実際に建てた読者の不満の声から学ぶ! 契約をする前にみるべきチェックポイント

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建ててから「こんな事態になるとは想定外」「こうしておけば失敗しなかったのに」と後悔しないために、契約する前にチェックしておきたいポイントを、不動産コンサルタントの小野さんに話を聞いた。

不動産コンサルタント ネクスト・アイズ代表取締役 小野 信一 氏

不動産会社、大手ハウスメーカー勤務を経て、不動産コンサルティング会社ネクスト・アイズを設立。住宅・不動産資産に対し、中立的なアドバイスを行う。NHK文化センター講師もつとめる。


 


建築後の不満は多い!不動産コンサルタントの話す注意点

本誌読者571名に建築後の感想について調査(※)を行ったところ、全体の3分の1から不満の声が寄せられた。その不満は、「会社選び」・「プラン内容」・「事業収支計画」に関する内容が多かった。これらの原因はいずれも建築を依頼する会社をしっかり選ばなかったことが挙げられる。では、どうすれば失敗しない会社選びができるのだろうか。

建築に関わる全ての行程を知り尽くした不動産コンサルタントの小野さんは、こう注意を促す。「賃貸経営は、会社を興すことと同じリスクを抱える覚悟をもつ必要があります。経営者という自覚を持って、冷静に、客観的な判断をすることが大切です」

下記にあげた読者の不満の声とオーナーがとるべき対応を読んで、後悔しない賃貸住宅建築のパートナーを選ぼう。 (編集部)

1.パートナー選びは慎重に 会社選び編

よくある不満

一生懸命な営業マンを信頼して契約した途端、態度が雑に!

契約のために営業マンが親身になるのは当たり前。手続きやダンドリなど実務能力も精査しましょう。大手メーカーでは、ブランド力がある一方で、担当が変わる組織的対応が一般的で、異動も多くみられます。地場工務店の場合は社長が対応することも多く、手がまわらないこともありますが、小回りの利く対応も期待できます。

よくある不満

施工会社が倒産!完成後のフォローが何もありません。

新築住宅(賃貸も含む)は引渡し後10年間、主要な部分の補修は、会社が倒産しても保険でカバーする瑕疵保険制度が義務化されています。一方、着工から引渡しまでは保証されませんので、そのリスクに備え「住宅完成保証制度」にも加入しましょう。保証期間が会社の財務内容を審査しますから、登録できるところは経営状態も悪くないといえます。また、融資の有無も判断材料になります。

よくある不満

竣工後、アフターフォローや定期点検があるといわれたのに、何の音沙汰もない。

カスタマーサービス部門は対応にバラつきがあるので人数体制を確認すべきです。また、営業マンの各部門との連携により対応が違うことも。施工物件の見学時にオーナーの口コミも判断しましょう。

2.大事なところは最後までしっかりと プラン内容編

よくある不満

外観の雰囲気や色がイメージと違う。設備も古い気がする。

このような不満はオーナー自身がプラン内容をノーチェックだったからです。自分が住まないからとプロに任せ、いくら家賃が入るかしか興味を持たず、空室が長引いてから「こんな間取り、設備じゃ入らない」と言っても遅いのです。ターゲットのニーズくらいはオーナー自身も勉強して、プラン作りに参加するべきです。最近、気になるのは外構がおろそかになっているケースが多いこと。賃貸住宅は第一印象が大切。外構デザインにも力を入れるべきでしょう。

よくある不満

着工してから要望を出した、変更点や追加点が反映されていませんでした。

これを防ぐには、どんな小さな打ち合わせでも、きちんとファックスやメールなど書面にして議事録を残すことです。また、竣工後のチェックも大切。当初の図面・見積り通りか、途中の変更・追加が反映されているかを確認、書面と違うなら修正を要求し、直すまで引き渡しを受けてはいけません。プロの住宅診断士に依頼するのもよいでしょう。

実は、こうしたトラブルは最初に“できる営業マン”に依頼するかどうかがカギを握るともいえます。「良い営業マンには、良い設計者、良い現場監督、良い下請け職が付く」というセオリーがあるからです。担当営業マンに、施工実績などを聞いてみるのもよいでしょう

3.お金の計画は綿密に 事業収支計画編

よくある不満

試算で出されていた賃料が、実際には確保できず、未だに空室が。回収できるか心配。

現在、賃貸経営の事業収支計算ソフトはいくつもあり、簡単に試算できるようになっています。細かい項目は建築会社が自由に設定できるため、甘い計画になっていることも。市場調査に基づいた、現実的な試算かどうかを契約前にチェックしましょう。そのためにはオーナー自身も、地域の間取りタイプ別の家賃相場や空室状況を把握しておく必要があります。

 

よくある不満

メンテナンス費用や修繕費が思ったよりも高かった。

保守点検などのメンテナンス費用は、管理委託費に含めて5%〜10%程度として計算しますが、建物の設備仕様によって通常よりコストがかかることも。建築プランに応じた適切な費用が計上されているか確認しましょう。修繕費が事業収支計画に入っていない場合は、入退去時の原状回復リフォーム費、将来の大規模修繕も含めた長期修繕計画を立て、適切な費用を見積もっておきましょう。

事業収支計画書のチェックポイント

(1) 収入は適切か

□家賃設定が相場に合っているか

□家賃下落を織り込んでいるか

□敷礼・更新料を当てにしていないか

□空室リスクをみているか

(2) 支出は適切か

□管理委託費は妥当か

□修繕費・メンテナンス費用は適切か

□将来の大規模修繕などの備えはあるか

(3) ローンの選択は適切か

□変動金利の上昇リスクはみているか

□返済期間は適切か

□団信の有無

(4) 減価償却は適切か

□工事費全体の7割=建物、3割=設備が原則

(5) キャッシュフローは正常か

□リスクを考慮し、適正な収入・管理費・修繕費を算入した上で、現金収支が悪化し、赤字になる恐れはないか

※この記事内のデータ、数値などに関しては2017年6月5日時点の情報です。

撮影/青木茂也 イラスト/高村あゆみ

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