【賃貸経営】「個人事業主」と「法人」違いとは?「法人化」検討のポイントも解説

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公開日:2020年3月4日
更新日:2020年3月9日

相続対策・事業承継対策にも有効な法人化

法人化は相続対策にも有効です。建物を法人に移行することで、個人の財産を減らすことができ、その後の家賃収入を法人の収入とすることで、新たな財産が増えないようにできるからです。また、例えば子どもを社長にすることで、事業承継をすることができるという点もポイントです。

ただし、法人化には設立経費がかかり、決算書を作成するための税理士報酬が発生します。また、赤字であっても法人住民税の均等割の負担が毎年あったり社会保険への加入が義務化されているなど、物件の移行の際には、不動産取得税の支払いが発生するし、固定の費用がかかります。

それに対して個人事業主なら、開業費用もランニングコストもかからないですし、確定申告も自分で行うことが可能です。減価償却費や経費をしっかり利用すれば、低税率での税金支払いもできるでしょう。何よりも気持ちが楽なのが個人事業主の良さです。

「個人事業主」と「法人」にまつわる主な費用のポイント

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賃貸オーナーが法人化を検討するべき条件とは?

では、どのような条件のオーナーなら法人化を考えたらいいのでしょうか。税率を比較し、法人税の税率を上回る所得がある場合は法人化した方がいい、といった話を聞きますが、私は正しくないと思います。どれだけ税金を払っているかが大切であり、私が相談を受けた場合には、200万円以上税金を払っているなら検討してもいいのではないか、と伝えています。

ただし、あくまでもこの金額は目安なので、強く勧めるつもりはありません。何しろ法人化は非常に難しい案件です。オーナーの資産状況や家族構成等によって、個々に事情は異なってきます。5年後、10年後を見据えた綿密なシミュレーションが欠かせません。

検討をするなら、法人化のことだけでなく、不動産のこと、相続税のことにも詳しい、実績ある専門家に相談するようにしてください。

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※この記事内のデータ、数値などに関しては2020年3月4日時点の情報です。

取材・文/本多 智裕 イラスト/福々ちえ

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