空室対策に!入居者満足度アップの最新設備ランキング
- 住宅設備
ターゲットに合わせて費用対効果の高さでセレクト
しかし、人気が高い設備だからといって、むやみに付ければいいわけではありません。マーケットニーズや所有物件の特性に応じて、メインとなる入居者ターゲットを検討し、費用対効果の高い設備を選ぶことが重要です。
例えば、ネット通販の利用率が高く、日中は不在にしていることが多い単身者には、宅配ボックスの評価が高いようです。同じ単身者がターゲットでも、女性中心ならば防犯カメラやTVモニター付きインターホン、男性中心ならばインターネット無料の支持率が高いとされます。家族の人数が多いファミリー層には、追い焚き機能付き風呂が人気です。
また、人気度ばかりにとらわれず、「不満解消」という視点で考えることも大切です。入居者の不満ランキングでよく上位に来るのは、「上下階や左右の音が気になる」「収納が少ない」「冬寒く、夏暑い(=断熱性が低い)」などです。特に子育てファミリー層はこれらの優先順位が高い傾向があるので、ファミリー層をターゲットにする場合は、人気ランキングでは下位にあることが多い「断熱・遮熱性能の高い窓」「遮音性能の高い窓」なども検討しましょう。後付け二重窓の良い商品も出ています。
収納不足に対しては、クローゼットを増設するのは難しくても、壁面を利用したウォールラック(壁掛け収納)は手軽ですし、「見せる収納」として見栄えも悪くありません。
ランク外でも満室効果あり、口コミで評価の高い設備とは?
人気設備の調査結果には出ていませんが、大家さんの口コミで広まり、満室に貢献している設備もあります。例えば、「室内洗濯物干し」は、単身女性やファミリーの主婦層に受けるとよく聞きます。システムキッチンも評価が高い印象です。
注文建築では当たり前の設備ですが、家具量販店ではリーズナブルなシステムキッチンやオシャレな洗面ボウルが販売されていますので、設備交換の時期に取り入れることをおすすめします。
また、今後注目を集めそうなのが、住宅設備や家電をインターネットで結んで便利なサービスを提供する「IoT(モノのインターネット)」です。例えば、スマートキーは、暗証番号・ICカード・スマートフォンなどで開錠できるキーレス(カギ不要)の仕組みです。外出先からスマートフォンで照明やエアコンのオンオフができたりします。
さらに、設備のカテゴリーからは少し外れますが、駅から遠い立地のハンデをカバーするために、全戸に電動自転車を付けたオーナーさんの例もありました。駅前に入居者専用の自転車置き場を借りて募集したところ、半分以上空室だったアパートが満室になったそうです。
空室対策に役立つ設備は、日々進化しています。最新情報を常に入手して、競争力を高める工夫を怠らないようにしましょう。
※この記事内のデータ、数値などに関しては2017年3月6日時点の情報です。
取材・文/木村 元紀