いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情

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公開日:2024年12月24日
更新日:2024年12月26日
いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情1

空室対策に有効な設備への投資。費用対効果の高い設備を優先的に導入したいところですが、最近の入居者に喜ばれる設備にはどのようなものがあるのでしょうか。集合住宅に暮らす方を対象に、共用施設やサービスの利用実態を(株)つなぐネットコミュニケーションズがリサーチ。調査結果から賃貸住宅のニーズを中心にご紹介します。

すでに導入されている共用施設・サービスの割合は?

まず、現在お住まいのマンション・アパートに既存の共用施設やサービスについて聞いた結果は次の通りとなっています。(上位5位を抜粋)

今ある共用施設・サービス
共用施設・サービス 50戸以上の
中・大規模賃貸物件
50戸未満の
小規模賃貸物件
駐輪場 77.8% 68.5%
駐車場 71.4% 55.3%
宅配ボックス 41.8% 27.2%
24時間ゴミ置き場 57.2% 31.5%
曜日指定ゴミ置き場 33.1% 41.5%

 

いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情2

50戸以上の中・大規模賃貸物件と50戸未満の小規模賃貸物件に分けて集計されていますが、やはり物件の規模が大きいと設備も充実していることがわかります。しかし、宅配ボックスは小規模物件では3割弱、中・大規模物件でも約4割の設置にとどまっているようです。

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いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情2

小規模物件では宅配ボックスを望む声が多い

もしあったら使いたい共用施設やサービスについては、以下のような結果となりました。(どちらかが15%以上の項目を抜粋)

もしあったら使いたい共用施設・サービス
共用施設・サービス 50戸以上の
中・大規模賃貸物件
50戸未満の
小規模賃貸物件
コンビニ 23.6% 19.9%
宅配ボックス 20.8% 29.8%
24時間ゴミ置き場 16.1% 28.5%
フィットネスジム 15.6% 12.4%
来客用駐車場 12.7% 15.6%
特になし 22.7% 29.1%

 

いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情2

中・大規模物件で約2割、小規模物件で約3割が「あったら使いたいものは特にない」と答えています。小規模物件では宅配ボックスと24時間ゴミ置き場のニーズが高く、約3割が「もしあったら使いたい」と回答。どちらも設置率が約3割だったため、設置されていない物件に住む人の半分近くが「ほしい」と思っていることがわかりました。

シェアモビリティサービスは全体の約3割が希望

いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情2

最近よく話題になっているシェアモビリティサービスについては、分譲・賃貸問わず全体の約3割が「ほしい(すでにある・使っている)」と回答しています。

シェアする乗り物の種類は、自転車が16.4%、自動車が14.3%、電動キックボードが7.4%でした。

用途については88.7%が買い物に利用したいと回答している他、通院や習い事、通勤や通学の送迎など、日常生活で使いたいという回答が多く見られました。「観光・レジャー」での利用も29.8%ありました。

共用施設は「インターネットで予約したい」が6割

また、事前アンケートで「お住まいの集合住宅に予約が必要な共用施設がある」と回答した人を対象に、その予約方法と便利だと思う予約方法についても聞いています。

現状は71.2%が「管理人室やフロント窓口で直接予約する」と回答。しかし、予約する際のお悩みについては「窓口に行くのが面倒(19.7%)」「予約空き時間の確認がわかりにくい(10.1%)」「窓口に人がいない(9.3%)」「窓口の受付時間が短い(9.1%)」と不満も多いようです。

いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情2

その一方で「どのような方法が便利だと思いますか?」という質問には、「インターネットの専用サイト」と回答した人が60.6%という結果に。窓口での直接予約ではなく、好きなタイミングで申し込みができるネット予約を望む声が多いようです。

まとめ:宅配ボックス設置は国や自治体の支援策を活用しよう

今回の調査で、賃貸住宅では宅配ボックスと24時間ゴミ置き場を希望する人が多いこと、シェアモビリティサービスは自転車をインターネットで予約したい人が多いことがわかりました。

その中から賃貸オーナーがすぐに取り入れられそうなものはやはり宅配ボックス。新型コロナウイルスによる非対面の推奨や2024年物流問題などもあるため、宅配ボックスの設置には多くの自治体や国が助成制度を設けています。

いまの賃貸の入居者に求められている共用施設は?空室を作らないために知っておきたい最新事情2

例えば、国土交通省の「子育て支援型共同住宅推進事業」は共同住宅(賃貸住宅及び分譲マンション)で子どもの安全・安心や親同士の交流を生み出す取り組みに対して補助金が出ます。子育て世帯の入居率が3割以上の既存の集合住宅には、宅配ボックスの設置に最大50万円が補助されます。

「子育て支援型共同住宅推進事業」とは
概要  :宅配ボックスの設置工事について、
     子育て世帯の入居率に応じて最大50万円/棟を補助
対象住宅:子育て世帯の入居率が3割以上の既存の共同住宅
対象者 :賃貸オーナー、サブリース事業者、分譲マンションの管理組合
応募期間:令和6年4月1日(月)~令和7年2月28日(金)
※予算執行状況により応募期間を前倒しして終了する場合があります

この補助金は「賃貸住宅建設型」については2024年5月の時点で予算額に達して終了、2024年12月現在は「賃貸住宅改修型」のみの募集となっています。東京都板橋区でも最大25万円の宅配ボックス助成事業がありましたが、6月の時点で予算上限に達し、受付が終了しました。

このように、助成金は早期に終了してしまうことが多々あります。宅配ボックス設置への助成金は注目度も高く前年度から狙っている人も多いため、早めに検討し実行に移しましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2024年12月23日時点のものです。

取材・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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