【消費税増税への備え】大家さん注目!賃貸経営に関わる課税・非課税

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公開日:2019年3月21日
更新日:2019年10月7日
【消費税増税への備え】大家さん注目!賃貸経営に関わる課税・非課税1

2019年10月1日に消費税が増税される予定です。8%から10%に変わりますが、賃貸経営の収入・支出にはどのような影響があるのでしょうか。大家さんができる事、やるべき事とは?熱血税理士・岩松先生から、応援アドバイスをいただきました。

【消費税増税への備え】大家さん注目!賃貸経営に関わる課税・非課税2

税理士・行政書士 岩松 正記氏(岩松正記税理士事務所 代表 大家さん専門税理士ネットワーク「Knees」メンバー)

政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道地区No.1(全国3位)となった、通称ぶっちゃけ税理士。地元仙台を中心に税理士業をする一方、セカンド・オピニオンなど各種コンサルティング、メガバンクでの講演やメディア出演、全国誌への掲載など幅広く活躍中

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賃料収入は変わらないのに支出には増税分が上乗せされる!

賃貸経営に関わる収入・支出について、課税・非課税の対象を下にまとめてみました。内訳は今後も変わらないので、今回の増税によって、これまで非課税だったものが課税対象になったり、その逆ということはありません。

ですが、課税対象の収入・支出はすべて消費税が8%から10%となります。本誌読者の大家さんは家賃収入のほとんどが住宅用でしょうから、消費税の課税事業者ではありません。つまり、消費税が10%になったとしても、これまで同様、消費税を納める必要はありません。

となれば、増税は関係ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実は大きな影響があるのです。

受け取る家賃は非課税なので消費税はかかりませんが、管理委託料、リフォーム費用、設備購入費用などの支出は全て増税の対象になります。つまり、家賃収入が変わらないにも関わらず、支出の消費税が増えた分、単純計算で利益(所得)は減ってしまうのです。

消費税が課税される一般事業者と比べるとこの影響はわかりやすいと思います。一般事業者の場合、売上収入は課税対象になるため、増税分が上乗せされます。そのため、増税前と後で売上も支出も変わらないとすれば、支払った経費の消費税が10%になっても、これまでの所得に差は生じません。

ですが、大家さんは家賃が非課税なので、支出の増税分、所得が減ってしまうというわけです。

賃貸経営にかかる消費税の課税・非課税
【消費税増税への備え】大家さん注目!賃貸経営に関わる課税・非課税2
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大家さんができる増税前後の対策とは?

これまで消費税増税は2回にわたって時期が延期されてきましたが、増税自体は法律で決まっていることなので、実施前提で対応を考えたいところです。では、大家さんは何をするべきでしょうか?

まず、もし駐車場や貸店舗・貸事務所などの課税対象になる賃料があるなら、契約書を見直して10月1日をもって、消費税を10%に引き上げる内容に変更してください。

また、所得が減る分、家賃を値上げしたい気持ちになるかもしれませんが、実際には難しい話です。逆にそのせいで退去されてしまうと、マイナス分がさらに大きくなってしまいます。

値上げできなくても、安易に値下げをしない、現状を維持する努力をすることが大切です。古くなった設備を交換したり、人気の設備を導入するなどで、物件の魅力をアップさせる工夫をしましょう。

これらの支出代金にかかる消費税は9月30日までは当然に8%なので、こうした設備の購入や必要性が高い修繕工事を予定している方は、ぜひ消費税増税前に行うようにしてください。

また、青色申告の大家さんには、一つの取得額が30万円未満の減価償却資産については、少額減価償却資産として必要経費にすることが認められています。ただし、税込みで30万未満になるように意識してください。

経営者マインドを持って立ち向かってもらいたい

所得が減ってしまう分をカバーするには、支出の額を抑えるのも重要な対応策です。管理委託費やサブリースの手数料も当然に増税対象となりますから、この機会に契約内容や業務内容を検討してもいいかもしれません。

また、管理コストを削減するため、電気・ガス代や電話代のコスト低減を図ることも考えてみてください。経営者的意識を持って、収支バランスを見つめ直しましょう。この増税を逆にいい機会と捉えて、ぜひ頑張ってください。

【消費税増税への備え】大家さん注目!賃貸経営に関わる課税・非課税2

※この記事内のデータ、数値などに関しては2019年3月6日時点の情報です。

イラスト/福々ちえ

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