「土地が狭いから」と諦めないで!敷地面積6坪でも建築可能!?狭小地・変形地の有効活用

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所有する土地は駅から遠くないが、狭かったり形が良くないために賃貸経営での活用は難しいと考えているオーナーは多い。だが実際は、敷地面積6坪から賃貸住宅の建築は可能だという。狭小地・変形地に賃貸住宅を建てる際のポイントとは?

立地の良さが第一条件 いかに付加価値を生むか

狭小地・変形地の定義を、皆さんはご存じだろうか。変形地とは敷地の形が長方形ではないもの、例えば三角形や台形などの敷地だということはおわかりだろう。では、狭小地とは?

有限会社スモールハウス代表取締役の鈴木茂さんは、「明確な定義はありませんが、20坪以下の土地を私たちは狭小地と呼んでいます」と語る。同社は狭小住宅の専門サイトを運営し、狭小地や変形地の有効活用を考えている土地所有者に、専門の建築家や工務店を紹介する事業を行っている。相続税の増税の影響もあり、ここ数年、問い合わせが増えているという。では、どのような条件の土地なら活用が可能なのだろうか。

(鈴木さん)「やはり立地が良いところですね。東京都内や大都市の、駅から徒歩10分圏内。その条件の土地なら、十分対象となります。過去には10坪以下の土地の建築プロデュースしたこともあります。ただし、狭いということはデメリットですから、それをメリットに転換する工夫が必要になります」

その工夫について、同社とパートナー契約を結び、これまで多くの狭小住宅建築を手がけてきた設計事務所・設計工房の一級建築士、久保宗一さんはこう語る。

「一言で言えば差別化です。なるべく多くの部屋をとれる建物にしますので、一部屋は狭くなります。その狭さを克服して、長く住んでもらえるようにするのが設計士の腕の見せ所です。例えば、ロフトを設けて高さをとることで狭さを解消したり、天窓で採光を確保したり、デザイン性の高いプランにするなど、何かしらの付加価値を生み出すように工夫しています」

だからこそ、どの会社に設計・建築を依頼するかが重要になる。

(鈴木さん)「狭小地や変形地の建築は難しいので、各設計士のセンスの差が明確に出ます。施工会社でもそうです。経験が豊富で得意としているかどうかを調べたほうがいいです」

また、建築費をローンで賄う場合、金融機関の審査は広い土地に比べて厳しめになることは覚悟してもらいたいという。

(鈴木さん)「その点では、建築費を抑えられる木造住宅がおすすめです。3階建てまで建てられますから、コストと利回りを考えた場合、賢い選択肢と言えるでしょう」

柔軟な設計力を駆使し、どんな敷地形状にも対応

では、実際に建てられた賃貸住宅にはどのような例があるのだろうか。狭小地・変形地に年間30棟以上の賃貸住宅を建設している株式会社のアセット事業部部長、大澤松明さんに紹介してもらった。

「都内なら、一部屋約10㎡の広さを確保することができれば、建築は可能です。条件のいい立地なら、狭くても安ければ入居したいという方は確実に存在しています」

同社の強みは、どのような敷地形状にも対応する柔軟な設計力だ。

(大澤さん)「極端な話、建築基準法さえ守れれば、何でもやってみようというスタンスです」

こうした姿勢から実現した賃貸住宅とはどのようなものか。まずは、上に紹介している東京都墨田区の物件。約14坪強の敷地に4戸のワンルームで構成される、2階建てアパートだ。2階の住戸にはロフトを設けたり、1階にはデスク兼ベッドとして利用できる家具を設置したりすることで、狭さを克服しているのが特長だ。

3階建てに見えるが、構造は2階+ロフト

2階住戸にはロフトを設け、高さをとることで視覚的に狭さをカバー

コンパクトな洗濯機置場を設置し、キッチン下に冷蔵庫を入れるなどして、住空間を確保

また、文京区本駒込に建築中なのがワンルーム6戸からなる3階建ての物件。敷地面積は同じく14坪強だ。敷地形状は台形で、建物はこの土地なりに建てられている。

(大澤さん)「同物件ではユニットバスタイプと、シャワールームとトイレを別にしたタイプをプラニングして、ライフスタイルに合わせて選択できるようにしました」

さらに、現在神奈川県川崎市に建築中の物件は、なんと敷地面積が約6・5坪しかないという。以前は駐車場として使用していたが、同社がプラン提案することでオーナーが賃貸経営を決意したそうだ。

(大澤さん)「オーナー様は、まさかその土地に賃貸住宅を建てられるとは思っていなかったそうです。2階建て2戸の建物ですが、各戸にロフトを設けて高さと居住空間を確保しています。駅近なので入居者はすぐ決まるでしょう。駐車場経営よりも固定資産税は下がりますし、賃料収入を見込めるので、オーナー様には喜んでいただけました」

皆さんがご所有の狭小地や変形地も、実は大きな潜在力を持っているかもしれない。関心をもたれた方は、一度調査してみてはいかがだろうか。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2015年6月8日時点の情報です。

取材・文/本多 智裕

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