【2023年度最新版】税理士監修!確定申告時に経費計上のツボをおさえて迷わないコツを解説

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公開日:2023年11月28日
更新日:2024年3月8日
【2023年度最新版】税理士監修!確定申告時に経費計上のツボをおさえて迷わないコツを解説1

2023年分の確定申告は、2024年の2月16日から3月15日まで。毎年の申告時に「これは経費で落ちる?」と迷っている大家さんも少なくないでしょう。そこで、賃貸経営に特有の注意点やポイント、経費計上のコツを税理士の林さんに解説していただきました。

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記事の監修
【2023年度最新版】税理士監修!確定申告時に経費計上のツボをおさえて迷わないコツを解説2

林寛税理士事務所 代表税理士 林 寛 氏

国税局に24年間勤務。退官後、金融機関に勤め、2013年に現事務所設立。税・金融・税理士の経験を活かし、適切な提案と申告業務を行う。不動産オーナーが特に悩みがちな相続・贈与・事業承継など、多くの案件を見てきたからこそできるアドバイスでサポート。国税局では主に相続税調査約500件を経験。大手不動産会社・金融機関からのセミナー依頼も多数。

事業に直接関わる支出は必要経費として認められる

2023年分の所得税の確定申告については、大家さんに関係する変更は特にありません。今回は、確定申告にあたって、特に間違えやすい経費の扱い方についてご説明します。

不動産に関わる経費は、迷いがちなポイントです。「経費になるもの/経費にならないもの」をきちんと見極めて、もれなく計上することが大切です。

まず、経費として基本的な項目は、賃貸不動産の取得や保有に関わる税金、損害保険料、借入金利子、賃貸管理や入居者募集に伴う委託費用などがあります。この他に、賃貸経営の必要経費として認められるか迷いやすいのが、次の3つです。

(1)減価償却費/消耗品費/修繕費

【2023年度最新版】税理士監修!確定申告時に経費計上のツボをおさえて迷わないコツを解説2

建物・設備・備品類などは、1つまたは1セットの取得金額に応じて次のように処理します。

ⓐ金額が10万円未満/消耗品費などとして単年度の必要経費に算入。ⓑ10万円以上20万円未満/「一括償却資産」として3年間で必要経費に算入。ⓒ10万円以上30万円未満/一定の条件で青色申告をしている中小事業者などは「少額償却資産の特例」を適用できます。

年間合計300万円以内なら複数購入しても、単年度の経費に計上可能です(2024年3月末までの特例)。ⓓ30万円以上/原則として、法律で定められた耐用年数に応じて減価償却します。

【2023年度最新版】税理士監修!確定申告時に経費計上のツボをおさえて迷わないコツを解説2

注)このチャートは要約であるため詳しくは専門家へ相談を

間違えやすいのは、リフォーム工事が伴う場合です。傷みや故障などを直して元の状態を回復する支出は、「修繕費」として金額にかかわらず一括して経費計上できます。退去時の原状回復リフォームに加えて、数百万円の大規模修繕も修繕費となります。

これに対して、改築やリノベーションのように、物件の価値や性能、耐久性が高まる場合は「資本的支出」となり、減価償却しなければなりません。「修繕費」と「資本的支出」の判定方法は図表①を参考にしてみてください。

※取得価額とは、修理・改良の対象物を購入した際の価額のことで、取得に付帯する引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、据付費などを含める。

(2)家事関連費

自宅や自家用車、私用スマートフォンなどを賃貸経営に使った場合に、賃料や減価償却費・通信費などのうち、賃貸経営の業務に実際に関わる部分のみを経費計上できます。その際、部屋の面積や利用時間を明確に分けられるかがポイントとなるので、間取り図や運行記録・通話記録などの資料を用意しておきましょう。

(3)接待費/研修図書費

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企業や一般事業の場合は認められるものの、大家さんには認められにくい経費とされます。しかし、賃貸経営に直接必要な支出と証明できれば、経費計上できる可能性があることを覚えておきましょう。具体的には、管理会社や仲介会社の担当者との情報交換に伴う飲食代、経営に関するセミナーへの参加費や書籍代などがあげられます。

事業との関連性を証明できるように、参加者の名前や会議内容、レポートなどを残しておくと良いでしょう。

使える制度を活用して賢く税金を節約

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上手に活用すれば大きなメリットのある制度もあります。その筆頭が「青色申告」。事業の規模や帳簿の方式など一定の条件をクリアすると、前述の特例の他に、事業に携わる親族への青色事業専従者給与の経費計上や、最大65万円の特別控除を受けられます。

また、経費ではありませんが、税額を計算する前に掛け金を所得から控除できる制度もあります。1つは、小規模企業共済。個人事業主の退職金積み立て制度で、掛け金の上限は、1カ月7万円、年間で最大84万円まで。

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2つめは、確定拠出年金。老後に備えた個人年金の一種で、個人型を通称「iDeCo(イデコ)」と言います。所得控除できる掛け金の上限は、専業オーナーなど自営業者の場合、月6.8万円、年間81.6万円。運用益も非課税です。

さらに、節税とは異なりますが、「ふるさと納税」を利用する大家さんもいます。居住地以外の自治体への寄付金のうち、自己負担分の2000円を除いた全額を所得税・住民税から控除できる制度です。トータルの納税額は変わりませんが、返礼品の分だけお得になります。

消費税のインボイス制度、申告期間に注意

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2023年10月から始まったインボイス制度。インボイス登録をして、免税事業者から課税事業者になった大家さんは、2023年10月から12月までの3カ月分の消費税について、所得税の確定申告とは別に、申告と納税が必要です。申告期間は2024年3月末までとなります。

まとめ

賃貸経営では、経費の状況をきちんと把握していないと、思わぬ所得の増加になることもあります。年内の早いうちに収支をチェックして、必要があれば、適切な範囲で修繕工事や設備導入を行うことをおすすめします。また、わからないところは税務の専門家に相談するなどで、疑問を解消しておきましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2023年11月6日時点のものです。

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