仲介会社と良好な関係性を保つ秘訣!賃貸物件の集客力を上げて成約率を高めよう
空室を早期に解消できるかどうかは、仲介会社の集客活動にかかっています。どうすれば積極的に入居を決めてくれるのでしょうか。仲介会社へのアプローチの仕方、上手な付き合い方について紹介します。
仲介会社はオーナーの右腕
賃貸住宅を建てれば埋まった“貸し手市場”の時代の感覚を引きずり、上から目線で仲介会社に指示するようなオーナーは敬遠されます。
仲介会社は、オーナーの右腕となって集客営業をしてくれる賃貸経営の重要なパートナーとして、対等な立場で良好な関係を築きましょう。そこで、仲介会社の営業スタッフを味方につけコツを紹介します。
1.まめに仲介会社を訪問してコミュニケーション
仲介会社とは、空室に入居を決めてくれたときだけの単発的な付き合いになりがちです。
オーナー側からも訪問し、顔と名前・物件を覚えてもらうようにしましょう。手土産の一つでも持って行けば歓迎されます。
頻度は、最低でも月に1度くらいが理想。客付け仲介会社の場合、20代から30代前半までの若い営業スタッフが多く、勤続年数も2~3年と短い傾向があります。年に数回しか顔を合わせない程度では、営業スタッフとの関係が切れてしまうからです。メールやLINEでやりとりできるようになれば、なお良いでしょう。
反響や内見依頼の確率の高い営業スタッフを食事会や飲み会に誘って親密度を高めれば、効果的な集客の方法やライバル物件の動向など、有力な情報を教えてくれるかもしれません。年賀状や暑中見舞いのハガキを送るのも不可欠です。
2.仲介会社の忙しい曜日、時間はさける
仲介会社は、週末が一番の稼ぎ時です。特に土曜日は、来店接客や内見が集中します。(オフィスなどの法人営業の場合は、平日の夕方が忙しい)。
相手の1週間スケジュールを踏まえて(下図参照)、営業の邪魔にならずに、ゆっくり話ができる日を選んで訪問しましょう。
3.自作の募集チラシを持参する
客付け仲介会社の営業スタッフは、紹介する物件のうち自分で見たことがある割合は15%程度といわれます(リーシング・マネジメント・コンサルティング調べ)。そのため、自分お言葉のように物件の魅力を伝え、契約に結びつけられるような営業トークに使えるネタを求めているのです。
そこで訪問の際に、所有物件の特長、セールスポイントが一目で理解してもらえる物件資料を持参するのも有効です。
カラー写真、カラー図面を多用したオリジナル募集チラシを自作すしたり、豊富な写真データをDVDに入れて提供するのもいいでしょう。オーナー側写真を揃えていないと、自分たちで撮影にいかなければなりませんが、その手間が軽減されると喜ばれます。
4.内見にはなるべく立ち会う
時間が合う限り、内見に立ち会うことをお勧めします。仲介会社の営業スタッフとしては、物件図面に載っていない情報をその場で教えてもらえると、入居者の疑問解消になり、成約に結び付きやすいからです。ただし、出過ぎたセールストークは控え、聞かれたことに答える程度にとどめておいたほうがいいでしょう。
内見に立ち会うことによって、所有物件に対する入居者の反応を直に確かめられるメリットもあります。入居審査の参考にもなるし、今後の改善のヒントを得られるかもしれません。
5.営業スタッフに権限を移譲
入居希望者との条件交渉に当たって、オーナーと連絡がつかずないために決められないことを、営業スタッフは嫌います。
受け入れ可能な募集条件変更の範囲、家賃の値引き幅・礼金カットの可否などを予め伝えておき、ある程度の裁量に任せることも必要です。オリジナル図面にオーナーの携帯電話番号を入れて、問い合わせに即答できるように準備しておきましょう。レスポンスの良いオーナーの物件は、優先的に紹介してもらいやすいものです。
6.ADの提供
AD(広告料)やB(バックマージン)といった名目で、入居者を決めてくれた仲介会社にインセンティブを払うことが慣習になっているエリアがあります。法的にはグレーゾーン(※)ですが、賃貸住宅の競合が激しいエリアでは、仲介会社に積極的に動いてもらうためのコストとして受け入れる必要があるかもしれません。
※注:宅建業法上は、仲介会社が得られる報酬は依頼者の双方(借り手と貸主)から合計1ヶ月分に制限されています。ただし、貸主から特別に依頼され、通常必要な広告活動を超える多額な費用がかかることを事前に承諾した場合は、広告費として受け取ることは可能です。法的には、かなり限定されたケースを想定していますが、「オーナーの了解さえあれば広告料をもらってもいい」と都合よく解釈して、半ば慣習化しているのが実情です。
仲介会社との良好な関係を築く秘訣をご紹介しました。
空室期間が多い、なかなか連絡が来ない…などの悩みを抱えている方は、一度仲介会社へのアプローチ方法を試してみてはいかがでしょう。
文/木村 元紀
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