大規模修繕の資金はどう準備する?

外壁や屋上の修繕が必要と感じながら、資金がネックになって実行できないと、空室率の悪化も!その悪循環を絶つ資金の作り方は?コツコツ積み立て、一気に融資、はたまた保険、など様々な方法を紹介しましょう。

計画的に大規模修繕を実施しているオーナーは2割くらいしかいないといわれます。その数少ないオーナーは、どのように修繕資金を調達しているのでしょうか。面白いデータがあるので紹介しましょう(§5-8参照)。

出典:国土交通省住宅局2017年3月「民間賃貸住宅の大規模修繕等に対する意識の向上に関する調査検討報告書」より

さすがに計画的に修繕を実施しているだけあって、修繕資金を予め確保しているオーナーが8割を超えます。しかも6割は「積み立てている」との答え。それ以外に管理会社が関わって積立をしているケースもあります。「管理会社に家賃の一部を修繕費として積み立てさせている(積み立ててもらっている)」というオーナーが約16%もいるのです。「自分では使ってしまう」おそれがあるので「天引き」してもらっているかもしれません。

さらに「管理会社が家賃の一部を修繕費として積み立てている」というケースも7%近くいます。「管理会社に~させている」と似てますが、「管理会社が~している」というのは、オーナーに無断で管理会社が差強いているわけではないでしょう。サブリース(一括借上げ)会社が、「修繕費保証」といった名目で徴収しているケースなどが該当すると思われます。

事前に修繕資金を確保していないオーナーは、その都度「手持ちの資金で対応する」ケースが多いようです。融資を利用するのは、わずか3.5%です。ただし、これは計画的に修繕しているオーナーを対象にした割合です。必要に応じて修繕をしているケースを含めれば、もっと多くなるでしょう。オーナーズ・スタイルが2017年12月に読者向けに実施したアンケート「大規模修繕の資金調達法」では、4分の1(約27%)が借入でした。しかも必要資金の9割以上を借入しているケースが4割をしめます。

前出の国交省の調査では、修繕資金の積立方法のトップは「普通預金」、次いで「積立型定期預金」でした。普通預金では利息もほとんど付かず、すぐに引き出せますから、強制的に資金をプールする方法としてはあまり好ましくないでしょう。かといってハイリスクの投資商品にするわけにもいきません。

出典:§5-8と同様

ちなみに、修繕積立金の目安は§5-10の通りです。シングル向きで1戸当たり月々5,000円前後、10室のアパートなら年間60万円です。

出典:公益社団法人 日本賃貸住宅管理協会『賃貸住宅版長期修繕計画案作成マニュアル(改訂版)2014年』

修繕費の積み立てが進まないネックの1つに、必要経費にならないことが挙げられます。積立金は将来の修繕に備えて貯えるものなので、各年度に実際に修繕して支出した費目ではないからです。区分マンションの場合は、管理組合が強制的に徴収し、オーナーには返還義務がないのが一般的なので、例外的に経費計上が認められます。

法人の場合は、法人専用の生命保険を活用することによって、保険料を損金算入して節税しながら、将来の解約返戻金を大規模修繕費に充てるという方法もあります。現状では個人向けのこうした商品はありません。

国土交通省では、管理会社に毎年委託費を支払ってプールする「長期修繕委託方式」を採用することで経費化の道を開くスキームを検討中です。2018年度中に何らかの動きがありそうなので、その動向に注目しておきましょう。

スムスム君

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