SNSでの部屋探しが主流に!しかしSNS未対応の不動産会社は6割以上。なぜ増えない?
私たちの暮らしにすっかり根付いたSNS。年代に関わらず、多くの人が、衣食住に関する様々な情報をSNSから得ています。一方、集客のメインが未だポータルサイトという会社が多い不動産業界。この食い違いはどうして生まれているのでしょうか?(株) いえらぶGROUPが不動産会社とエンドユーザーに対して行った「住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査」の結果から読み解きます。
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Z世代の部屋探しはSNSがメインに。今後も期待高まる
エンドユーザーのなかでも、賃貸入居者層のメインとなる26歳以下のZ世代に絞ると「今後使いたい住まい探しの情報収集の方法」は「SNS」が1位(38.6%)でした。2位は「ポータルサイト」(34.2%)、3位が「ホームページ」(33.9%)となっています。
不動産会社に聞いた「今後伸びると思う集客方法」でも、「SNS」が57.8%で1位に。以下「ポータルサイト」(42.8%)、「ホームページ」(21.7%)と、上位3位はZ世代が使いたい方法と同じ結果になっています。
しかし、「自社でSNSを運用していますか?」という質問には、不動産会社の65.1%は「運用していない」と回答。そのうち「運用をやめた/ほぼできていない」という不動産会社が24.6%で、現在SNSを運用している不動産会社は34.9%と、全体の1/3にとどまっています。
エンドユーザーだけではなく、不動産会社も「SNSは今後伸びる」と期待しているにもかかわらず、なぜこのような現状になっているのでしょうか。
入居者募集にSNSを運用できていない理由は「人材不足」
SNS運用をしていない会社、SNS運用をやめてしまった会社にその理由を聞いてみると、以下の結果に。
1位 | 担当できる社員がいないから | 42.8% |
2位 | 必要と感じないから | 22.2% |
3位 | やり方が分からないから | 21.1% |
出典:住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査 2023年度いえらぶ調べ
1位 | 担当できる社員がいないから | 28.8% |
2位 | フォロワーが増えないから | 25.4% |
3位 | 撮影が面倒だから | 21.1% |
出典:住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査 2023年度いえらぶ調べ
不動産会社がSNSを運用していない理由の1位はどちらも「担当できる社員がいないから」。(公財)不動産流通推進センターの調査※によると、不動産業界は社員10人未満の事業所が95%を超えており、不動産賃貸業の一事業所あたりの平均従業者数は4.0人。人手不足に合わせて高齢化が進んでいる業界ということもあり、SNSに注目しつつも手が回らないのが現状のようです。
エンドユーザーの91.4%が「部屋探しにSNSは役立った」と回答
SNSを使った集客の、実際の反響はどうなっているのでしょうか。それについては、SNS運用をしている不動産会社の76.0%が「SNS経由の反響を得たことがある」と回答しています。
さらに、部屋探しにSNSを利用したエンドユーザーのうち36.9%が「役立った」、54.5%が「どちらかというと役立った」と回答。合わせて9割以上がSNSは部屋探しに役立ったと考えており、次の部屋探しにもSNSを使う可能性が高いとみられます。
活用されているのはどのSNS?テキストから動画コンテンツにシフト
SNSといっても複数あり、不動産会社が注力するSNSも変わってきているようです。「現在運用しているSNS」と「今後注力したいSNS」を不動産会社に聞いてみたところ、次のような結果となりました。
1位 | 77.2% | |
2位 | 40.7% | |
3位 | Twitter(現 X) | 39.5% |
4位 | You Tube | 34.1% |
5位 | Tik Tok | 19.2% |
出典:住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査 2023年度いえらぶ調べ
1位 | 67.4% | |
2位 | You Tube | 53.7% |
3位 | Tik Tok | 43.2% |
4位 | Twitter(現 X) | 27.6% |
5位 | 18.3% |
出典:住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査 2023年度いえらぶ調べ
1位はどちらも「Instagram」ですが、今後は「YouTube」「TikTok」といった動画のSNSに注力したいという動きが強まっているようです。
これはエンドユーザー、特にZ世代が注目しているSNSにも同じ傾向が見られ、エンドユーザー全体が「住まい探しに使ったSNS」はTwitter(現X)が55.1%で1位でしたが、Z世代が「今後住まい探しに使ってみたいSNS」では4位に。Instagram、YouTube につづき3位にTikTok(41.6%)が入っています。
まとめ
調査を行った(株) いえらぶGROUPの常務取締役・庭山氏のコメントによると、Instagram・YouTube・TikTokなどニーズの高いSNSが「レコメンド型」である点に触れ、レコメンド型のSNSはアルゴリズムの理解がとても重要である、としています。(レコメンド型=ユーザーの関心に合わせてコンテンツを表示する機能。Instagramの「発見タブ」など)
人材不足・高齢化が深刻な不動産業界においても、SNSを駆使して集客を成功させている仲介会社はあります。Z世代がターゲットの中心となる物件をお持ちの不動産オーナーは、SNSの活用に長けた仲介会社を探してみるのもよいかもしれません。
また、コミュニケーション手段もSNS中心になりつつある昨今、自身でもその仕組みを理解し、どのような情報が発信されているのかアンテナを張っておくのはとても有効ですので、ぜひ気にしてみてください。
※この記事内の情報は2023年8月29日時点のものです。
取材・文/石垣 光子
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