アパート経営にかかる費用ってどんなものがある?資金はいくら必要?

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土地やアパートを相続するなど、これからアパート経営を始める際に把握しておきたいのがお金のこと。アパート経営には建築費などの初期費用と継続的にかかる費用があります。アパート経営を成功させるには先々まで見越したお金の準備をしておくことが重要です。どんな費用がかかるのか把握しておきましょう。

新しいアパートの経営を始めるときの初期費用は?

アパートやマンションの経営を始めるには、建築費とそれに付随した諸経費がかかります。もし中古物件を買う場合は、建築費の代わりに購入代金や仲介会社への手数料が必要です。ここでは、アパートを新築する場合について紹介します。

建築費

建築費は、階数や構造、設備などによって大きく変わります。アパートの建築費を概算するときは坪単価×延べ床面積で計算します。

国土交通省が行う建築着工統計調査(平成30年)によると、全国平均の坪単価は、木造は約56万円、鉄骨造は約76万円、鉄筋コンクリート造は約75万円になっています。アパートは木造が多く、鉄筋コンクリートはほとんど採用されません。

アパート建築には最低でも数千万円はかかります。詳しい内容はこちらから確認してください。
アパート建築で知っておきたい建築費と建築会社選び|賃貸経営ノウハウ

また、初期費用を抑えるために設備をリースするという選択肢もあります。ローンを組んで購入するか、リースで導入するかで税金や経費にも違いが出ます。
リースで設備を導入するメリット・デメリットは?

諸経費

アパートを建築すると、建築費以外にも必要になる費用があります。

  • ・建築確認など各種申請手続き費用
  • ・登記に関する費用
  • ・保険料
  • ・税金

こららは概ね、建築工事費の3〜5%程度が目安です。

各種申請手続き費用

アパートを建築する際には、建築確認申請をする必要があります。申請義務は建築主、つまりアパートのオーナーにあります。資料や図面が必要なため、実際の申請は建築会社などが代理で行うのが一般的です。費用は自治体によって異なり、床面積に応じて代理手数料も込みで数万円から数十万円ほどになります。

登記に関する費用

アパートが完成すると、建物表題登記と所有権保存登記が必要になります。建物表題登記には、建物の所在地や構造など基本的な事項が掲載されます。必要な資料の作成をするのは土地家屋調査士です。

所有権保存登記は建物の所有権が誰にあるのかを記載します。司法書士に代行してもらうのが一般的です。

また、アパートローンを組む場合には抵当権設定登記を行います。万が一ローンが払えなくなった場合に、建物を競売などにかけて金融機関の資金回収を確実にするためです。これも司法書士に代行してもらうのが一般的です。

これらの代行費用が必要になるほか、所有権保存登記と抵当権設定登記の申請時には、後ほど紹介する登録免許税がかかります。

保険料

火災保険や地震保険などの損害保険料が必要です。補償内容や地域、建物構造によっても金額は大きく異なります。火災保険は加入が義務付けられているので必須ですが、地震保険は任意になっています。耐震基準を満たしていても倒壊するケースも出ており、しっかり検討すべきです。

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税金

アパートを建てる際に必要になるのは、印紙税、登録免許税、不動産取得税の3つです。

賃貸事業をスタートさせる際には様々な契約を結びます。そこで国に支払う印紙税が必要になります。必要になるのは、不動産の売買契約や建築工事請負契約、ローン契約など。コンサルティング契約や管理委託契約など、業務委託契約は非課税です。

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※ 2014年4月1日〜2020年3月31日までの軽減措置

登記する際に必要なのが登録免許税です。すでに所有している土地に建物を建てた場合、所有権保存登記で建物の固定資産税評価額の0.4%が必要になります。抵当権設定の場合は、借入額の0.4%です。賃貸併用住宅の場合には、住居部分に減税措置があります。

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※1 抵当権設定時は借入金額 ※2 床面積50㎡以上の自己居住用の家屋など ※3 2021年3月31日までに売買した土地は1.5% ※4 特例の起源は2020年3月31日まで

土地や建物の取得に対して都道府県から課税されるのが不動産取得税です。所有権保存登記から半年〜1年ほどして納税通知が届くので注意が必要です。アパート建築においても減税措置があり、数十万円の差が出ます。プランづくりの際にも意識したいポイントです。

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足りない資金はアパートローンで調達! 自己資金はどれくらい必要?

