uploads/2022/01/24171715/45%E5%9B%B31.jpg) 
							
						
						
						
						
						
						
						
						
						
		
						
						
						
						
						
						
						
																事情はどうあれ、アパート・マンション経営を目指すオーナーにとって工期の遅れは大きなリスクとなります。図1のように、ちょっとした工事遅延が新たな問題につながり、次々とトラブルが連鎖してしまうのです。
遅れを取り戻そうとして突貫工事になると、施工精度の低下を招き、現場に無理がかかると不具合を誘発。社内検査も不十分なまま、施主の内覧チェックになり、ダメ出しの連発。手直し工事の余裕もなく、後々のトラブルの種を残す、といった具合です。
また、引き渡し時期が大幅にずれ込んで来ると、入居者の募集活動にも支障が出てきます。募集自体は建築中から始められますが、内見しないで契約まで行くケースは少ないでしょう。
完成前に申し込みが入っても、引っ越し手続きの関係から入居予定者からキャンセルを受けるなどしてしまえば、水の泡です。繁忙期に合わせて事業計画を立てたのに、引き渡し日が繰り延べられてしまった結果、募集活動そのものが苦戦しかねません。
そんな事態を避けるには、オーナーも施工会社任せにせず、まめに現地に足を運んで進行状態を確認しましょう。
現場監督や担当設計士と連絡を密に取り、不動産仲介会社や管理会社とも連携して、工期に合わせて入居者募集の対策を練り直すなど、柔軟に動けるようにしておくことが大切です。
施主検査で建物の出来栄えをチェック
竣工から引き渡しまでに、オーナーにとってのファイナル・イベントがあります。いわゆる「施主検査」です。「内覧チェック」「ダメ出し」などとも言われます。
建築中にも、役所検査や各種評価機関の検査が実施されますが、これらの外部検査は、あくまでも建築確認制度や法規制に適合するかどうかを判定するのが目的ですから、オーナー目線で建物の良し悪しを判断するものではありません。
やはり、オーナーが自分の目で発注した建物の出来栄えをチェックするべきでしょう。すでに竣工しているので壁内の構造部分までは確認できませんが、表面から見える部分だけでも、様々なことがわかります。ポイントは図2の通りです。大きく以下の4つに分けられます。
- 設計図面通りにできているか。
- 内外装の仕上がり具合はどうか。
- 建具・設備がきちんと機能するか。
- 床下や小屋裏・天井裏の状況はどうか
![竣工、引き渡し時に気をつけたいチェックポイント[段取り#5]2](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/prod-ownersstyle-img/wp-content/uploads/2022/01/24171922/45%E5%9B%B32.jpg) 
							
						
						
						
						
						
						
						
						
						
		
						
						
						
						
						
						
						
																最後の床下や小屋裏は、狭い点検口からもぐりこんでチェックしなければならないので、建築の専門家でなければ難しいかもしれません。ただ、中を覗き込んでみるだけでも、丁寧に施工されているかどうかはわかるはずです。
ずさんな工事現場では、表面から見えない床下や屋根裏に余った端材やゴミが散乱しているケースがあります。そんな場合は、欠陥や不具合が隠れているおそれもありますので、改めて専門家にインスペクションを依頼してもいいでしょう。
残金の支払いは「手直し工事」の終了後
施主検査で指摘した部分を補修する「手直し工事」が済み、問題がないかどうかを再確認してから、はじめて工事代金の最終支払い(残金決済)・引き渡しに進みます。この順番が大切です。
補修の途中にもかかわらず、残金の支払いを急がせ、決済が終わった途端に対応が悪くなる施工会社も珍しくありません。
補修が入居開始に間に合わず、入居者からのクレームや早期の退去を誘発するおそれもあります。補修が遅れる場合は、入居開始に支障が出ない範囲で「引渡し後○日以内に補修工事を終了する」など、期日を入れた覚書を取り交わしておきましょう。
オーナーが残金を支払うのと引き換えに、施工会社はカギと引渡証、アフターサービス関係書類、建築確認関係書類などを渡して、建物の引き渡しが完了します。
その際、施工会社からもらう設計図書の中に、工事中の変更や追加が記載された竣工図があるかどうかもポイントの一つです。将来、大規模修繕やリフォーム、リノベーションをするときに役立ちます。
文/木村 元紀
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