繁忙期に空室が埋まらない原因と対策はなに?管理・仲介現場のホンネを直撃インタビュー
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「内見どころか、問い合わせすら来ない!」なら、仲介会社に原因を聞いてみよう
伊部さん:繁忙期になっても決まらない物件は、まずどこに問題点があるのかを見極めることが大切です。
仲介会社に1件も問い合わせが来ないような場合は、ポータルサイトでふるいに掛けて落とされている可能性が大。借り手はエリアを絞って検索するので、同じぐらいの広さと立地条件の物件を検索すると、理由がわかると思います。
ライバルがすごく多かったり、家賃や設備の魅力で負けていて下の方に埋もれてしまい、足切りされていませんか?
管理会社に任された物件の場合は、管理会社の担当が条件を変えるご提案をしますが、自主管理の大家さんで複数社に仲介を依頼されているケースでは、仲介会社は大家さんを一生懸命説得しても自社で入居者が決まるとは限らず、ともすれば大家さんの気分を害しかねないので、本当のことが言いづらくなります。ですから、仲介会社が正直な意見を言ってくれるような信頼関係づくりも大事だと思いますね。
伊部さん:今までは決まっていたのに、最近になって決まらなくなった場合は、外的要因があるはずです。それは何なのかがわかっているのは仲介会社ですから、反響が悪いときはマメに顔を出して「原因を正直に教えて」とお願いし、普段から忌憚のない意見を聞かせてくれる人間関係をたくさんつくっておきましょう。
こんな大家さんは困る!入居が遠のく大家さんはこんなひと
伊部さん:ズバリ、すぐに連絡が取れない方です。
繁忙期の契約はタイミングが非常に大事。早めに入居希望のお客さまにオッケーの返事をしないと、別の候補に流れてしまいかねません。審査を素早く行い、「家賃があと2000円下がらないか」、「保証会社をつけたくないんだけど」、「エアコンを設置してほしい」など、借り手から条件交渉がある場合も、レスポンスをすぐに返すのが鉄則です。
仲介の営業担当者は決まる物件にしか案内したくないのが本音ですから、すぐに連絡がつかなかったり、返事や判断が遅い大家さんの物件は案内を自然と避けてしまうこともあります。普段から担当者とメールアドレスやLINEを交換し、レスポンスの良さをアピールしておくと、繁忙期に決まりやすくなります。特に空室確認はすぐに取れるようにしておいてほしいですね。
編集部:なるほど!大家さんの心がけも大切ですね。伊部さん、どうもありがとうございました!
まとめ[繁忙期に入居を決めるための心がけ]
1.管理・仲介担当者と密なコミュニケーションで、「熱意」をアピール。
2.サイトに掲載されている写真で物件の魅力が伝わるように内容と点数の充実を。
3.内見者を一発必中するために、いつ見られても良いように定期的な清掃を心がける。
4.仲介会社の担当者に、問い合わせがこない原因はなにか、忌憚なく意見やアドバイスを言ってもらえる関係を築く。
5.いつでも連絡がとれる&返事が早い大家さんになる。
※この記事内のデータ、数値などに関しては2019年2月12日時点の情報です。
取材・文/藤谷 スミカ 撮影/青木 茂也
ライタープロフィール
藤谷 スミカ(ふじたに・すみか)
同志社大学文学部英文学科卒。広告制作プロダクション、情報誌出版社を経て、フリーランスのコピーライターとして30余年。ハウスメーカーの実例取材記事、注文住宅、リフォーム、土地活用に関する情報誌の記事、企業PR誌の著名人インタビュー記事、対談記事、企業単行本の執筆等を手がける。