DIYで実家を賃貸住宅にリノベーション!夫婦で物件再生をするセルフリフォーム事例
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初めて購入した物件の内装が、依頼したイメージと違ったことをきっかけに、ご自身でリフォームを行ってきた森脇さん夫妻。入居者が楽しんで暮らすことのできる心地よい空間を、費用をかけ過ぎずに、次々と生み出している。長年にわたる経験と創意工夫が詰まったDIY術をご紹介しよう。
賃貸経営を始めて12年。専業で8物件40戸を管理
大阪市から車で約1時間、田園風景が広がる兵庫県三田市北部。春はウグイス、夏はセミやサワガニ、秋はスズムシの声や柿、冬は雪景色と四季折々の風情を感じることのできる自然豊かな環境で森脇さん夫妻は賃貸経営を行っている。夫妻が賃貸経営を始めたのは2005年。脱サラして始めた自営業の傍ら、不動産投資に興味を持ち、築17年の学生向けワンルームマンション(13戸)を購入した。
それから、築13~26年のマンションや一戸建て、太陽光発電を買い増し、売却なども行いながら、現在は8物件を所有。法人化も行い、現在は約40戸を自主管理している。
初めて物件を購入したときには空室が多く、入居者を募集するにあたって、内装会社に改装を依頼。しかし、満足のいく仕上がりにならなかったことをきっかけに、入居者が住みたいと思える改装を自分たちでやろうと、セルフリフォームに挑戦することを決意した。ご主人の利博さんは手先が器用だったこともあり、DIYの腕も上達し、それ以来ご夫妻でリフォームを続けている。
森脇さんのDIY心得
1:再利用できるものは活用・転用すること
2:防塵マスクとメガネで埃から身を守ること
3:格安建材をホームセンターなどで手に入れること
実家をセルフリフォームで田舎暮らしの楽しめる物件に
今回紹介するリフォームは、過去最大規模だった。リフォームを行った物件は、利博さんが生まれ育った愛着のある実家。三田市街に家族全員が引っ越した後に賃貸に出したが、かなり傷んでしまった。
所在地/兵庫県三田市
構造/木造2階建て
築年数/39年+15年 間取り/7LDK
黄部分が築37年で、青部分が築15年という部分建て替え物件。古い部分を残しつつ、新しいものと融合させる工夫をしたことで特徴的な空間を作り出すことに成功した。
そこで退去後に、ただ修復するだけでなく、「素敵な田舎の家に住みたい」と思ってもらえる賃貸物件に生まれ変わらせようと、「田舎のほっこりとした雰囲気を残しつつ、快適に暮らせる家」をコンセプトに掲げ、リフォームを行った。
そのなかで特にこだわったのは、築年数が異なる2つの空間の調和。この家は玄関から3分の2を15年前に和風建築に建て替えているが、残りの3分の1は築37年で暗く古風なままという部分建て替え物件なのだ。築37年側の間取りと内装を新しくするので、新旧が違和感なく繋がるように工夫した。
その結果、「賃貸経営は心地よい空間を提供するサービス業」という利博さんのモットーと、「家族の思い出の場になるような物件にしたい」という奥様の佳代さんの熱い思いやこだわりを、リフォームで各所に再現することに成功した。
「妻がアイデアを出して、私が施工、と明確に役割分担をして進めました。DIYの師匠はYouTube。映像でプロの技を教えてくれるので、より質の高いリフォームができました。」と語る利博さん。
佳代さんも「防塵マスクやメガネで重装備の毎日で大変でしたが、完成した状態を見たときにその苦労も忘れるほど感動しました」と語り、大満足の結果となった。慣れてきた外壁塗装もようやく完了し、いよいよ募集開始。
「あとは新しい入居者さんとの出会いを待つばかりです」と語る利博さん。「エリアを神戸や阪神間まで広げ、自分たちが手を加えればきれいになる物件を安く購入し、楽しく暮らしてもらえる住まいをこれからも提供していきたいですね」
意欲的な森脇さん夫妻の今後の活躍を大いに期待したい。
※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年1月9日時点の情報です。
取材・文/皆元 初香 撮影/水野 浩志