物件認知度を上げ、入居希望者を増やす募集チラシとは?

空室率が高くても、「家賃の引き下げ」や「バリューアップのリノベーション」をする前にやるべきことがあります。物件自体の認知度を高めて、入居希望者の目に触れる機会を増やすことです。そのためには、募集チラシの作り方から見直していきましょう。

入居者ターゲットを明確にし、写真多用のチラシで営業の心を掴む

例えば空室率が30%もある場合、普通は空室をどう埋めようかと悩みます。しかし、漠然と家賃を下げたり、見栄えを良くするリフォームをしても効果が出るかは不明です。

リーシング・マネジメント・コンサルティング(LMC)株式会社社長の齊藤晃一さんは、まずはどこに向けて物件を告知すれば効果的かを見極めるため、過去の入居者属性調査から始めるべきと指摘します。

「空室率が30%もあると見るか、その裏返しに稼働率が70%あると見るかで対策の立て方が違います。仮に相場より家賃が高くても、70%の人は入ってくれているわけです。その割合が50%でも30%でも考え方は変わりません。現状または過去にどんな人が入居しているのかを把握し、その条件に近い層をターゲットに想定し、そこに向けて情報を発信すれば、入居してくれる確率は高まるでしょう」(齊藤さん)

そのためには、管理会社や仲介会社に依頼して、過去の埋もれていた入居申込書の分析が必要です。どこから引っ越してきたか、前の家賃はいくらだったか、なぜこの物件に決めたのか、年収・性別・通勤時間などの個人属性を浮き彫りにします。

ターゲットが想定できたら、次はそこに向けてプロモーションを行います。つまり、物件を知ってもらうための広告展開です。賃貸住宅の募集を行う告知媒体には、次のような種類があります。

①レインズ(指定流通機構)、不動産会社間流通専門のポータルサイト

②店頭配布の紙媒体(いわゆるマイソク)

③管理会社の自社サイト、同社から仲介会社へのファックス・メール

④エンドユーザー向け物件検索ポータルサイト

①~③は基本的に不動産会社同士で情報をやりとりする「BtoB」の仕組み。④はエンドユーザーへ発信しますが、サイトに掲載するのは仲介会社です。いずれにしても仲介会社が介在するので、委託する管理会社以外の仲介会社に自分の物件をいかに知らせ、広告掲載 してもらうかが勝負です。

LMCの調査では、客付け仲介会社の営業担当者は、紹介する物件の15%程度しか実物を見ていないそうです。過去1カ月間で来店したお客様に紹介して内見に行った物件のうち、鍵を借りて写真撮影に行ったり、自分が事前に見に行ったりしたことがあるものはほとんどありません。

80%以上の物件は1回も見ないで「この物件は良いですよ、早くしないと埋まっちゃいますよ」と営業トークを膨らませているのが実態です。

「彼らの不満は、間取り図と文字しかない、情報量の乏しいモノクロチラシではセールスポイントがわからないことです。そこで、PRポイントをわかりやすく記載し、写真を豊富に使用した募集チラシを営業ツールとして作成してあげることがおすすです」(齊藤さん)

写真多用のカラーチラシにすると、「特徴をイメージしやすい」「紹介しやすい物件」として目に止まるので、ポータルサイトへの掲載や、カウンター営業で紹介のプライオリティを上げてくれる確率が高まるのだそうです。