空室対策に効果を発揮するのは、やっぱり設備!入居者満足度をアップさせる最新設備ランキング

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さまざまな空室対策がある中で、手軽に取り組める割に効果的なのが、新しい設備の導入です。うまくいけば収益アップにもつなげられます。そこで今回は、入居者にアピールできる設備の最新トレンドを本誌の編集長、上田が解説します。

オーナーズ・スタイル編集長 上田 英貴

株式会社オーナーズ・スタイル 代表取締役。株式会社リクルートに20年在籍後、株式会社オーナーズ・スタイルを設立。大家歴26年。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士


キーワードは「便利で快適」と「安心・安全」な設備

物件の絞り込みに使われるインターネットの「こだわり検索」には、入居希望者に人気の高い項目がずらっと挙げられています。そこに含まれる設備の有無が、空室対策にも非常に重要というわけです。そこで、最新の人気設備ランキングを見てみましょう。

入居者を対象にした調査では、エアコンが不動の1位です。エアコンは、新しい物件ならほとんどが設置済みと思うかもしれません。しかし、人気設備のトップにくるのは、まだ付いていない物件があることの裏返しです。エアコンは給湯器と同じで、当然ついているべき設備と言えます。ファミリータイプなら、複数台の設置も珍しくありません。

その他の設備は、調査する年によってランキングが入れ替わりますが、常に上位に入る設備に共通するキーワードがあります。「便利で快適」と、「安心・安全」です。

まず「便利で快適」な設備としては、BT(バストイレ)関連が上位に来ています。バストイレ別はもはや当り前となり、追い焚き機能付き・浴室乾燥機・温水洗浄便座など、一歩進んだ機能が求められています。

近年ニーズが高まっているのは、インターネット関係の設備です。接続無料の光回線や、Wi-Fi(ワイファイ)が上位に入っています。仲介会社に対して業界新聞が実施した「家賃が高くても入居が決まる設備」の調査では、「インターネット無料」が第1位でした。入居者が自分で設置した場合の費用と、設置済みの“おトク感”を比較してアピールしやすく、数千円の家賃アップも可能と言われます。

また、「安心・安全」と言えば、セキュリティ関連の設備です。ピッキング対策のカギやTVモニター付きインターホン、玄関扉のオートロックなどが上位に入っています。

ターゲットに合わせて費用対効果の高さでセレクト

しかし、人気が高い設備だからといって、むやみに付ければいいわけではありません。マーケットニーズや所有物件の特性に応じて、メインとなる入居者ターゲットを検討し、費用対効果の高い設備を選ぶことが重要です。

例えば、ネット通販の利用率が高く、日中は不在にしていることが多い単身者には、宅配ボックスの評価が高いようです。同じ単身者がターゲットでも、女性中心ならば防犯カメラやTVモニター付きインターホン、男性中心ならばインターネット無料の支持率が高いとされます。家族の人数が多いファミリー層には、追い焚き機能付き風呂が人気です。

また、人気度ばかりにとらわれず、「不満解消」という視点で考えることも大切です。入居者の不満ランキングでよく上位に来るのは、「上下階や左右の音が気になる」「収納が少ない」「冬寒く、夏暑い(=断熱性が低い)」などです。特に子育てファミリー層はこれらの優先順位が高い傾向があるので、ファミリー層をターゲットにする場合は、人気ランキングでは下位にあることが多い「断熱・遮熱性能の高い窓」「遮音性能の高い窓」なども検討しましょう。後付け二重窓の良い商品も出ています。

収納不足に対しては、クローゼットを増設するのは難しくても、壁面を利用したウォールラック(壁掛け収納)は手軽ですし、「見せる収納」として見栄えも悪くありません。

ランク外でも満室効果あり、口コミで評価の高い設備とは?

人気設備の調査結果には出ていませんが、大家さんの口コミで広まり、満室に貢献している設備もあります。例えば、「室内洗濯物干し」は、単身女性やファミリーの主婦層に受けるとよく聞きます。システムキッチンも評価が高い印象です。

注文建築では当たり前の設備ですが、家具量販店ではリーズナブルなシステムキッチンやオシャレな洗面ボウルが販売されていますので、設備交換の時期に取り入れることをおすすめします。

女性の反応が良い室内物干し。電動昇降式と簡易フック式がある 写真提供:株式会社ナスタ

また、今後注目を集めそうなのが、住宅設備や家電をインターネットで結んで便利なサービスを提供する「IoT(モノのインターネット)」です。例えば、スマートキーは、暗証番号・ICカード・スマートフォンなどで開錠できるキーレス(カギ不要)の仕組みです。外出先からスマートフォンで照明やエアコンのオンオフができたりします。

スマホを活用して鍵を遠隔操作するスマートロックなどのIoT機器は、今後の注目株 写真提供:株式会社ライナフ

さらに、設備のカテゴリーからは少し外れますが、駅から遠い立地のハンデをカバーするために、全戸に電動自転車を付けたオーナーさんの例もありました。駅前に入居者専用の自転車置き場を借りて募集したところ、半分以上空室だったアパートが満室になったそうです。

空室対策に役立つ設備は、日々進化しています。最新情報を常に入手して、競争力を高める工夫を怠らないようにしましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2017年3月6日時点の情報です。

取材・文/木村 元紀

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