高齢入居者の家賃滞納リスクを減らす家賃債務保証!
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連帯保証人に代わって債務を引き受ける家賃債務保証。近年では、高齢者でも年齢制限なく利用可能なサービスも出てきている。
年齢制限なく利用可能!滞納時も安定収入を確保
オーナーが高齢者への賃貸をためらう不安要因の一つとして、収入不足や認知症による家賃の滞納、保証人の不在が挙げられる。こうした不安を解消するのが、高齢者向けの家賃債務保証。連帯保証人の代わりに債務を引き受けることで、賃貸住宅への入居を支援するサービスだ。
家賃債務保証事業を展開するエルズサポート(株)は、高齢者の生活支援サービスを展開するホームネット(株)のグループ企業。同社では仲介・管理会社と業務委託契約を結び、債務保証をしている。入居者は年齢制限なく利用できるため、高齢者のニーズが年々高まっているという。
「お年を召した入居者様に滞納が生じた場合、人情面で督促しづらいので、保証会社が債務を引き受けてくれるのは精神的にも楽だという声をオーナー様からよくいただきます」と藤田社長は語る。
平成22年8月に高齢者の見守りや生活支援を展開しているホームネット株式会社のグループに入り、「エルズサポート株式会社」としてスタート。家賃債務保証事業を中心に、入居者の多彩なニーズに応じたサービスも提供している。
安否確認サービスとも連携させて生活支援を
高齢者受け入れに伴うリスクは、家賃債務保証だけで解決を図ることは困難だ。そこで同社では親会社のホームネット(株)が提供する自動音声安否確認サービス「見まもっTELプラス」(月額1500円)もセットで提案している。入居者に決まった曜日、時間帯に安否確認電話がかかり、1回ボタンを押すだけで家族等に「元気です」「具合が悪いです」といったメールが届く仕組みだ。
また、同社は損保会社と契約し、孤独死による損失補償にも対応。居室内死亡時の原状回復費用として上限30万円、事故物件となった場合、旧賃料の50%の家賃保証を最大8カ月間保証する商品も用意している。
「こうした当社の生活支援サービス体制は、東京都や大阪府などの行政機関にも高く評価していただき、行政の事業としても採用されています」(藤田社長)
高齢者向けの家賃債務保証を提供する会社はまだまだ少ないが、その他には一般財団法人高齢者住宅財団などが挙げられる。
同財団では高齢者の居住の安定確保を図る国の施策を受け、「家賃債務保証制度」を設けて居住を支援している。保証料は原則入居者が負担し、2年契約の場合で月額家賃の35%。共益費や管理費を含む滞納家賃が最大12カ月分、原状回復費用・訴訟費用が最大9カ月分保証される。
こうしたサービスを利用すれば、家賃の滞納や原状回復費用に係る心配がなくなり、高齢者も安心して受け入れることができるだろう。
まだある!安心・安全に高齢者を受け入れるための方法&対策
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2017年3月6日時点のものです。
取材・文/菱沼 晶 撮影/青木 茂也、工藤 朋子 イラスト/浅羽 ピピ