アパート建築には多額の資金が必要になります。自己資金を用意するほか、必要な分をアパートローンで借入することが多いです。

一般的に、ローンを借りるときは定期預金の預け先など取引関係の深い銀行を選ぶ方がいいと言われますが、必ずしもそうとは言えません。アパートローンの実績が多いのは、地方銀行、信用金庫、JAの順番になっています。

アパートローンの種類と特徴

アパートローンは住宅ローンのように定型化された商品はありません。融資条件はオーナーの支払い能力や資産背景、親族の資産状況、事業収支計画など、様々な要素を加味して決定します。

アパートローンには金利が3種類あります。固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型の3つです。

固定金利型は、返済額が一定で計画が立てやすい反面、繰り上げ返済に対するペナルティが課せられることが多いです。変動金利型は、低金利時に他のタイプより金利水準が低く設定され、高金利時にも将来的な金利低下を期待することができます。一方、金利の変化による返済額の増加の可能性はデメリットです。

アパートローンは変動金利が主流ですが、それぞれのメリットとデメリットを考えて選択しましょう。

また、融資対象が限定されますが、日本政策金融公庫や住宅金融支援機構などの半公的機関が扱っている融資もあります。固定金利でも繰り上げ返済のペナルティがないため、検討する価値があります。

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自己資金はいくら必要? 自己資金と借入金の比率

まず、上で紹介した初期費用の諸経費分は自己資金で賄う必要があります。建築費をアパートローンで借り入れるにも頭金は必要です。最低でも1割〜2割は必要になるでしょう。先ほど紹介したように、融資条件はオーナーごとによって変わり、融資を行う金融機関によっても変わるため、確実ではありません。

また、賃貸経営を考える上では、自己資金と借入金の比率を戦略的に考えることも必要です。自己資金が潤沢にあっても、相続税対策で財産評価額を圧縮するなら借入金を多めに組む必要があります。手取り額を増やしてキャッシュフローをよくしたいなら、借入金の比率はできるだけ減らすことになります。

アパートの新築や新規購入以外にも大規模修繕などでローンを組むことはあります。借り入れがしやすいようにキャッシュフローをよくしておくことは賃貸経営を行う上で重要です。

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アパート経営で継続的に必要になる費用は?

アパート経営にかかる費用は建築時だけではありません。収益を上げていくためには、収入の管理はもちろん、支出も把握しておく必要があります。主な費用は以下の通りです。

  • ・税金
  • ・維持管理費
  • ・修繕費
  • ・保険料
  • ・ローン返済
  • ・その他経費

税金

上で紹介したアパート建築時の税金以外にも継続的にかかる税金があります。固定資産税、都市計画税、所得税、住民税、個人事業税、法人税など。

維持管理費

アパートの維持管理の費用がかかります。管理会社への管理委託料や清掃会社への委託料など。管理会社への委託料は、委託内容にもよりますが家賃の5%が目安です。

修繕費

管理料で賄えない小規模修繕の費用や退去者が出たときの原状回復費用などがかかります。賃料収入の3〜5%程度は必要経費として計上しておきましょう。

また、計画的に大規模修繕を行うための費用も積み立てておく必要があります。
大規模修繕の資金はどう準備する?

大規模修繕のための積み立ては必要経費には計上できません。経費として積み立てるために生命保険を活用するケースもあります。
目的別に使いこなそう!生命保険の上手な利用方法

他にも、築年数が経過すると物件の競争力を維持するためにリフォームやリノベーションを行うことがあります。この費用も計画的に用意しておくといいでしょう。

保険料

火災保険は加入が必須です。その他、地震保険や生命保険など、もしもの場合に備えた保険の加入が必要になります。

ローン返済

継続的にかかる費用で大きなものがローンの返済です。金利が変動型の場合、ローンの金利は将来的に変動する可能性を見込んでおきましょう。ローンの金利は経費計上できるため、金利が上がった分がすべて収益に響くわけではありません。他の所得との損益通算で所得税が減る可能性があります。

その他経費

上に挙げた以外にも、入居者募集のための広告宣伝費や情報収集のための資料費、事務用品などの消耗品費がかかります。視察や物件の状況確認に行くなどする場合には車両代や宿泊費もかかるかもしれません。必要な範囲で使用した車両代や宿泊費などは経費として計上可能です。

アパート経営の費用を知って、目的に合わせた収支計画を

アパート経営にかかる資金は初期費用の大きさに目がいきがちです。しかし、経営を成功させるためには、継続的にかかる費用を把握して黒字経営化、必要な資金の準備をしておく必要があります。

費用を削りすぎたために入居者から選ばれない、不測の事態に対応できないということがないようにしておきましょう。

また、安定した経営を行うために、満室の状態でも空室対策を行っておくことが重要です。支出のコントロール以外に収入の最大化についても常に対策を立てておきましょう。

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